寒さが厳しい朝7時過ぎ。目にも鮮やかなオレンジ色のジャケットにサングラス姿の木村拓哉(44)が、車に乗ってやってきた。背筋をピンと伸ばして撮影場所に入る姿はスターの貫禄十分だが、どこか寂しげに見える。

 1月上旬。東京都江東区にあるオフィスビルで木村の主演ドラマ『A LIFE〜愛しき人〜』(TBS系)の撮影が早朝からおこなわれていた。

 昨年の大晦日に解散したSMAP。木村が「ソロ」になって初となるドラマが、15日にスタートした。

「医療ドラマとあって、学術用語がたくさん出てくるんですが、長セリフでも噛むことはありません。だいたい一発OKです。台本に『血液』とあるところを木村さんが本番で『血流』と言ったことがありました。

 ディレクターが指摘をすると、木村さんは冷静に『いや、医療監修の先生は血流と言っていました』と答えた。台本が間違っていたのです。医師役は初めてだからなのか、よく勉強している。皆、感心しています」(撮影スタッフ)

 収録の合間には積極的に共演者に話しかけている。

「共演者の松山ケンイチさんと竹内結子さんの3人で話していることが多いですね。昨年12月におこなわれた撮影では、子育ての話題になり、『英会話を習わせると、イエッサーの発音が違うよね』などという話で盛り上がっていました」(同前)

 だが一転、年が明けてからの木村は沈んでいるように見えるという。

「大晦日の『SMAP会』の件がこたえているのだろう。相当ショックだったようだ」(ジャニーズ関係者)

 六本木の焼き肉店でおこなわれたSMAP慰労会にただ一人不参加だった。

「木村も声をかけられはした。だが、連絡が来たのは、慰労会が始まった当日の午後7時ごろだという。いずれにしても『形式的』なものだった」(同前)

忠誠を貫いた木村は、今後、猛プッシュされる。現に、これまでドラマ出演は年1本のペースだったが、今年は10月期にもフジの月9に主演予定だ。

 撮影は朝10時過ぎに終了。10人ほどの女性ファンが待ち構えるなか、出てきた木村は厳しい表情だった。ファンからの手紙は受け取ったが、笑顔はなく車に乗って去っていった。

 オンリーワンではなく、ロンリーワンになのか――。

(週刊FLASH 2017年1月31日号)