平塚らいてう(平塚雷鳥)という女性をご存知でしょうか。明治生まれの思想家で、女性解放運動を積極的に行った人物です。「元始(げんし)、女性は実に太陽であった」という言葉で有名な彼女は、日本のウーマンリブの先駆けとして歴史に名を残しました。



平塚らいてう(平塚雷鳥)は、若いころは読書家で、文学を愛するハイカラな女学生でした。

当時の文学好きといえば、ロマンあふれる恋愛にハマるのがひとつのパターン。

彼女も例外ではなく、多くの男性と浮名を流します。

なかでも有名なのが「塩原事件」と呼ばれるもの。

森田草平という作家と、らいてう(雷鳥)の心中未遂事件でした。

草平は当時27歳。

夏目漱石の門下生で、妻あり子どもありながら、踊りの師匠とも恋愛関係にあり、厭世観に取りつかれた文学青年でした。

一方、らいてう(雷鳥)は22歳。才女でありながら同じく文学の世界に取りつかれており、2人は出会ったとき、すぐに意気投合したといいます。

話しこむうち、死こそが自分自身を救うものであると、2人は心中を決意。

塩原へと向かいます。

その時、らいてう(雷鳥)が残した言葉は、こんなもの。

「恋のため人のために死するものにあらず。自己を貫かんがためなり」

そして、森田草平はこんなふうに言っています。

「恋愛以上のものを求め、人格と人格との接触によって、霊と霊との結合を期待した」

かなり、難しいことになってしまっていますね。

結局、この心中は失敗し、彼女はこの塩原事件が世に出たことにより、スキャンダラスな存在として扱われます。

しかし、その逆境をしたたかに乗りきり、女性運動家として開花。

事件の3年後には女性の文芸雑誌「青鞜(せいとう)」を刊行し、「元始、女性は実に太陽であった」という有名なフレーズを世に送り出すのです。

恋愛をするたびに成長し、脱皮していく美しき女性。

男性の皆さん、こんなタイプ、いかがでしょうか。

文/岡本清香

TOKYO FM「シンクロのシティ」にて毎日お送りしているコーナー「トウキョウハナコマチ」。江戸から現代まで、東京の土地の歴史にまつわる数々のエピソードをご紹介しています。今回の読み物は、「恋をするたび強くなる?平塚らいてう(平塚雷鳥)」として、2015年8月26日に放送しました。

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<番組概要>

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放送日時 :毎週月〜木曜15:00〜16:50

パーソナリティ:堀内貴之、MIO

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