『盲剣楼奇譚』(島田 荘司) 島田荘司が小説を書かなければ、わたしは“わたし”ではなく、そして“わたし”がいなければ、本書『盲剣楼奇譚』は存在していなかった――かもしれない。 人口わずか一五〇〇余の山村に、わたしは生まれた。インターネットのない時代、田舎の少年にとって、小説は、世界を覗き見る窓だった。 小学校の図書室で見つけた『黒猫・黄金虫』で推理小説を知り、〈少年探偵団〉〈