金属パワーインダクタ市場、2032年に6031百万米ドルへ CAGR7.1%で成長予測

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金属パワーインダクタとは
金属パワーインダクタは、金属複合材料またはフェライト材料を用いて構成される電源回路向けインダクタであり、主に電圧変換回路においてICへ安定した電力供給を行う重要部品である。金属粉末ベースのコア材料と低抵抗Cuコイルにより構成され、電流印加時でもインダクタンスを安定的に維持できる特性が求められる。近年ではスイッチング電源(SMPS)やDC-DCコンバータの高周波化が進み、金属パワーインダクタには低損失化と高飽和電流対応の両立が重要課題となっている。

金属パワーインダクタ市場は、電源回路の高効率化および電子機器の小型化需要を背景に成長を続けている。特に近年は、金属パワーインダクタに対して低抵抗化・高電流対応・高周波対応といった性能要求が急速に高度化している。さらに米国関税政策により半導体および電子部品サプライチェーンの再編が進み、金属パワーインダクタの調達戦略にも影響を与えている。

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図. 金属パワーインダクタの世界市場規模
QYResearch調査チームの最新レポート「金属パワーインダクタ―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」によると、金属パワーインダクタの世界市場は、2025年に3746百万米ドルと推定され、2026年には3987百万米ドルに達すると予測されています。その後、2026年から2032年にかけて年平均成長率(CAGR)7.1%で推移し、2032年には6031百万米ドルに拡大すると見込まれています。

巻線型中心構造と消費者向け電子機器の需要拡大
製品構造別では巻線型(Winding Type)が市場の約60%を占め、依然として主流である。一方で薄膜型や複合構造タイプも高周波対応用途で採用が増加している。

用途別ではコンシューマーエレクトロニクスが約33%のシェアを持ち、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル端末などの電源安定化用途で広く使用されている。

2025年前後では、生成AI対応スマートフォンや高性能モバイルSoCの普及により、電源ラインの多チャンネル化が進み、金属パワーインダクタの搭載数は端末1台あたりで増加傾向にある。

主要企業による寡占構造と競争環境の変化
金属パワーインダクタ市場はTDK、太陽誘電、Murata、Chilisinの上位企業が中心となっており、上位3社で約36%のシェアを占める寡占的構造を形成している。その他にもSamsung Electro-Mechanics、Vishay Intertechnology、Würth Elektronikなどがグローバル供給網を構成している。

近年は中国系メーカーの台頭により価格競争が激化する一方で、高付加価値製品領域では日本・韓国勢が依然として技術優位性を維持している。特に車載電源用途では品質認証要件が厳しく、参入障壁は高いままである。

車載・通信分野で進む高性能化と設計要求の高度化
アプリケーション別では、コンシューマー電子に加え、自動車電子および通信インフラ分野での需要拡大が顕著である。電動車(EV)ではDC-DCコンバータ、オンボードチャージャー(OBC)、ADAS制御ユニットなどに金属パワーインダクタが広く採用されている。

特に2025年以降は800Vアーキテクチャ車両の増加に伴い、高耐圧・高効率インダクタへの需要が加速している。通信分野では5G基地局の高周波電源回路向けに低損失製品の採用が拡大している。