自宅でスマホの電波が切れる!自宅の電波切れを解消するWi-Fi化の3つの方法

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スマートフォンLTE通信も、最近では随分と安定してきた。1日を全てLTE通で利用しているという人も多くなった。しかし、まだ「自宅だと場所によってLTEの電波の受信感度が悪い」というケースも少なくない。特に古い住宅や集合住宅、高層階などに住んでいる人には多い。

実は、モバイル通信で使われている3GやLTEの電波はUHF帯で、金属・コンクリートなどで遮断されやすい。こうした理由から対応エリア内であっても受信感度が落ちてしまうケースがある。

自宅内の通信状況を改善するには、自宅のインターネット回線をWi-Fi化するのが一番良い方法だ。Wi-Fi通信は、通信速度も高速なうえ、スマートフォンのパケット料金の節約が可能、スマートフォンやタブレット、パソコン、ゲーム機なども同時利用ができるなど、一石三鳥にもなる。

それでは、利用ケースごとにおすすめのWi-Fi導入方法をご紹介しよう。

●インターネット環境がある家庭の場合


無線ルーターを導入すると、複数の家人で同時利用できる


「自宅で有線インターネットを利用している」という家庭の場合は、その有線LANをWi-Fi化する方法が良い。自宅のインターネット回線を家族全員のスマートフォンで利用できるのが最大のメリットだ。

この場合、市販の無線LANルーターを導入するのが簡単だ。現在の無線LANルーターは、規格や速度の違いはあるが、実売で3,000円台程度から購入することができる。スマートフォンの利用だけなら、低価格な製品でも十分だろう。また、ルーター設定も初期設定のままで利用できる。特に最近の無線LANルーターは、設定をスマホアプリでQRコードを読み込むだけで設定できる製品も増えているので、誰でも簡単に利用することができる。

★ ワンポイント 11ac(IEEE802.11ac)ルーターのすすめ
今、Wi-Fi化するのであれば「11acルーター」を選択する方法がある。11acルーターは、次世代の無線LAN規格。障害物に邪魔されずに広範囲で利用できる。速度も高速で動画配信などでもコマ落ちのすくない通信が可能な規格である。2013年以降に発売されたスマートフォンは11ac対応の機種が多いので、利用機種が多く、動画も楽しみたい人にはオススメだ。
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●インターネット環境がある1人暮らしの人の場合
有線LANが使えて一人暮らしの場合も無線LANルーターを導入すれば自宅をWi-Fi化することができる。

とはいえ、無線LANルーターは高いし、導入も面倒だという人にオススメなのが、小型の「モバイル無線ルーター」を活用する方法だ。

モバイルWi-Fiルーターは、持ち運びができるほど小型で、出張先のホテルの有線LANを簡単にWi-Fi化することができることで、最近利用者も増えている機器だ。メリットは、2,000円台程度で購入できる低価格と携帯して持ち運べるほどの小型さだろう。

ただし、こうした簡易のモバイルWi-Fiルータは、通信速度が30Mbpsから60Mbps程度と、それほど高速ではない。とはいえ、Web閲覧やSNSなど、インターネットを利用する程度なら十分だ。もし、もっと高速な通信を利用したい場合は、据え置き型の高速な無線LANルーターの導入を検討するとよいだろう。


手軽にWi-Fi化ができるモバイルWi-Fiルータ


★セキュリティ設定は追加しよう
モバイルWi-Fiルーターは、セキュリティ設定がされていない機種が多く、すぐに使えるのが利点だ。しかし、常用するのであれば、他人に使われたり、踏み台として悪用されないように、セキュリティ(パスワード)設定は必ずしておこう。


●インターネット環境が無い人の場合
自宅の全く通信回線が場合、Wi-Fi化するにはインターネット回線を契約する必要がある。しかし、インターネット回線の契約や手続き、工事などが面倒だと言う人には、モバイルWi-Fiルーターを利用する方法がある。

モバイルWi-Fiルーターは、面倒なインターネット回線の工事が必要なく、スマートフォンのようにモバイルWi-Fiルーターを契約するだけで利用できる点がメリットだ。LTE系のモバイルWi-Fiルーターは高速通信が利用できるが、7GBの月額利用制限がある。もし、無制限に使いたいのであれば、WiMAXのモバイルWi-Fiルーターを契約するのも良い選択だ。また、モバイルWi-Fiルーターは持ち運びもできるので、自宅だけなく外出先でWi-FiタブレットやノートPC、ゲーム機器を利用することもできる。

モバイルWi-FiルーターもUHF帯の電波を利用してインターネットに接続するので、窓際など感度の良い場所に設置しておく必要がある。しかし、自宅内での受信状況の良い場所に設置すれば、Wi-Fi接続でスマートフォンを自宅のどこでも利用できる。

★ワンポイン
モバイルWi-Fiルーターを利用する際に注意したいのが、「自宅がサービスエリア内なのかどうか」だ。また、サービズエリア内であっても、周囲の建物や環境によって受信感度が悪い場合もある。UQ WiMAXでは「try WiMAX」という15日間無料貸出サービスが用意されているので、実際に導入する前に試すことができるので、利用してみるとよいだろう。


WiMAXルーターは1度借りて試してみよう


Wi-Fiのセキュリティーは重要
Wi-Fiを導入したら、セキュリティーには気をつけよう。電波にタダ乗りされてしまえば、あなたは知らない人の通信費も負担してあげていることになる。ひょっとしたら、第3者があなたのWi-Fiを利用し、あなたになりすまして犯罪を働いているという可能性さえありえるからだ。

現在販売さえている無線LANルーターは、ほとんどの製品で出荷時にセキュリティーとしてパスワードが設定されている。ユーザー側で変更も可能なので、出来ればセキュリティーが強固な「WPA2-PSK(AES)」のパスワードを利用した方が良いだろう。
「パスワードを忘れるから」と設定を変更するときにパスワードをかけない「オープン」にするのだけは絶対に避けよるようにしよう。

このように今では,自宅のWi-Fi化は意外に簡単にできる。
利用していない人の中には「便利なのはわかるけど時間がないから」と自宅のインターネット回線を無線化していない人もいるだろう。だが、ほんの1時間程度の作業で、あなたの自宅が居心地の良い快適なインターネット環境へと劇的にリニューアルできるのだ。
連休はたっぷり時間がある。良い機会なので、これを機にぜひチャレンジしてみてはいかがだろうか。


甲斐寿憲