なぜ背番号18は日本プロ野球のエースナンバーとなったのか
18番は日本のプロ野球でエースの代名詞
楽天は、田中将大投手がつけていた背番号「18」を永久欠番にするという。エースナンバーを背負って、昨年は24連勝を挙げるなど球界のエースとして君臨。男は、間もなく海を渡る。今年のオフにもポスティングシステムでMLBへの移籍を目指す広島のエース・前田健太も背番号は「18」。数々の主戦投手が背負った番号は日本のプロ野球でエースの代名詞となっている。
なぜ、18がエースナンバーなのか。それには諸説ある。歌舞伎界で得意としていた演目を「歌舞伎十八番」(おはこ)といったことから、得意とする芸という意味で「十八番」が使われるようになった。そこから派生して、野球界でも一番秀でているものが「十八番」とされてきたという見方。また、球界の中心に座る巨人において、藤田元司氏、堀内恒夫氏、桑田真澄氏という好投手が18番をつけていたことから、徐々に「18番=エース」となっていったという見方もある。
桑田に憧れた投手も多く、松坂大輔が西武に入団するときも「18」をつけ、入団会見では桑田への憧れを口にしている。各球団でエース背番とされているもの(中日では「20」、横浜では「17」など)がありながら、彼らの輝かしい成績によって「18」は自然とエースナンバーとなっていった。
一方のアメリカでは野手がつける番号という認識が強く、あまり投手はつけていない。空き番となっているケースもある。ただ、今回、田中が入団するヤンキースでは黒田博樹がつけており、マー君は「特にこだわりはない」と19番を選択。黒田を差し置いてまでその番号をつけようとはしなかった。周囲が納得する投球をするのがエースであり、18番。田中は黒田が最もふさわしいと思ったに違いない。
だが、「18」をひとつのモチベーションとしているケースもある。例えば、巨人で2012年から同ナンバーを背負う杉内俊哉だ。ソフトバンクホークスからFA移籍する際の交渉の席で、球団代表から提示された。他にも空き番号があり、巨人の左のエースの代名詞でも「21」などもあった。そのような場面では、18番は偉大すぎて、他の番号を選んでもおかしくはないが、杉内はあえて自分へハードルを課した。
「背番号18が似合う投手になろう」と決めたのだという。巨人の歴史を考えた時、生え抜きでもない自分がつけてもいいものかという迷いもあった。しかし、杉内の中では「18を選ばなかったから、逃げていることになる」と、あえて重圧のある番号を背負い、いばらの道を突き進んでいくことを選択した。甘えをなくしたかったのだろう。その左腕は今年が正念場となりそうだ。
サッカー日本代表の本田圭佑がイタリア・セリエAの名門、ACミランの背番号10を自ら直訴して背負ったのと同じで、「エース番号」を自ら選ぶ者もいる。そして、輝かしいナンバーを汚したくはないという思いは、プレーにも表れるものだ。各球団のエースナンバーのプライドをかけた戦いに、今季も注目したい。

