【ラモス瑠偉が語る2013年の日本代表総括! 誰がMVPで誰が心配の種か?】

最後に調子を上げてくれたおかげで明るく振り返ることができるよ。成長の跡が見えたからね。ワールドカップ本大会出場を決めた後は波が大きくて、チームのピークを過ぎたんじゃないかと心配したけれど、オランダ戦とベルギー戦では目が覚めたようなプレーをしてくれた。

ただし、一つ大きな心配がある。ある選手のコンディションが整わないと、たちまちボールが滞ってしまう。ボールを奪うと必ず一度後ろに戻し、そこからゆっくり組み立てることになってしまうんだ。有効な縦パスを入れられずに攻撃がもたついてしまう。

オランダ戦とベルギー戦では途中で投入されたけれど、それも仕方がない。運動量が極端に減ってしまっているから。短いプレー時間の中でもリズムを変える能力は持っているから交代出場という使い方もあるのだろうけれど、本当はずっとピッチにいてくれたほうがいいのは間違いない。

その選手は遠藤保仁だ。僕は遠藤をとても高く評価しているけれど、もし今と同じくらいしか走れなかったら、僕が監督でも遠藤は途中投入でしか使えないだろう。遠藤の完全復活を願っているよ。

もし遠藤の調子が上がらなかったら――山口の起用というのもいい策だ。そしてザッケローニ監督には富澤清太郎もぜひテストしてほしいと思う。中盤で潰しにいけるし、そこからパスも出せる。横浜FMの躍進は富澤が陰で支えているからだ。

遠藤の調子が上がらないなんて想像したくないけどね。でも、もう代替案を考えなければならない時期だ。

じゃあ今年良かったのは――どうしても最後の2試合の印象が強くなってしまうけれど――本田圭佑。長友佑都も自信たっぷりにプレーしているけれど、本田のほうがさらに自信を持って臨んでいる。そして自分の経験をみんなに伝えようとしている姿を評価しておくよ。