『パシフィック・リム』 (c)2012 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.AND LEGENDARY PICTURES FUNDING,LCC
太平洋の深海から突如出現し、人類を絶滅の危機に陥れた未知の巨大生命体「KAIJU(怪獣)」と、人類の英知を結集した人型巨大兵器「イェーガー」の戦いを、最先端のVFXを駆使して描く『パシフィック・リム』が現在公開中。『パンズ・ラビリンス』や『ヘル・ボーイ』シリーズで世界中から熱狂的な支持を集めたギレルモ・デル・トロ監督が、2億ドルを超える巨額の製作費をかけ、全身全霊で挑んだSFスペクタクル超大作だ。

これまで、作品の特徴として「イェーガー」や「KAIJYU(怪獣)」が、日本のロボットアニメや特撮映画から大きな影響を受けたものであることが喧伝されており、大の「日本オタク」であるギレルモ監督もその事実を認めている。しかし、livedoor映画で独占公開となった今回の特別映像では、ギレルモ監督が「イェーガー」で描いたものが、単なる日本文化への賞賛のみではなかったことが明らかになっている。


・動画再生URL:http://youtu.be/X4nDwcmCqGA

公開された映像で、ギレルモ監督は「子どものころに夢中になっていったのに忘れていたジャンル。宇宙飛行士やカウボーイがスクリーンの中で戦う姿に憧れた、アドベンチャーだ」「戦争映画ではなく、冒険映画を作ろうと思った」と語っている。つまり、本作品の製作は、日本の作品のみならず、ギレルモ監督の純粋な子どものころの体験に基づいているのである。

プロダクションノートでギレルモ監督は、米国代表のイェーガー「ジプシー・デンジャー」のイメージを「古典的なガンマンが戦いに向かう感じ。装飾された摩天楼とジョン・ウェインの組み合わせ」などと述べている。具体的な作品名は明かされていないものの、西部劇のカウボーイのようなヒーローをイメージしたことがわかる発言である。こういった設定は、ロシア代表の「チェルノ・アルファ」、中国代表の「クリムゾン・タイフーン」、オーストラリア代表の「ストライカー・エウレカ」など、各イェーガーの個性にも見て取ることができるので、ぜひチェックして欲しい。

さらに、映像ではギレルモ監督が過去作の焼き直しではない、一線を画したロボット像を描きたかったことがわかる。監督はイェーガーについて「描きたかったのは、ロボットからの視点だ」「25階建てのビル相当の巨体になる気分」などと説明、人間が乗り込むロボットの臨場感を追及したことを明かしているのだ。これは、『トランスフォーマー』のような、意思を持ったロボットが登場する作品とはまったく違う視点である。
この考え方は、劇中のイェーガーの動きに特に現れている。全長80メートルにも及ぶ巨大なロボットは、滑らかで生物的な動きではなく、かといってASIMOのようなぎこちない機械的なものでもない、重量感のある適度なスピードを保っている。

これは、モーションキャプチャーで「人の動きをトレースしたもの」ではなく、『スター・ウォーズ』で名高いILMの視覚効果エキスパートたちによる、最新のコンピューター・アニメーション技術によるものである。ピストン、リレー、トルク、トランスミッション、エンジンといった部品単位で、細部に渡り計算された動きは、KAIJYUに比べてかなり遅く、重く見えるかもしれない。しかし、それゆえにパイロットの生命の危険を感じさせる、高度な臨場感を実現しているのである。

このこだわりは、イェーガーの頭部に設置された「ヘッドポッド」という操縦室でも表現されている。「ヘッドポッド」内の映像は実際に撮影されており、そのセットの重量は約20トン、高さは6メートルに及び、キャストは15キロもの重さのスーツを身に着け、台座に固定されたという。油圧式ジンバルの上に作られた「ヘッドポッド」には劇中のイェーガーの動きにあわせ、落下や揺れなどの動きが加えれられ、実際の戦闘による衝撃を再現したのである。モーションキャプチャーであればまだしも、この環境ですばやく動けといわれても無理というものだ。

こういった舞台裏を知れば、2億ドルを超える製作費も伊達ではないことがわかるだろう。さらに、細部に至るギレルモ監督のこだわりは、イェーガーだけではなく、パイロットや相対するKAIJYU、そして近未来の世界観や音楽にさえ反映されている。映像で、ギレルモ監督は最後に「これまでにない映画だ」と自信満々に語っている。日本作品からの影響だけではない、オリジナルな部分に注目して観てみるのもいいかもしれない。

『パシフィック・リム』は新宿ピカデリー 丸の内ピカデリー他 3D/2D 字幕/吹替全国公開中

『パシフィック・リム』 - 公式サイト

【関連記事】
KAIJU(怪獣)を打ち破るために、心の闇を共有せよ!巨大ロボット操縦法を解説する『パシフィック・リム』特別映像
15kgのパイロットスーツを着て1日16時間動き回ったと「パシフィック・リム」イェーガーのパイロット2名が語る
KAIJYU(怪獣)軍団をこぶしで迎え撃つ、人型巨大兵器「イェーガー」の活躍を見よ 『パシフィック・リム』本予告が解禁
天才子役・芦田愛菜、ハリウッド・デビュー!SF超大作『パシフィック・リム』に電撃参戦