中国共産党中央組織部の李源潮部長は15日、重慶市内で開催された指導者・幹部大会で、同市トップだった中国共産党重慶市委員会の薄熙来書記の更迭は、2月6日に起こった副市長の「米国大使館への駆け込み事件」に対応するための人事と述べた。中国新聞社が報じた。

 重慶市の王立軍副市長(当時)が2月6日、四川省成都市にある米国総領事館に入り、約10時間後に同館を退去した。保護と亡命を求めたが拒絶されたと見られている。その後、王副市長の行方は分からなくなった。当局は8日になり過労と精神的な緊張のため健康を害した。休養して治療中」と発表した。王副市長は汚職などに絡んでおり、北京で取り調べを受けているとの見方がある。

 李部長は同事件を「重大で極めて悪い影響をもたらした」、「共産党中央は事件を重視し調査を進めている」と説明。重慶市トップの人事の調整は「事件が政治に深刻な影響をもたらしたことを考慮し、現状と大局を判断して、慎重に検討した上で決定した」と、「駆け込み事件」と直接関係した人事であることを認めた。

 薄書記はこれまで、腐敗撲滅運動などを進めてきた。李部長は「共産党中央は重慶市が行ってきた仕事を是認する。重慶市の発展と変化を是認する」、「重慶市の多くの幹部と群集がなした貢献は、『王立軍事件』と分けて考える」と表明した。

 李部長は薄前書記を「薄熙来同志」と表現。一方で、王立軍副市長については「王立軍を重慶市副市長の職務から解任した」と「同志」をつけなかった。

 薄熙来前書記の後任は張徳江副首相が務める。副首相職との兼任だ。

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◆解説◆ 薄熙来氏は2012年秋に開催される中国共産党の中央委員会全体会議で、第18期中央政治局常務委員に選出される可能性があるとされていた。中央政治局常務委員は中国共産党の最高指導部で現在は胡錦濤総書記をトップとする9人だ。

 今回の事態で、薄熙来氏の中央政治局常務委員就任は、かなり難しくなったと考えてよい。(編集担当:如月隼人)