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台風直撃、そして24時間という特殊な戦い

みなさん、こんにちは。レーシングドライバーの塚本ナナミです。

【画像】レーシングドライバー塚本ナナミのスーパー耐久参戦記 富士スピードウェイ24時間レース 全2枚

私にとって今年で3度目となるスーパー耐久24時間レース(日本で唯一、24時間ノンストップで走り続ける耐久レース)に、AndLegal Racing 822号車(ホンダ・フィットRS/ST-5Fクラス)で挑みました。


ナイス判断で、台風欠航の前に飛行機で集合!    佐々木純也

過去2回はどちらも天候が荒れ、長い赤旗中断(事故などでレースを一時止めること)を経験してきましたが、今年は直前に台風が直撃。サーキットが急きょ臨時休業になるほどで、レース前から張り詰めた空気でした。

私たちのチームはメンバーの多くが北海道から富士スピードウェイへ移動するため、『飛行機が飛ばなければ間に合わない』という状況。そこでメンバーが素早く、そして的確な判断でチケットを前倒しに変更し、早めのサーキット入りを決めてくれました。なんとその直後に欠航が出たので、この良い判断には本当に助けられました。

24時間レースは、エンジンやミッション、足回りといった特に消耗するパーツを、24時間壊さずに持たせなければなりません。

だから攻めるだけでなく、パーツをいたわる運転が求められ、さらに燃費をおさえながら速く走るという、普段とは少し違った走らせ方が必要になるのです。

トップ争いから、夜のクラッシュへ

幸いレースウィークは晴天に恵まれ、たくさんのファンがピットウォークやスタートグリッドに遊びに来てくれました。私たちは訪れてくれる皆さんのためにオリジナルグッズも用意していたので、その喜ぶ笑顔を間近で見られたのは何より嬉しい時間でした。

今回は私がプロデュースするレースアンバサダー『TONEエンジェルス』のデビュー舞台でもあり、良いお天気の中で彼女たちをお披露目でき、プロデューサーとしても胸がいっぱいになりました。


私がプロデュースするレースアンバサダー『TONEエンジェルス』。応援してくださいね。    Mario

公式練習では、燃費を稼げる場所をさがしながらタイムを落とさず、これまでにない技術が求められました。チーム内で工夫を共有し、全ドライバーのタイムと燃費を揃えることに成功。

一方、予選は燃費を気にしない一発勝負です。それまで燃費走行ばかり試してきた私は、本番で一気に攻めの走りへ切り替えるというAドライバーならではの難しさに直面しましたが、仲間の助言に支えられ、自己ベストでクラス3番手を獲得しました。

決勝はスタートドライバーが好ペースでトップへ。順調にバトンをつなぎ、トップ争いのまま夜間走行へ入ります。

私の担当は夜のスティント(自分の走行担当区間)。夜間は視界が限られて難易度が一気に上がり、事前トレーニングなしでは走れないルールがあるほど特殊です。

トップを走るマシンを託された高揚と緊張は、今でも忘れられません。私がバトンを受けた時、822号車はトップを走っていました。

死角を忘れないで――苦い経験を皆さんへ

ところが、最悪の事態が起きました。

5速全開の300Rから下りのダンロップコーナーへ向かう区間で、上位クラスのマシンと接触したのです。


レーシングアクシデントで先方にペナルティが課せられたとはいえ、ハンドルを握っていた私の責任は重く、とても反省の残る一戦でした。    佐々木純也

いろいろなクラスのクルマが一度にコーナーへ入る混雑したタイミングで、ちょうど死角に入っていた上位クラスの姿を捉えきれず、アウト側から来た後続車と接触してしまいました。

マシンは大きく飛ばされ、深刻な破損に。メカニックたちが懸命に修復を試みてくれましたが、安全を確保できず822号車はリタイア。15年以上のドライバー人生で、一番苦いクラッシュでした。私がステアリングを握る中で起きたことに、強い責任を感じています。

それでも救いがありました。2台体制のもう1台、821号車が悪い空気を引きずらず追い上げ、なんとクラス準優勝。チームに心から感謝しています。

実はこの接触、皆さんの日常にも起こり得ます。高速道路の車線変更同士の事故も、死角とタイミングが重なって起きるもの。「ミラーに映らなくても、死角に車がいるかもしれない」――そんな気持ちで、一般道もサーキットも走らなければいけないと改めて思いました。私の苦い経験が、皆さんの安全運転のお手本になりますように正直に書きました。

気持ちを切り替えて、第3戦を頑張ります。次は7月4日、スポーツランドSUGO。お近くの方は、ぜひサーキットへ遊びに来てください。

第3戦 富士24時間スーパー耐久 AndLegal Racing 822号車リザルト

順位:リタイア/タイム:7:39’47.953/ラップ:204
クラス:ST-5F/カーナンバー:822/チーム:AndLegal Racing/マシン:アンドリーガル ドリフトスピリッツ Moty’s FIT/ドライバー:塚本ナナミ、川福健太、惠木勇哉、奈良敬志、前田貴行、巳ノ瀬健太


身体はその後も痛みはなく、診察でも問題ありませんでしたので、ご安心ください。    佐々木純也