日本の航空会社に影響も? 中国の「改正 民用航空法」によるバタフライ効果―台湾空軍元副司令
台湾メディアの中時新聞網は9日、「中国による日本向け航空路線の運航権制限がもたらすバタフライ効果(エフェクト)」と題する論評記事を掲載した。著者は元台湾空軍中将・副司令の張延廷氏。
張氏は、中国で今年7月1日から「改正 民用航空法」が施行され、これによりすべての外国籍の航空機に対して一律に、飛行申請、審査、航空路の調整などの管理措置が適用されることになると説明。「こうした措置は米国やロシアではすでに長年実施されてきたが、今回、中国も同様の措置を導入することで、国際的な影響力の向上を示すとともに、世界の政治構造の変化を映し出す縮図ともなっている」と論じた。
そして、「4年前、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった後、当時の日本の岸田文雄首相は直ちに西側諸国の対ロシア制裁に追随した。その結果、ロシアは日本の航空会社による自国領空の通過を認めなくなった。これにより、日本の航空便は全面的に西回りへと変更され、中国の領空を経由して欧州へ向かうことで、ようやく問題を緩和してきた」と説明した。
一方、今回の「改正 民用航空法」が施行されると、中国側による飛行制限や航路変更などによって「日本の航空会社の運航コストが指数関数的に増加する可能性がある」と言及。「こうした措置は一見、国際法の枠組みに沿ったものであるように見える一方で、中国政府が近隣諸国の敵対勢力に対する新たな形の対抗措置を開始していることを示唆している」と主張した。
張氏は、シンガポールの例を挙げ、「チャンギ国際空港では航空機の発着が極めて頻繁に行われているが、その背景には、同国周辺で綿密に策定された航空路や厳格な空域配分がある。現在の航空資源の利用区分は、隣国マレーシアの了承があって初めて実現している。定められた航空路からわずかでも逸脱すれば、マレーシア空軍の警戒を招くことになる。これは『空域管理』が『戦略的資源』へと転化した典型例だ」と指摘した。
そして、「利用可能な空域が限られているシンガポールは、こうした前提のもと、自国上空を高度別に複数の空域へ区分して用途別に割り当てている」とし、「中国による領空管理の強化がもたらす影響は、場合によっては他国の民間航空産業の盛衰にまで及ぶ可能性がある。このような『バタフライエフェクト』がどこまで広がるのか、その影響は計り知れない」と述べた。
その上で、「レアアース輸出、半導体規制、海洋法執行、さらには領空管理に至るまで、中国は国際問題において強硬なルールを段階的に打ち出している。従来と異なるのは、『戦略的資源』を段階的に『戦略的手段』へと転換している点であり、その手法は国際的に通用する制度や法律、ルールの枠組みに沿った形で進められている」と指摘。「今後、中国が主張する『主権』の及ぶ範囲内では、さまざまな分野でより詳細なルールづくりが進められることが予想される」とし、今後の影響について早期にシミュレーションを行い、対応していく必要性を説いた。(翻訳・編集/北田)
