水沢うどん街

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群馬シリーズも最終回。前2回は「ゴローさんに愛された群馬県」をテーマに、あの人気グルメドラマに登場した店をご紹介しました。今回は「群馬県民に愛されるローカルチェーン店」と題し、地元の人なら誰でも知っている、うどん、パスタ、鳥めしの名店をご紹介します。筆者も初めての訪問でドキドキしましたが、どの企業もサービス、食事、雰囲気、すべてに感動する店ばかり。群馬を訪れる方は、ぜひお立ち寄りください。

岡本太郎も愛した伊香保の名店、水沢うどん「大澤屋」

最初にご紹介するのは、『大澤屋(渋川市伊香保町)』です。昭和45年に創業。稲庭うどん(秋田県)、讃岐うどん(香川県)と並び、日本三大うどんの一つと言われる「水沢うどん」を代表する店です。現在は6店舗を運営(うどん店以外も含む)しており、すべてが伊香保界隈という超ドミナント(特定の地域に絞って集中的に出店)企業です。せっかくなので、本店ともいえる『大澤屋 第一店舗』に、先般訪問しました。高崎市から21キロ。少し坂道はありそうですが、自転車で楽勝だろうと思い、サイクリングと相成りました。

ところがどっこい、坂道の斜度がなかなかすごい。かつては富士山吉田ルートの五合目(2305メートル)まで自転車で登ったこともある、自称「坂バカ」ではありますが、さすがにこの斜度には閉口しました。辛かった坂道を忘れないよう、「ようこそ水沢うどん街」の前でマイチャリをパチリ。実際、この界隈はうどん屋さんだらけで、なかなか珍しい光景が広がっています。

水沢うどん街

そして、やっとたどり着いた『大澤屋』。もの凄い壮大な建物で、まるでお城のようです。

大澤屋

外観が立派なら、中もまた立派。大部屋には10人ほど座れるテーブルが20卓近く並び、家族連れがワイワイうどんを食べています。いやー、あまり見たことのない圧巻の景色です。同店を愛した岡本太郎氏(芸術家、1911年〜1996年)もビックリしたのではないでしょうか。

今日は自転車なので、まずはノンアルビールをごくり。激坂を登った後のシュワシュワは、やはり格別ですね。

大澤屋(舞茸の煮付け)

合わせたのは「舞茸の煮付け」です。同店の名物は「舞茸の天ぷら」ですが、群馬ツアーでは食べ過ぎることが多かったので、油物は自重しました。水沢うどんが到着しました。麺の太さは、稲庭うどんと讃岐うどんのちょうど中間くらい。よく考えられた三大うどんです(笑)。初めて食べる水沢うどん。もちっとしてつるっとした食感でめちゃくちゃおいしい。

大澤屋(水沢うどん)

店内には岡本氏の作品も展示されています。巨匠の作品に囲まれながら食べる水沢うどん、ぜひ皆さまも体験してみてください。

粉もの文化が生んだ高崎パスタ、「シャンゴ」のクミン豚ロースが旨い

続いてご紹介するのは、群馬県高崎市に本社を置く『シャンゴ』です。現在、群馬県内に7店舗を展開しています。高崎市は「パスタの街」とも言われているようです。というのも、群馬県では稲作の二毛作・裏作として古くから小麦が栽培され、粉もの文化が栄えた土地だそうな。戦後には、高崎市周辺で小麦を使った「高崎パスタ」が登場し、全国的にも有名になったとか。その発祥とも言われるのが『シャンゴ』です。早速『問屋町本店』を訪問してみました。『大澤屋』同様、こちらも立派な外観です。入り口は、いわゆるシンメトリーな装いで、写真フェチとしては思わずうっとりします。

シャンゴ

訪問当時、物産展を舞台にしたテレビドラマに同店が登場していたようで、そこで紹介されていた「クミン香る豚ロースのスパゲッティ」をオーダーしました。同店の看板メニューはトンカツが乗った「シャンゴ風」のようですが、まぁせっかくですし、こちらのほうがカロリーも少なそうなので渡りに船です。それにしても、群馬県の名店はテレビドラマによく登場するようで(笑)。

シャンゴ(クミン香る豚ロースのスパゲッティ)

早速パスタが到着しました。スパゲティの上にトマト風味の豚ロースが乗り、クミンが彩りを添えています。肉厚な豚肉に、クミンのほのかな香りが重なり、実においしい。これで1300円はお得かもしれません。パスタは麺少なめでお願いしたのですが、それでも量は多め。「高崎パスタ」はデカ盛りが特徴とは聞いていましたが、なかなかのカロリーを摂取することになりました(笑)。

発表会も会議も「登利平」、群馬県民に愛され続ける鳥めしの秘密

最後にご紹介するのは、これまた群馬県民なら誰でも知っている『登利平(とりへい、群馬県前橋市)』です。訪問した日は一日中自転車をこいでいたしんどい日だったので、まずはお風呂に入ることにしました。検索してみると、なんと前橋駅からすぐの場所に「まえばし駅前天然温泉ゆ〜ゆ」があるではありませんか。全国の県庁所在地の中でも、駅から一番近い天然温泉かもしれません(笑)。

ゆ〜ゆ

ゆ〜ゆ

いやー、いい湯でした。サウナもとても広く、休憩所からは星空が見えます。整わないわけがありません。そして、食堂がまたすごい。このあと『登利平』に行くので、軽く「湯上がりセット」を注文しました。生ビールとウインナーとサラダと冷奴。完璧なセットです(笑)。

ゆ〜ゆ(湯上がりセット)

「ゆ〜ゆ」はある雑誌で、「立ち寄り温泉第一位」にも選ばれたとか。それも納得できる名湯でした。

では、『登利平』の紹介に戻りましょう。同社は群馬県を中心に30店舗ほどのお店を構えており、その多くが「お持ち帰り処」です。そう、弁当がとても有名な企業なのです。前橋出身の知人によれば、「小さいころ、ピアノの発表会の時に参加者への弁当として配られ、その場でみんなで食べるのがすっごい楽しみだった」「会社の行事や会議など、弁当が配れる場面では、決まって『登利平』だった。」など、複数の証言が得られており(笑)、皆さん絶賛の嵐でした。味の評価も異口同音で、「薄い鶏むね肉がご飯に乗っていて、パサパサしていそうなのに、やわらかくておいしい」とのこと。これは楽しみです。

登利平

では、噂の「上州御用鳥めし竹重」の実食です。たしかに鶏肉はとても薄いですが、秘伝のタレがそれを引き立て、絶妙の味わいと食感を生み出しています。

登利平(上州御用鳥めし竹重)

日頃の昼食は弁当派の筆者(余り物を弁当箱に詰めるだけですが、、、)は、冷えてもおいしい料理には目がありません。そこで、知人が絶賛していた持ち帰り弁当も購入し、翌朝食べてみました。

登利平(弁当)

うーん、作りたての鳥めしよりおいしいかも。。いやー、さすが地元に愛されるだけのことはあります。『登利平』、おそるべしです。

今回は、地元の人々に愛されるローカルチェーン店をご紹介しました。群馬に限らず、地元ならではのチェーン飲食店って各地にあります。函館の『ラッキーピエロ』や福井の『ヨーロッパ軒』、岐阜の『岐阜タンメン』など、挙げればきりがありません。改めて取り上げたいと思いますので、ぜひご期待ください。

文・写真/十朱伸吾

おとなの週末Web専属ライター。全国のご当地グルメを求めて40年余。2013年には、“47都道府県食べ歩き”を達成した。訪れた飲食店は1万軒をゆうに超える。旅と食とお酒をこよなく愛するオプチミスト。特にビールには一家言あり。競馬と写真とゴルフも趣味。週1の自転車ツーリングとサウナでダイエットにも成功した。好きな言葉は「発想力は移動時間に比例する」。

【画像】水沢うどん、高崎パスタ、鳥めし。群馬県民に愛されるローカルチェーングルメ(11枚)