中畑清氏 DH制導入では埋まらないセ・パのパワー格差 真剣に考えるべき
【キヨシスタイル!】今年もパ・リーグが強い。交流戦は3分の1を終え、パの21勝14敗1分け。63勝43敗2分けと大きく勝ち越した去年とほぼ同じペースで来ている。
見ていて何を一番感じるかと言えば、スイング。同じ凡退でも、当たれば全部スタンドインするんじゃないかと思わせるのがパの打者なんだよね。
5月28日の東京ドーム。ソフトバンクの4番、栗原が2回に逆方向の左翼席へ放り込み、7回にはバックスクリーンへ。体は1メートル78とそんなに大きい方じゃないのに、スイングが強い。
今の時代、動くボールが多いだけに、芯に当てる技術は凄く高いレベルが必要。それにパワーを兼ね備えてなきゃいけない。練習の仕方、体のつくり方がずいぶん変わってきたような気がする。
我々の時代は重いバットを振って筋力アップって言ってたけど、バランス良く体全体の筋力を上げないと、ヘッドスピードの速い、強いスイングは生まれない。
ソフトバンク球団会長の王貞治さんが前身のダイエーの監督になられた時、パワーヒッターの必要性を痛感。小久保(現監督)や井口、城島、柳田らを育てられてきた。
ホームランテラスがなかった時代の福岡ドーム(現みずほペイペイドーム)は広かったからね。その本拠地で本塁打を打てる打者の育成。いち早くその環境づくりをしてきたのがホークスであり、パ・リーグなんだよね。
今更だけど、毎年こんな結果を見せられたら、セ・リーグも真剣に考えるべき。来年DH制が導入されても、選手の質が同じなら、セ・パの格差は埋まらないよ。
現役時代、ウエートトレーニングは好きじゃなかったけど、今こそ筋力アップの必要性を痛感する。大谷翔平(ドジャース)があれだけ体をつくり上げてホームランバッターに成長していく過程を見てきてさ。交流戦でパワーアップは絶対的に必要なんだって思い知らされている。
ケガしたけど村上宗隆(ホワイトソックス)や岡本和真(ブルージェイズ)がメジャー1年目から活躍しているのも、日本でしっかり下地をつくっていたんだなと思う。
私も今はジム通い。72歳。アンチエイジングのトレーニングに励んでいる。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)
