東京都庁でハーフパンツ勤務が可能になったことで話題となっている「おじさんのハーフパンツ問題」。女性は露出してよくて男性はダメなのは理屈に合わないと分かってはいる。だが、本能的に「不快」と感じる女性たちが多いのも事実のようだ。※画像:PIXTA

写真拡大

理屈では理解していても、本能的な感覚が「不快」だと注意信号を点滅させることがある。「おじさんのハーフパンツ問題」は、まさにそうなのだろう。東京都が新たなクールビズを発表、ハーフパンツでの勤務も可能となり、話題を呼んでいる。

【マンガ】“子ども部屋おじさん”の終わりは唐突に。40歳過ぎの「こどおじ」から憑き物が落ちた出来事

クールビズには賛成だが……

「うーん、例えば住民サービスを受けにいった役所で、ハーフパンツにすね毛もじゃもじゃの男性が出てきたら……。あるいは仕事先で商談に行った男性がハーフパンツだったら……。そう考えると、あまり気持ちのいいものではありませんね」

そう言って苦笑するのはマリナさん(33歳)だ。夏の気温上昇が懸念される中、クールビズや服装のカジュアル化には大賛成だと彼女は言う。

「例えばクロップドくらいの長さなら、あるいは薄手の少しワイドなパンツなら、あまり気にならないと思うんです。それなら風も通るでしょうし。でも男性が膝丈くらいのハーフパンツで出てきたら、やはり『ここは海の家か!』とツッコみたくなる。あまりにくつろいでいる感じがするのと、他人の肌の露出は見たくない。女性同士でもそう思うので、相手が男性ならよけいですね」

筋肉質のすねを見れば、本能として性的な感じが頭に浮かぶ。相手を性的対象として見ているわけではないのに、本能が動く。それもまた不快感を呼ぶ。自身の本能が勝手に動くのだから仕方がないのだが、本能が触発されること自体が自分自身で不愉快なのだ。

見たくないものは見たくない

「きれいな足であっても関係ない。人の肌の露出を見たくない。ただでさえ暑いのにうっとうしい。そう思いますね。嫌なものは嫌、見たくないものは見たくない」

だったら見なければいいだろうと言われても、相手が露出しているのだから目には入ってくる。足首上くらいまでは隠してほしいと願っているとマリナさんはつぶやく。

「半袖Tシャツに、長めだけど風の通りやすいパンツじゃダメなんですかねえ。相手がどう思うかを察するのもファッションを選ぶ際の基準だと思うんですが」

ハーフパンツばかりの男性が行き交う企業や役所を想像すると、女性たちが「うーん」と唸ってしまうのも分かるとうなずく人も多いかもしれない。

他人のことはどうでもいい

「そんなに目くじらを立てることですかね」

淡々とそう言うのはナナミさん(40歳)だ。他人がどんなかっこうをしていようが、きちんと仕事をしているなら何の問題もないと彼女は言い切る。

「暑いからハーフパンツをはきたい。その人がそう思うならはけばいいだけのこと。それによって仕事をさぼるようになるなら話は別だけど。そもそも女性たちだって、露出した服を着ていながら『性的な目で見るな』と言うでしょ。『あんたのために着てるわけじゃない』とかね。それと同じじゃないのかしら。女性は露出してよくて、男性はダメというのは理屈に合わないですよね」

道理としてはもっともなのだが、そこには男女での生理的な違いがありそうだ。

「女性の中にも、内心、男性のすねを見ながら性的な評価を下す人はいるかもしれない。言葉にして表現しなければ何を考えようがかまわないわけですからね。見るだけなら、その人が男性にセクハラしているわけではないし。男性もそうやって性的に見られる可能性があることを認知しておいた方がいいとは思います。そういう目線が逆にキモいと言われても、見てしまうものは仕方がない」

性的な目で見られる可能性は生じるが

快不快は個人差が大きいし、男性のすねを見たからといってすべての女性が性的対象と見るわけでもない。ただ、ナナミさんが言うように、露出したら性的な目で見られる可能性が生じる確率が高くなるのは確かだろう。それをよしとする人もいれば、女性から変な目で見られると不快に思う男性もいるはず。

「こういうのっていたちごっこで、深掘りしたら、きっと半袖さえ着られなくなる。どこか適当なところで線引きするとか自分で基準を作るとか、そうしていくしかないですよね」

他人にどう見られてもかまわないのか、他人の目を気にするのか。自身のそういう基準も明確にしておいた方がいい。

「男性に望むとしたら、清潔感かなあ。だからといってすね毛を全部剃ればいいというわけでもないですけどね。あまりに色が白い人だとハーフパンツは妙な感じになるけど、焼けばいいというものでもないし。難しいけど、だからこそ自信をもってはきこなすという気概が必要なのかも」

最後は精神論に落とし込むしかない話題なのかもしれない。
(文:亀山 早苗(フリーライター))