「鉄分」がほうれん草より多い”野菜”はご存じですか?効果も管理栄養士が解説!
鉄分は全身に酸素を運ぶ大切な役割を担っています。メディカルドック監修医が、1日の摂取目安や切干大根・小松菜など、ほうれん草以上に鉄分が豊富な野菜について詳しくお伝えします。
※この記事はメディカルドックにて『ほうれん草より「鉄分」が多い「野菜」とは?過剰摂取すると現れる症状も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修管理栄養士:
越川 愛子(管理栄養士)
保育園で食育や給食管理、栄養管理業務に従事しました。管理栄養士の資格取得後は、ドラッグストアを運営する会社でお客様への栄養相談や特定保健指導に携わりました。現在は保育園で子どもたちに食の楽しさや大切さを伝えられるよう、心を込めて給食づくりを行っています。
「鉄分」とは?

人体の構成に必須の微量ミネラルの一種で、ヘモグロビンや各種酵素を構成します。欠乏は貧血や運動機能、認知機能の低下を招きます。体内鉄の総量は成人で3~4gであり、その約70%は赤血球中のヘモグロビン鉄です。体内の鉄は、ヘモグロビンのように生理的な役割を持つ機能鉄と、鉄を貯蔵または運搬する役割を持つ貯蔵鉄に分類されます。代表的な貯蔵鉄であるフェリチンの血清中濃度は、鉄の栄養状態を反映する良い指標です。
鉄分の一日の摂取量

対象(18~64歳) 推奨量・付加量(1日あたり)
成人男性 7.0~7.5mg
成人女性(月経なし) 6.0mg
成人女性(月経あり) 10.0~10.5mg
妊婦(初期) +2.5mg(付加量)
妊婦(中期・後期) +8.5mg(付加量)
授乳婦 +2.0mg(付加量)
一日に必要な鉄分の摂取量は、年齢や性別によって異なります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、20代女性の平均摂取量は推奨量を大きく下回っているのが現状です。
鉄分の効果

酸素の運搬
鉄は赤血球中のヘモグロビンの材料となり、肺から取り込んだ酸素を全身に運ぶ重要な働きをしています。不足すると細胞への酸素供給量が減少し、エネルギー代謝が低下します。
免疫機能の維持
鉄は免疫細胞の活性化や増殖を促します。病原体と戦う能力を高めるために不可欠で、不足すると風邪などの感染症にかかりやすくなります。
脳機能のサポート
鉄は脳に酸素を運ぶほか、セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の合成に欠かせません。不足すると、記憶力や集中力の低下、気分の落ち込みなどにつながります。
鉄分が多い野菜

切干大根
乾燥させることで栄養素が凝縮されており、少量でも効率よく鉄分を補えるのが特徴です。だいこんの葉にも豊富に含まれているため、捨てずに活用するのがおすすめです。
小松菜
小松菜は生で100gあたり2.8mgの鉄分を含みます。ほうれん草よりも含有量が多く、さらにシュウ酸が少ないため鉄の吸収を妨げにくいメリットがあります。
えだまめ
えだまめも鉄分を多く含む優秀な食材です。冷凍品でも含有量に大きな変化はなく、日々の献立に手軽に取り入れることができます。
「鉄分が多い野菜」についてよくある質問
ここまで鉄分について紹介しました。ここでは「鉄分が多い野菜」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。
鉄分を効率よく摂取できる食材や野菜は何でしょうか?
越川 愛子
ヘム鉄(肉・魚)と非ヘム鉄(野菜・卵)をバランスよく摂ることが大切です。植物性の非ヘム鉄は、ビタミンCや動物性たんぱく質を同時に摂ることで吸収率が上がります。カフェインやタンニンは吸収を妨げるため、食事の前後1時間は空けるようにしましょう。
まとめ
鉄は体内で合成できないため、食物から意識的に摂取する必要があります。吸収率が低い栄養素ですが、組み合わせを工夫することで効率よく補うことが可能です。色々な食品を組み合わせて、バランスの良い食生活を心がけましょう。
「鉄分」と関連する病気
内科の病気
鉄欠乏性貧血ヘモクロマトーシス「鉄分」と関連する症状
関連する症状
疲れやすいだるい
動悸息切れ
爪が割れやすい
参考文献
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(厚生労働省)
食品成分データベース
