本木雅弘×菅田将暉、地下牢で火花 黒沢清監督「二人の演技合戦は見もの」 メイキング写真解禁
【画像】菅田将暉、宮舘涼太、オダギリジョーらそのほかのメイキング写真
原作は、第166回直木賞、第12回山田風太郎賞をはじめ、“史上初4大ミステリーランキング制覇”を果たした米澤穂信の傑作ミステリー『黒牢城』。
撮影は2025年10月にスタート。時代劇の本場・京都太秦の松竹京都撮影所をはじめ、世界遺産の姫路城ほか、明石城、篠山城、伊賀上野城、彦根城、さらに、東福寺、萬福寺など、国宝や重要文化財に指定される多くの歴史的建造物を巡る、大規模ロケが約1ヶ月半にわたり行われた。
クランクイン初日(10月1日)は、本木演じる村重と、妻・千代保(吉高由里子)が、有岡城の一室で語らうシーンからスタート。穏やかな会話劇も束の間、信長へと寝返った父を持つ少年・自念(槙木悠人)の乱入により、静寂が破られる。台本にして4ページに及ぶこの重要シーンでは、黒沢監督が本木と吉高に立ち位置や動線を細やかに指示。数回のリハーサルの後、2台のカメラを用いて長回しで撮影されると、現場の空気は一変。物語の幕開けを象徴する、息詰まるような緊張感が一気に作り上げられた。
原作のもつ普遍的なテーマや謎解きの面白さにひかれ、「近年読んだ小説の中で最も面白く、自分の手で映画化したいと思いました」と、満を持して初の時代劇作品に挑んだ黒沢監督。一方で、撮影初日は内心に不安も抱えていたそうで、「どの現場でも初日はいつもそうです。事前に考えた演出プランが本当に成立しているのか、俳優が生身の人間として心身ともに演じることが可能なのか、それはできないと言われたりしないか、自分は俳優ではないのでいつも不安」とも語っていた。
2日目以降、現場には村重を支える家臣たちが続々と集結。忠義を尽くす郡十右衛門役のオダギリジョー、乾助三郎役の宮舘涼太、荒木久左衛門役の青木崇高らが参加。城内で起こる連続怪事件の撮影が進められていった。
11月には菅田将暉が合流。松竹京都撮影所に建て込まれた巨大地下牢セットで、本木との対峙シーンが撮影された。黒沢監督がこだわり抜く、長回しによる撮影では、本音と建前が入り混じる膨大なせりふの応酬が展開。黒沢監督は「本木さんと菅田さんの丁々発止のやり取り、楽しかったです。物語上の村重と官兵衛の関係と同じように、どちらかが圧倒したり、反撃したり。お二人の演技合戦は見ものだと思います」と手応えを語っている。
クランクアップは11月半ば。撮影を終え、本木は「黒沢監督が思い描いているものに近づくために、スタッフの皆さんが思いを込めて、技術を尽くして、映像に焼き付けようとしている。ある種の緊張感と意義深さをずっと感じていました」と振り返り、「あの体験は奇跡だったんじゃないかと思うような、京都の地、そして黒沢さんの元でしか生まれ得ない貴重な時間を過ごさせていただきました」と感慨深げ。
菅田は「知と血と地にまみれ、脳みそフル稼働の撮影でした。対峙した時の荒木村重役の本木さんの瞳が忘れられません」と振り返りつつ、「ほとんど村重としか関わりがなかったので、僕が一番映画を楽しめると思います。完成を楽しみにしています」と笑顔を見せていた。
解禁されたメイキング写真では、集中して撮影に挑む本木と菅田の真剣な表情から、黒沢監督と熱心に段取りを確認するオダギリ、宮舘らの姿、本木と黒沢監督が合間に談笑する様子など、作品に注ぐ熱い思いと、黒沢組ならではの結束力の強さが垣間見える、貴重な一瞬の数々が収められている。
黒沢監督は、「初めてのことが多く、何が正しいのかを追求しながらの撮影は、日々大変でしたが新鮮でした。この年齢になりましたけれどもデビュー作のような緊張と興奮と目新しさがありました」と初時代劇への挑戦を総括。新境地となった本作は、来週フランスで開幕する「第79回カンヌ国際映画祭」カンヌ・プレミア部門への正式出品が決定している。