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 1961年に発生し、世界で最も有名なエイリアン・アブダクション(宇宙人拉致)事件のひとつとして知られる「ホワイト・マウンテンズUFO事件」に対し、新たな科学的仮説が提示された。超常現象の専門家であるシアラン・オキーフ博士は65年もの間、未解決であったこの謎の背景に、車内に積まれていた肥料による中毒症状があった可能性を指摘している。

【写真】UFO事件に新たな科学的仮説が提示された

 この説は、BBCの人気番組「Uncanny」の新シリーズ「Uncanny: Cold Cases」内で公表された。最新エピソードでは1961年9月19日にニューハンプシャー州を車で走行中、バーニー、ベティ・ヒル夫妻が未確認飛行物体(UFO)を目撃し、宇宙人に拉致されたと主張した事件を再検証している。同番組の常連懐疑論者であるオキーフ博士は当時の夫妻の車に積まれていた肥料袋に着目した。ベティ氏が車内に肥料という形で硝酸塩を積んでいた事実から、オキーフ博士は何らかの形の中毒が関係している可能性を主張する。

 硝酸塩中毒を引き起こす危険性は知られており、もし車内にピクニック用の食材や調理器具も同乗していた場合、交差汚染が発生した可能性も否定できない。オキーフ博士は長時間のドライブ中にこれらの要因が重なることで、それ自体が幻覚を引き起こす性質のものではなくとも、非常に強力な心理的要因になり得ると説明している。

 同番組の司会を務めたダニー・ロビンズは、バーニー氏が飛行物体の内部にいる人影の表情まで詳細に描写していた点を指摘したが、オキーフ博士はこれが宇宙人との実際の遭遇ではなく「共有された幻覚」である可能性が高いと断固として主張した。

 オキーフ博士は詳細な説明を伴う幻覚体験をした人々の事例は数多く存在することを強調した上で、記憶の変容についても言及している。記憶は年月を経て変化し、ゆがむことが多いため、事後的に詳細な情報が追加されることは珍しくない。報告された時点での詳細と事後に得られた膨大な情報は別物で、それについて考える時間があり、記憶が変化する時間があったからこそ詳細な目撃談が作り上げられたのだと、オキーフ博士は結論づけている。

 歴史的なUFO事件の裏側にあるのは宇宙人ではなく、化学物質といった現実的な環境要因が示唆されたかたちだ。オキーフ博士が提示した、この中毒説は未解決事件の新たな側面を照らし出すものとして注目されている。

(BANG Media International/よろず~ニュース)