マイナ保険証なら「医療費30万円」でも、窓口で払うのは“8万円”だけ!? 40代「年収400万円」ですが、今後“自己負担上限額が増える”って本当ですか? 制度の仕組みを解説

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高額な医療費がかかった際に心強い高額療養費制度ですが、マイナ保険証を利用することで手続きが不要になります。一方、高額療養費の自己負担限度額は引き上げが予定されており、患者の家計への影響が懸念されています。本記事では高額療養費制度におけるマイナ保険証の活用方法や、具体的な限度額について解説します。

病院窓口では「マイナ保険証」で高額療養費制度を利用可能

医療機関にマイナ保険証を提出することで、自動的に窓口での支払いに高額療養費制度の自己負担限度額が適用されます。
高額療養費制度とは、1ヶ月あたりの医療費が定められた上限額を上回った際に、超えた分の額を支給する制度です。
これにより、入院や手術などで高額な医療費がかかった場合でも、家計への負担を抑えられます。従来の制度では、窓口での支払いに上限額を適用するために、限度額適用認定証を事前に申請する必要があり、時間と手間を要しました。
しかし、マイナ保険証の利用により、オンライン資格確認を導入している医療機関であれば、限度額適用認定証が不要となります。急な入院や手術の際も、一時的な大きな出費を抑えることが可能です。

「40代・年収400万円」の場合の自己負担限度額はいくら?

高額療養費制度の自己負担限度額は、加入者の年齢や所得水準によって異なります。今回は掲題のように「40代・年収400万円・医療費30万円」の加入者をモデルケースとして、具体的な自己負担限度額を試算します。
上記の条件であれば、区分は「70歳未満・年収約370万~約770万円」に該当するため、1ヶ月あたりの上限額は以下の計算式で求められます。
上限額=8万100円+(医療費-26万7000円)×0.01=8万100円+(30万円-26万7000円)×0.01=8万430円
よって30万円以上の医療費がかかった場合、実際の自己負担額は8万円程度になる計算です。また、過去12ヶ月以内の自己負担限度額に達した回数が3回を超えている場合は、4回目以降に多数回該当が適用され、上限額が4万4400円に引き下げられます。
ただし、上限額が適用されるのは医療費のみであり、入院時の食事代や差額ベッド代は含まれない点に注意しましょう。

「高額療養費の引き上げ」を盛り込んだ令和8年度予算が4月の参院本会議で可決

高額療養費制度における自己負担限度額の引き上げや、年間上限の導入などが盛り込まれた令和8年度予算が、4月の参院本会議で可決、成立しました。
高齢化や医療の高度化が進む昨今において、医療費の増加が問題となっており、患者のセーフティーネットとして今後も制度を維持していくにあたり、制度の見直しが不可欠であるとされています。そのため、令和8年度予算では低所得層・現役世代の負担軽減や、長期療養者への現行水準維持に重きを置いています。
しかし、給付削減額に対して増額幅が見合っておらず、家計負担が増加するという抗議の声も一部では寄せられています。患者の負担が増えることによる一時的な受診控えも懸念されており、衆議院における審議でも今後の動きを注視していくべきであると追及されています。

まとめ

医療費が高額になる場合、マイナ保険証を利用することで、手続きなしで窓口負担に高額療養費制度の上限額が適用されます。上限額は年齢や年収、かかる医療費などによってそれぞれ異なるため注意が必要です。
また、令和8年度予算の成立に伴い、2026年8月から高額療養費制度の上限額引き上げが段階的に実施される見込みのため、今後の負担増にも注意が必要です。
 

出典

厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ
厚生労働省 高額療養費制度の見直しについて
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー