「行きたかった焼き肉屋!」ライブも外食も我慢してきた元教員の妻が「フリマ夫」の裏切りを知って決めたこと

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「浮気相手とのデート代を捻出するために、フリマアプリを活用している人は多いです。そこでのトラブルもあり、個人間のやり取りなので感情論になり、長時間、フリマアプリに張り付くことに。そこから浮気に気づかれることもあります」

こう語るのは、リッツ横浜探偵社の山村佳子さん。フリマアプリは、ゴミを削減したり、本当に欲しい人が欲しいものを手に入れたりできる便利なものだが、それを悪用する人もいる。先日も8万円ほどのジーンズを買ったつもりが、購入後にグミが届いたというXの投稿が大きな問題となった。そんなフリマアプリから浮気もバレることがあるというのだ。

山村さんに依頼がくる相談の多くは「時代」を反映している。山村さん連載「探偵が見た家族の肖像」「探偵はカウンセラー」には、多くの人が抱える悩みを解決するヒントが含まれている。これまでの連載よりGWスペシャルとしてテーマに合わせてお届けする第3回は「フリマとお金」。

今回相談に来たのは医療法人の経営企画室に勤務する40歳の麗美さん(仮名)。同じ歳の夫は小学校教師で、ふたりはもと同僚教師だった。結婚10年、不妊治療の果てに授かった娘は4歳になる。

モンスターペアレンツなどで疲れ果てたことで教職をやめた麗美さんは教師の仕事を理解しており、仕事の相談もして仲の良かった夫婦だった。それが、「フリマアプリにハマったこと」がきっかけで大きく変化があったのだという。ある日、夫のスマホが光り、ハートマーク付きのLINEが来たのを見てしまう。サレ妻から離婚した友人に相談すると、「証拠をとっておいた方がいい」と言われ、調査を依頼したのだ。しかし麗美さんは離婚をしたいわけではない。辛かった時期も支えてくれた夫にも感謝をしているからこそ、現実を知りたいのだ。

仲良し夫婦だったのに…

麗美さんと夫はもともと仲良し夫婦でした。麗美さんが28歳の時に勤務校の小学校で2人は出会い、夫からプロポーズ。二人は都内に実家があり、私大の教育学部を卒業していてバックグラウンドが似ています。

しかし、29歳の時に麗美さんが異動した小学校で、職場のセクハラ、モンスターペアレンツからの罵声などに苦しみ、うつになり休職しました。起き上がれないほど悩んでいた時に、夫は「仕事を辞めな。僕が養うから」と言ってくれ、麗美さんはそのことに恩義を感じています。半年の休養後、今の勤務先に転職するも、家事を一手に引き受けて、夫が仕事をしやすいように尽くしていました。不妊治療の果てに娘を授かってからは、幸せそのものだと感じていたのです。

しかし、1ヵ月前から夫はフリマアプリにハマり、帰宅しても家に引きこもるように。それまで休みの日には午後家族で出かけるなどしていたのに、麗美さんが寝ている間に出ていき、娘と外出している昼間に帰ってくるようなすれ違いとなっていました。

麗美さんは娘が生まれてから4年間、好きなアーティストのライブも飲み会もガマンして、仕事と家事、育児に集中する生活をしていました。セックスレスであっても、忙しい夫に負担をかけまいと、耐えていたのです。

生活費の多くを負担し、将来のために貯金をする夫を信頼している。離婚することはないと思いながらも、「念のため」と調べたいという言葉を受け、祈るような思いで調査を始めました。

ずっとスマホを見ている

麗美さんは同職だったこともあり、夫の行動パターンに詳しく、平日は朝7時に出ていき、夜は21時に帰宅すると言います。自宅から夫の勤務校までは電車で45分程度。

朝から張り込みをして、夫が出てくるのを待ちました。夫はスラッと背が高く、知的な雰囲気をまとっています。いわゆる「学校の先生」というと、ポロシャツにジャージというイメージがありましたが、全く違いました。ミリタリーふうのジャケットにチノパンを合わせており、有名なブランドのリュックを背負っていました。麗美さんも夫はファッションが好きで目利きだと言っていましたが、ファッショナブルだなと感じさせられます。

颯爽と駅まで歩き、コンビニへ。リュックから小さな封筒を3つ出していました。フリマアプリで売れたものを発送しているようです。

ターミナル駅に向かう電車に乗っている間、険しい表情を浮かべながら、ずっとスマホを見ていました。都心に向かう電車に乗り、勤務先である小学校に入っていきます。

19時に退勤し、自宅に向かうと思っていたら、途中下車。ブランド服のリサイクルショップに立ち寄り、1時間くらいかけて物色しています。フリマアプリで販売するものの仕入れなのでしょうか。

何も買わずに出て、近くのファミリーレストランのカウンターの目立たない席に座り、ずっとスマホをいじっています。麗美さんは、「教材研究も児童への指導も熱心だった」と話していましたが、そんな感じでは全くありません。

20時に店を出て、そのまま帰宅しました。

日曜日フリマで買い物をして…

そこで日曜日に調査をすると、朝8時に家を出て、自家用車で都内のフリーマーケットに行き、本や服を購入。この間、夫は変装のつもりなのかずっと帽子をかぶっていました。

そして、帽子を脱ぎ、紙袋1つ分の荷物を持ち、勤務校に立ち寄り、30分後に手ぶらで出てきていました。

そこから20分ほど車を走らせ、住宅街にある公園近くで停車。すると、30代前半と思しき小柄な女性が待っており、2人とも帽子をかぶったまま、高級焼き肉店に入ってランチ。女性は以前の同僚のようで、仕事の話をしており、会話は親しい友人そのものでした。

40分程度のランチが終わると、5000円程度の支払いは夫が行い、車は辺鄙な場所にあるラブホテルに入っていきます。それまで甘い雰囲気など全くなかったのに、私たちも意外でした。

ホテルに入ってからは、夫は女性の尻を触ったり、体を触ったりしています。女性が下から2番目の値段の部屋をさっさと選び、部屋に入っていきます。

2時間後に出てきた2人は、車の中で濃厚なキスをして、名残惜しそうにしています。そして、夫は女性を最寄り駅まで送り、自分は14時ごろに帰宅。ガレージの中に、麗美さんのママチャリがないことにホッとしているのでしょうか。

「私が行きたいと言っていた焼き肉屋さんです」

以上を報告すると、麗美さんは「本当に許せない。離婚してやる!」と激しい怒りと困惑に震えていました。依頼の時は、「夫を愛しているので離婚はしない」と明言していましたが、生々しい証拠写真を見ると、そんな気持ちも吹っ飛ぶようです。

「家族で外食をするときは、私が外食代を負担するルールが暗黙のうちにできていました。ここ、私が行きたいと言っていた焼き肉屋さんです。そういうところも許せない」

夫と話し合いをしたところ、女性は以前の勤務先の同僚で、大学の後輩だそうで、相談に乗っているうちに男女の仲になったと白状します。そして予想どおり、フリマアプリへの出品は女性とのデート費用を捻出するために始めていたそうです。

「実はフリマを半年前から初めており、これまでの収益を聞くと、ちょっと得意そうに50万円だというんです。当然、トラブルも抱えており、言葉が強くクレームをつけてくる購入者とのやりとりもあったみたいです」

個人間の売買にトラブルが多いのは、最近のニュースでもよくわかります。受け取りにならないまま、商品をネコババされたこともあったとか。購入者への対応をしているから、部屋に引きこもっていたのでしょう。

「とはいえ、いろいろ許せないことばかりです。フリマアプリには、そこに私がいつか使おうと保管していた私の服やバッグも勝手に出していました。“時代遅れのデザインだからいらないと思った”って言う。レスもそうですし、私のことを軽く見すぎている。本当に信じられない」

失った信頼を取り戻すことはできるのか

すぐに麗美さんは娘を連れて、実家に戻ります。それは、浮気の証拠を見て、時間が経つにつれて許せなくなったから。麗美さんは夫への信頼、そして愛情が深かった。だからこそ、仕事に集中できるように献身をしていました。信頼の度合いが強いからこそ、浮気の裏切りに対し、怒りや悲しみが増大しているのでしょう。

結局、麗美さんは別居後、離婚するつもりだと言っていました。夫は激しく後悔し「家に戻ってきてほしい」と言っているようですが、一度壊れた関係を戻すのは困難です。このままでは、夫と女性からの慰謝料を得て月の養育費を決め、離婚をする可能性が高いでしょう。

麗美さんは「これまでの恩と、武士の情けで、娘には夫の浮気のことは黙っていようと思います」と言っていました。夫は浮気により、聡明で愛情深い妻・麗美さんの信頼を失いました。かわいい娘の成長を近くで見ることができなくなってしまうのでしょうか。

信頼を積み重ねるには時間がかかりますが、失うのは一瞬です。たとえばフリマでどんなに評価の高い出品者でも、一度詐欺をしたことがバレたらその出品者から購入しようとする人はいなくなるでしょう(詐欺をした出品者と返品や返金がされると評価できないという問題もあるようですが)。

フリマをしているのであれば、夫はそのことも痛感していたはず。大切なものを失って自分がしてしまったことを振り返り、今後どのように生きていくのかで、本当に離婚するのか、信頼をまた積み重ねることができて関係を再構築できるかに影響することでしょう。

麗美さんと夫が仲の良かった時代は嘘ではありません。こうして浮気をしていた現実を知ったうえで、麗美さんにもお嬢さんにも夫にも、納得のいく健やかな形になることを心から祈ります。

調査料金は30万円(経費別)です。

30歳で結婚して10年、ライブも外食も我慢してきた元教員の妻が「同じ年の夫のフリマ」に抱いた疑惑