「菌活」は継続が大切。腸内細菌の専門家が教える、腸内フローラを整える《菌活タイムスケジュール》
自然界のありとあらゆる場所に存在する《菌》。人間の体にも数多くの常在菌がすみつき、そのバランスによって私たちの健康状態が決まります。菌活は継続することが大切です。腸内細菌研究の第一人者である内藤裕二先生がおすすめする、1日の過ごし方を紹介します(構成:浦上泰栄)
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「その菌活、正しい?〇×クイズ」よりつづく
腸内フローラを整える菌活タイムスケジュール
<6:30 AM>
朝イチの歯みがきで腸への悪玉菌流入を防ぐ
睡眠中は唾液の分泌量が減って、口腔内に悪玉菌(歯周病菌、虫歯菌など)が増殖しやすくなります。
大腸がんの発生や進行に関係が深いといわれるフソバクテリウム・ヌクレアタムのような悪玉菌を水分や朝食と一緒に飲みこまないように、起床後すぐの歯みがきを習慣にしましょう。
<7:00 AM>
朝ごはんで善玉菌を送り込む
菌活で特に重要なのが朝ごはん。起床後の空っぽに近い腸内に発酵食品(菌)と食物繊維(菌のエサ)を送り込み、腸内細菌を元気にします。
納豆、漬物、ヨーグルトなどの発酵食品と、食物繊維が豊富な食べもの(雑穀米や全粒粉パン、野菜の味噌汁、バナナなど)をあわせて摂るのがポイント。
<10:00 AM>
少し遠いスーパーまでウォーキング
菌の活性化には運動が不可欠ですが、ジョギングや筋トレのような激しい運動は必要ありません。
「1日の歩数を1000〜2000歩増やす」を目標に、少し遠めのスーパーまで出かけて買い物をする、一駅手前で電車を降りて家まで歩く、歩くペースを速める……などを心がけて。
<12:00 PM>
塩分に注意。肉を摂るならランチで
麺類や丼物などで手軽に済ませる人も多い昼食ですが、塩分が多くなりがち。スープは残す、塩分を排出する野菜や海藻などの具を足すなど、工夫しましょう。
また、腸に負担がかかる高脂肪の牛肉や豚肉を食べるなら、夜より昼がおすすめ。
<1:00 PM>
地域のコミュニティで、人づきあいを増やす
菌がその効果を発揮するには、腸内環境を整えて腸の動きをよくすることも大事。日常的にポジティブな会話が楽しめる人間関係を維持することが、ストレスを減らしてメンタルを整え、腸の働きを高めてくれます。
ボランティアやスポーツ、趣味のサークルなどに参加して菌力をアップ!
<3:00 PM>
小腹がすいたら菌活フードを味方に
家事が一段落した午後、大好きなドラマを見ながら、ついつい甘いお菓子やスナック類をつまんでいませんか。
糖分や塩分の摂りすぎは菌の活動を妨げるため、お菓子の代わりにナッツやふかし芋、チーズなどを用意して、間食も菌活タイムに。
<7:00 PM>
魚や豆類中心の夕食。お酒は控えめに
適量のアルコールはストレスを和らげて、腸の働きを活発にしてくれる一方、摂りすぎると腸内フローラが乱れて菌の活動が阻害されてしまうことに。
菌活のためにも飲みすぎは厳禁。ビールは中瓶1本まで、ワインはグラス2杯、日本酒なら1合までと心得て。
<8:00 PM>
夜のヨーグルトで睡眠中の菌活に備える
夕食後の時間帯(午後10時〜午前2時)は、副交感神経の働きで腸内細菌の動きが最も活発になる「菌活のゴールデンタイム」。
胃酸の分泌量が減って乳酸菌(善玉菌)が胃腸まで届きやすくなるので、就寝の2〜3時間前にヨーグルトを食べて乳酸菌を補給しましょう。
<11:00 PM>
質の高い眠りで腸の動きを活発にする
睡眠不足は体内時計や腸内フローラを乱す原因に。就寝の1〜2時間前にゆっくり湯船につかって体を温めると、心身がリラックスして眠りにつきやすくなります。
入浴で副交感神経が優位になり、睡眠中に腸の動きが活発になるという効果も。遅くとも日付が変わる前には就寝を。
菌活トピック
腸内細菌の研究は日進月歩。注目すべきニュースをお届けします
●老化の抑制に欠かせない「ポリアミン」に注目
ポリアミンは、ビフィズス菌LKM512とアルギニン(アミノ酸)を同時に摂取することで、主に腸管内で生成される細胞内物質。
動脈硬化の予防、ガットフレイル(胃腸の働きが虚弱化すること)の緩和、胃腸の免疫力アップなどのほか、細胞の若返り、老化抑制、がんや認知症の予防など、「若返りの物質」として注目を集めています。
そのポリアミンを一番多く含む食べものが納豆。ほかにチーズ、ヨーグルト、味噌、しいたけ、小麦胚芽などにも多く含まれています。
●日本人特有のやせ菌が存在することが判明!

欧米で、内臓脂肪量や糖尿病のリスクが低い「やせ体形」の人の体内には、「アッカーマンシア菌」と呼ばれる特有の腸内細菌があることがわかってきました。
日本人はこの菌の保有者が少なく、代わりに玄米や大麦などの炭水化物をエサにして増える「ブラウティア菌」が多く存在。ブラウティア菌は「短鎖脂肪酸」を腸内で生成し、脂肪の吸収や蓄積を抑え、エネルギー代謝を高めることで、肥満を防ぐ役割を担うとされています。
やせ菌としての効果を得るには、玄米、納豆、大麦(β-グルカン)などの食物繊維を多く含む食品を摂ることが必要です。
