町田啓太

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 ドラマ『タツキ先生は甘すぎる!』(日本テレビ系/毎週土曜21時)で見せる新たな一面が話題を呼んでいる俳優の町田啓太。『グラスハート』『10DANCE』『九条の大罪』など話題作への出演が続き、幅広い役どころにチャレンジする彼が、活動15周年を記念したアニバーサリーフォトブック『KEITA MACHIDA 15th Anniversary Photobook 「sign」』(小学館)を5月12日に発売する。東京、ソウル、台北、それぞれの地で活躍する3人のフォトグラファーが撮影し、町田啓太の「今」が立体的に表現された本作。その製作エピソードや、デビューから15年の日々について話を聞いた。

【写真】透明感と色気が発光! 町田啓太撮りおろしショット

◆東京、ソウル、台北のカメラマンとのコラボから刺激

――約6年ぶりの写真集となる本作。どんな1冊にしようと思われましたか?

町田:仕事を始めて15年が経ち、僕の中でも節目のような感じがしているので、15年を振り返りつつ現時点の自分を残す記念のものができたらと思いました。もう写真集は出さないと思っていたんですが、イベントや舞台挨拶などに前回の写真集を大事に持ってきてくださる方もいて。そういう皆さんへ感謝の気持ちも込めて、改めて作れたらなという思いもありました。

――東京、ソウル、台北での撮影はそれぞれ現地のカメラマンとのコラボとなりました。各現場でどんな面白さがありましたか?

町田:それぞれの土地に精通しているカメラマンさんにお願いしたことで、写真の風合いや切り取り方も違ってとても面白かったですね。

東京は小見山峻さんにお願いしたので、躍動感はありつつ写真から滲み出てくる面白みがすごく素敵で。東京タワーのような“That’s”なところに行けば行くほど、ご自身のセンスと技術で面白く撮ってくださいました。

ソウルはKIM HYEONGSANGさんが撮影してくださったのですが、もうなんて言うんでしょう、センスがすごくて! こういう風に切り取ってるんだ!という驚きがありました。美的センス、アートセンス、ディレクションセンスがものすごい方で、今っぽい写真を撮ってくださる方でしたね。お忙しい方なので、もう撮ってもらえないんじゃないかというくらい、最高のタイミングで撮っていただけたなと思います。

台北はHUANG JUN TUANさん。感覚派の方で面白かったです。ちょっと動物的感覚といいますか、その場で生まれることがすごく多かったですし、今、目の前しか見てないみたいな方で。一瞬一瞬を切り取ってくれた感じがありますし、その時しか撮れないであろう写真をたくさん撮っていただきました。

――東京では、町田さんが初舞台を踏んだ銀河劇場など、ゆかりの地でも撮影されたとか。

町田:初舞台ぶりに行きましたが、今回車で行ったので裏口につけさせてもらったんですね。でも当時は電車で通って表から入っていたので、「あ、裏はこういう感じなんだ!」と思いました。中に入ってもいろいろと思い返すことが多かったんですが、一番驚いたのが「あれ?こんなに狭かったっけ?」ということ。当時はものすごく広い劇場に感じていたんですよね。身長は変わってないのに見える景色が全然違って不思議だなと思いました。

◆いい写真が多すぎてお気に入りカットが選べない(笑)


――今回3冊セットの全240ページというボリュームで、印象的なカットがたくさんありますが、町田さんご自身のお気に入りカットを挙げるとすると……

町田:決められないですね(即答)。嘘じゃなく、本当にいい写真ばっかりすぎて。僕が言うのはちょっとおかしな話なんですが、こんなに表紙候補になるカットがある写真集ってなかなかないと思うんです。セレクトも迷いに迷いましたし、このカットがいい!と皆さんから教えてもらいたいです。

東京でいうと、小見山さんらしいなと思ったのはバルーンを使った1枚。中目黒の駒沢通りで撮影したのですが、僕、“カールおじさん”になるんじゃないかと思うくらいの強風で(笑)。でも、小見山さんならではの印象的な1枚になったなと思います。

解禁カット第1弾として発表したソウルの街の中で撮らせてもらったカットは、発表後にいろんな人から連絡をもらうなど大反響の1枚でした。

台北も、極寒の真っ暗闇の海で撮影して面白かったな。全然濡れていないように見えるんですけど、結構ビチャビチャなんです(笑)。

――出来上がりをご覧になられて6年前の作品との違いは感じられますか?

町田:見ていただいたらわかると思いますが、もう何から何まで違いますね。ボリュームもまず別次元ですし、前回はもうちょっとパーソナルな感じがありましたが、今回はこの15年俳優としてやってきた中のものにフォーカスを当てていますし。

――書き下ろしエッセイにも初挑戦されています。

町田:そんな大層なものじゃないんですけどね。文章を書くことはあまり得意ではないですが、今回15周年を記念したものを出させてもらうとなった時に、当時思っていたことや、今はこう思っているということを文字にしておきたいと思いましたし、僕が今感じていることを皆さんにちょっとでも共有できたらいいなと思ったので。ちょっとした挑戦ですね。

撮影をしていて、それぞれの場所で思うことや、思い返すこともたくさんあったので、自分自身にとってもいい機会だったなと思います。

◆デビューすぐにダンスを諦めたことが大きな転機に


――これまでの15年はどんな道のりでしたか?

町田:そうですね……。よく「順風満帆だったんでしょ?」と言われますが、まったくそんなことはなかったです。三歩進んで二歩下がるじゃないですけど、ちょっとずつ積み重ねて、いろんな出会いがある中で導いてもらったり、助けてもらったり、学ばせてもらったりしながら、少しずつ歩みを進めてきたなと思います。そんな中でも、すごく勇気や自信をもらえたりすることも多くて、すごく濃い15年だったなと感じます。今こうやって15周年を記念した作品を作らせてもらえるというのはありがたいことですし、今までの出会いにすごく感謝しています。

――15年の中でのターニングポイントを挙げるとすると?

町田:たくさんあるんですよね。最初はダンサーの道を志していましたが、それを全部諦めて俳優としてやっていこうと決めたのはとてつもなく大きな転機でした。20歳くらいで事務所に入ってすぐだったので、それは一番大きかったと思います。

作品でいうと、オーディションを受けて出演が決まった朝ドラ『花子とアン』。親もそれまでに比べてより安心してくれたと思います。

その後も、何者でもない僕にいろんな方がチャンスをくださる中、30歳ぐらいの時に『チェリまほ』(『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』)に出演させていただいて。俳優として初めて賞をいただいたりもしましたし、大きなものをたくさんくれた作品でした。同時期にNetflix作品にも出させてもらって、日本だけじゃなくて世界に作品が届き、さまざまな国の方からたくさん応援をいただくようになりました。

最近では『グラスハート』や『10DANCE』も僕にとってとてつもなく挑戦的な作品でした。試練だなと思いながらも、反響もたくさんいただきましたし、与えてもらえることが多かった挑戦になりました。

――20歳そこそこで、ダンスの道を諦めるという大きな決断をされるのは、かなりヘビーだったのではないかと思います。

町田:まさかそこでそんな決断をしなきゃいけないことになるとは思ってなかったですね。根拠もなく何事も順風満帆にいくだろう、なんとかいけるだろうと若さの勢いで思っていましたし。

――俳優一本に絞られて、すぐにお芝居の面白さは感じられましたか?

町田:元々やってみたいなとは思っていましたし、「ダンスもお芝居も両方できるよ!」みたいなことを言われたりもしていたんですけど、いざやってみるとやっぱり難しくて、楽しいよりもしんどいことの方が多かったです。あと、こんなに地道で繊細なのかと驚きました。

だから最初は悔しくてやっていたかもしれないです。初舞台を完走できなかった悔しさもあったし、やったことが思ってることと全然違って「なんでこんなことができないんだ!」みたいな恥ずかしさもありました。「もっと上手くなりたい!」「もっと楽しみたい!」という負けず嫌いな気持ちで、ダンスに注いでいた情熱を全部ぶつけていた感じでしたね。

◆デビュー当時は「色気がない」と言われ続けた


――『10DANCE』では、町田さんの色気の凄まじさが大きな話題になりました。

町田:僕、そうやって言ってくださるのが不思議なんですよ。事務所に入った当時、『10DANCE』で竹内(涼真)くんが言っていたセリフそのままですが、「色気ねぇな〜」ってずっと言われていたので(笑)。

――そうなんですか!

町田:スポーツばっかりやってきたので、メンタリティ含め「スポ根にしか見えない」と。「色気を学んだ方がいいよ」「なんなら遊べ!」とも言われました(笑)。

元々色気がある人っているじゃないですか。僕はそのタイプじゃないんです。色気がないとずっと言われ続けた人間でも、「色気がすごい」と言ってもらえるようになるんですよね。もしかしたらそれは、これまで這いつくばりながらやってきたものを何かしら感じ取ってもらってということなのかもしれないですし、人間一生懸命やっていれば何かしら好転したり、なかったものがちょっと出てきたりするのかもしれない。自分でもいまだによくわからないです。

――町田さんのデビュー当時だったと思うのですが、番組でマツコ・デラックスさんが、町田さんがかわいいとご指名されたのを覚えています。きっとそのころから光り輝く色気は出ていたんだと思います。

町田:ありましたね〜。マツコさんはすごく人のことを深く見ておられる、慧眼をお持ちの方ですから、すごくうれしかったですね。そうやって目をかけてくださる方がいるのは喜びにもなりますし、僕もああいう風に声をかけられるようになりたいなと思っています。あの時、すごく救われましたから。

――35歳になられましたが、30代のうちに成し遂げたいことは何かありますか?

町田:無茶をしてでも体を酷使できるのは30代ぐらいまでかなと思っているんです。そういう役や作品にまだまだ挑戦できるなと思うので、また無茶な挑戦ができたらいいなと思います。

素敵な作品に関われるならそれが一番なので、今後もそんな作品と出会えるように頑張っていきたいと思います。

(取材・文:近藤ユウヒ 写真:高野広美)

 『KEITA MACHIDA 15th Anniversary Photobook 「sign」』は、小学館より5月12日発売。定価5720円(税込)