アンダーソン(右)の危険なタックルにお咎めなし。ビラのエメリ監督は納得ができないようだ。(C)Getty Images

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 アストン・ビラのウナイ・エメリ監督が、VARに対して怒りを爆発させた。

 現地4月30日に行なわれたヨーロッパリーグ(EL)準決勝の第1レグで、ビラは敵地でノッティンガム・フォレストと対戦し、0−1で敗戦。この試合でのある判定に、指揮官は納得ができないようだ。

 英公共放送『BBC』は「『どこにいるんだ? ワオ。本当に、本当にひどい』――エメリの驚くべきVARへの怒り」と題した記事で、その詳細を報じている。

 問題となったのは前半におけるプレー。ノッティンガム・FのMFエリオット・アンダーソンが、ビラのFWオリー・ワトキンスに対してスライディングタックルをする。アンダーソンはボールに触れたものの、その後に足裏がワトキンスの足首に。ジョアン・ピニェイロ主審は何の措置も取らず、VARによるレビューもごく短時間で終了した。

 エメリ監督は試合後、『TNT Sports』のインタビューで主審の仕事ぶりを称賛しつつ、VARへの不満を露わにした。

「ファンタスティックだ。主審は、ファンタスティックだ。しかしVARは本当に、本当にひどい。明らかなレッドカードだ。VARがなぜ主審を呼ばないのか理解できない。あまりにも明白だからだ」

 54歳のスペイン人は「巨大なミスだ。VARに責任がある」と続け、その危険性を強調し、感情的に訴えた。

「見返したよ。ワオ。彼は足首を骨折する可能性があった。VARはどこにいるんだ? 頼むよ。君たちの責任だ。我々はプロフェッショナルだ。君たちはとてもひどい仕事をしている。誰が見ても明白だったのだから。彼は足首を骨折する可能性があったんだ」
 
 この怒りは、試合後の記者会見でも収まらなかった。エメリ監督は改めて主審のパフォーマンスを「素晴らしい仕事をした」と評価したうえで、「しかし、もう一度見返すと、これはVARの責任だ。大きなミスだ。オリー・ワトキンスは足首を骨折するところだった。VARには大きな責任がある。我々に説明をしなければならない。クレイジーだ!」と主張した。

 皮肉にも、この試合の決勝点となったのは。VARの介入によって与えられたPKだった。FWオマリ・ハッチンソンのクロスがDFリュカ・ディーニュの手に当たったとしてPKが宣告され、これをFWクリス・ウッドが仕留める。エメリ監督はこのPK判定については「誰もがPKだと言っている」と受け入れている。

 記事では、エメリ監督が過去にVARを支持する発言をしていたことも紹介。2023年10月に「私はVARに対して常にポジティブだ。フットボールにとって良いものだと思う」とコメント。また24年12月にも「私は常にVARを支持している。VARを使わなければならない」と語っている。

 これまでVARを擁護してきたからこそ、今回のエメリ監督のリアクションは異例とも言える。「VARは公平であってこそ意味がある。どう思うかね?」。そう問いかけたエメリ監督の言葉は、VARシステムの運用に改めて一石を投じるものとなった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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