イタリア審判協会(AIA)は25日、審判選定責任者のジャンルカ・ロッキ氏がミラノ検察の捜査を受けているため即時職務停止となることを発表した。イタリアメディア『AGI』や『ラ・レプブリカ』はスポーツ詐欺共謀の疑いがあると伝えている。

 ロッキ氏はセリエA通算263試合、UEFAチャンピオンズリーグで38試合の主審経験を持ち、オリンピックやワールドカップでも笛を吹いた世界的な元国際主審。ロシアW杯では日本対セネガルも担当した。2020年8月に現役を引退するとAIAに入閣し、審判音声を公開する番組を立ち上げるなど引退後もイタリア審判界で精力的に活動していた。

 ところが地元メディアによると、ロッキ氏がインテルにとって好ましい主審を選出したこと、試合中にVARに不当な圧力をかけたことの疑いで捜査されているという。

 審判選出に関しては2024-25シーズンのセリエA第33節・ボローニャ対インテルで、優勝争い中のインテルが好んでいるとされるアンドレア・コロンボ主審を割り当てた疑惑、同シーズンのコッパ・イタリア準決勝第2戦・インテル対ミランでインテルが好んでいないとされるダニエレ・ドベリ主審を割り当てることで、同主審の決勝担当や以降の重要な試合での担当を除外した疑惑が捜査対象になっているようだ。いずれもクラブは捜査対象になっていないという。

 また、同シーズンのウディネーゼ対パルマではVAR担当審判員に圧力をかけた疑惑が浮上している。この試合でウディネーゼがPKを獲得した場面について、当初主審がピッチ上でノーハンドと判定するなか、VARもノーハンドの判定を支持。ところがVARが後ろを振り返って後方にいるとされる人物と会話した後、一転して主審にオンフィールド・レビュー(OFR)を勧めたような様子が記録されていたという。その人物がロッキ氏だという疑いがあり、「VARルームの窓を数回叩いてVARを呼び、OFRを勧めさせた」との証言もあると伝えられている。

 もっともロッキ氏は以下のように無実を主張している。

「私は自ら即時の職務停止を決断した。この苦渋の決断は困難なものだったが、家族とも話し合って下したものであり、司法手続きが円滑に進むことを可能にするためのものである。この手続きを経て以前よりも強くなって戻ってくると確信している。協会に対する深い愛情と私が担う役割に対する責任感から、まずはこの重要なアスリートたちを守りたいと考えています。彼らには、私の事情によっていかなる影響も受けてほしくない。私の立場が明確になるよう、早いうちに進展があることを願っている」