プロ1年目の20歳・女子プロに突撃取材!同期の優勝で変わったことって?
ツアーで活躍しているプロたちは誰もが自分のゴルフをよりよいものにしていくためにさまざまなことを考え、走り続けている。どんなことを考え、どのようにゴルフと向き合っているのか。インタビューをとおして、その姿を探っていく。
「試合をするたびに課題が見つかります」
シーズン中は、2024年のプロテストを合格したJLPGA「97期生」の活躍が開幕から続いていたが、ついに昨年6月の「ニチレイレディス」で入谷響が初優勝を達成した。その3日ほど前に、開幕からここまで予選落ちの少ない安定したプレーを見せる入谷と同期の徳永歩に、現在地とこれからについてを聞いてみた。
──ここまで13戦終えました。疲れはないですか?
徳永 体の疲れはそれほどではないですが、試合が終わると頭はすごく疲れていますね。でも疲れはあっても、試合は〝めっちゃ〞楽しいです。
──開幕前に立てた目標は?
徳永 シード権獲得です。
──目標に向けて、オフにとくに取り組んだことは?
徳永 今までひとりで走ったりはしていましたが、いわゆるトレーニングというものをしてこなかったので、オフから体幹トレーニングをはじめました。
──その効果はどうですか?
徳永 出ていると思います。これまでは疲れてくると、ガンバって体で振ってしまって、スイングが暴れちゃうことが多かったのですが、今はだいぶ落ち着いて振れているかなと。
──スコアにも表れている?
徳永 そうですね。前より安定はしてきました。
──開幕からここまで、自己評価は何点くらい?
徳永 何点にすると、30点くらい?(苦笑)
──かなり低めの自己評価ですが、レギュラーツアーで「できている部分」はどこですか?
徳永 できていることはまだ少ないです。試合のたびに課題が見つかるので。ただ昨年よりもよくなっているところは、50ヤードくらいのアプローチですかね。今までフェースにうまく乗らずに抜けてしまうことが多かったのですが、最近はコントロールができるようになってきました。
──技術的な部分が向上した?
徳永 はい。今までよりヘッドを落として、バンスを使って打てるようになってきました。
──では今1番の課題は?
徳永 パットです。もともと得意ではないのですが、ラインの読みやタッチをもっとよくしたいです。
──最近、パターを短くしましたよね?
徳永 そうなんです。パットで悩んでいるときに、コーチに「台に上がって打ってみたら?」とアドバイスをいただきました。ボールがいつもより下にある状態で打ってみたら芯に当たるようになってきて。
──その効果からパターを短くしたんですか?
徳永 はい。短くしたことでフトコロが広くなって、ストロークがしやすくなってすごくよくなりました。何よりも迷いがなくなったことが大きいですね。
──パットの課題はクリアになりつつありますね。ほかに課題は?
徳永 グリーンまわりのアプローチです。普通に転がして寄せるところのミスを減らして、確実にパーを拾って、チップインももっと決まるようにしたいです。
──スコアに直結する1番大事な部分ですね。ショットはとくに不安はないですか?
徳永 今のところ大丈夫です。アイアンは思うように打てていると思います。それでグリーンをしっかりとらえて、パットで勝負できれば。
──さて、5月の「Sky RKBレディス」で優勝争いがありました。振り返ってみるとどうですか?
徳永 最終日を上位で戦っている実感はありました。
──後半に痛いOBが……。力が入ってしまった?
徳永 そうですね。もともと試合になると力が入ってしまうタイプなのですが、はじめての優勝争いで、余計に気合いが入りすぎてしまったのかもしれません。
──はじめての優勝争いは、やはりプレッシャーがあった?
徳永 ありました。自分を信じきれていないのか、上位で戦うにはまだまだ経験が足りないです。
──1番ギャラリーに見てほしいプレーは?
徳永 アイアンショットです。うまく打てたときに歓声をいただけると〝めっちゃ〞うれしい(笑)。
──目標とする選手は?
徳永 申ジエ選手です。中学生くらいからずっと見ています。とにかく強いし、うまいし……。まだ同じ組で回らせてもらったことはないのですが、今シーズン中にぜひご一緒したいです。
「今は試合が楽しくてしょうがない」
──ところで「初優勝」は、今季の目標ではない?
徳永 優勝したい気持ちはもちろんありますが、今のゴルフの内容では、まだ口に出していえる目標ではないかなと。まずは目の前にある課題をひとつずつクリアしていこうと思っています。
──1歩ずつ前へ、ですね。今シーズン躍進中の97期生が注目されています。まだ「〇〇世代」と名前がついていませんが、気になりますか?
徳永 「何になるんだろう? 黄金、プラチナ、ダイヤモンドって、もう出つくした感あるよね?」みたいな話は、同期のみんなでしていますよ(笑)
──よい名前がつくといいですね。最後に「プロゴルファー1年目」の現在の率直な気持ちは?
徳永 とにかく今、試合をするのが楽しい。ギャラリーのみなさんに見てもらうのも楽しいし、課題が見つかってそれを乗り越えるのも楽しい。いつか優勝争いのドキドキも楽しめるようになれたらいいなと思っています。
このインタビューのあと、憧れであり目標とする申ジエと、はじめて同組になったので、試合会場(アース・モンダミンカップ)に徳永プロを訪ねた。彼女は開口一番、目を輝かせていった。「目の前で見た申さんは、本当にアプローチが上手でした」
まずは、今シーズン中に叶えたかった夢がひとつ叶ったようだ。そして、入谷の初優勝について改めて聞いてみると「(優勝って)遠くの目標だったのが、より身近に感じるようになりました」と、1週間前のインタビューとは違った答えが返ってきた。「優勝を口にするのはまだ早い」といっていた彼女の気持ちに、この同期の初優勝は小さくない変化をもたらしたのだろう。
1歩ずつ前へ進んでいければ、その先に見える未来は必ず明るい。それは「伸びしろ」しかないプロ1年目の選手がもつ特権だと思う。また、その成長過程を見守っていくのが、ゴルフを見る者からすると大きな楽しみのひとつだ。がんばれ徳永歩、がんばれルーキーたち。
いかがでしたか? 徳永プロの今後の活躍から目が離せませんね!
徳永 歩
●とくなが・あゆみ/2006年生まれ、大阪府出身。2024年プロテストを2位タイで合格。今シーズン躍進中の97期生のひとり。5月の「Sky RKBレディス」で優勝争いを演じた。得意のアイアンショットを武器に、着実にポイントを重ねてシード権獲得を目指す。センコーグループホールディングス所属。
文=ひよこきんぎょ
写真=小林司
撮影トーナメント=ワールドレディス サロンパスカップ
