ボスニア・ヘルツェゴビナ代表がホームでイタリア代表を破ってワールドカップ出場権を獲得したPK戦では、ボールボーイの妨害があったようだ。地元メディア『N1』は「大きな助けになった」と伝えている。

 欧州プレーオフ決勝のPK戦ではイタリアの1人目と3人目が失敗した一方、ボスニア・ヘルツェゴビナは4人全員が成功。ボスニア・ヘルツェゴビナが3大会ぶりのW杯出場を決めた一方でイタリアはまさかの3大会連続予選敗退になった。

 ボスニア・ヘルツェゴビナメディアによると、そうしたPK戦でドンナルンマが1人目のキッカーと対峙している隙に、イタリアが用意した各キッカーの情報を記した紙をボールボーイに盗まれていたという。現地放送局『フェイスTV』はこの少年を14歳のアファン・チズミッチと特定し、インタビューを行った。

 チズミッチは盗み取ったとされる紙を持参しながら、「ここにはどうやってシュートするかが書いてある」と公表。キッカーの情報を確認できなくなったドンナルンマはすべてのキックでキッカーから見て右に飛んでおり、「彼にとってあの資料は重要だった。僕が奪ってから運任せで飛んでいた」と指摘した。

 国内では英雄視される一方で批判の声も受けかねない行為をしたチズミッチ。今後については「父と相談して、紙をオークションに出して全額を慈善団体に寄付することにした」と方針を示しており、地元メディアは「この物語には人道的な面もある」と伝えている。

 なおチズミッチはチェリク・ゼニツァのアカデミーに所属しており、1月には10試合14得点11アシストを記録している将来有望な選手としても取り上げられていた。また、『BBC』などによれば、ドンナルンマも相手GKが持参した資料を破ろうとしたとの情報もあるという。