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OBSラジオ「加藤秀樹が語る 日本の未来構想」(3月16日放送)では、緊迫する中東情勢を取り上げた。ホルムズ海峡の危機に伴う石油や物価への影響は、私たちの生活に直結する死活問題となっている。こうした課題を解決するための「国会の仕組み」や「予算審議」のあり方について、加藤氏が解説した。

【写真を見る】予算審議強行に異議 膨張する予算のカラクリと「審議時間不足」という罠

膨張する「補正予算」と水増しの実態

国の予算には大きく「本予算(当初予算)」「補正予算」「暫定予算」の3種類がある。本来、補正予算は災害やコロナ禍のような想定外の事態に対し、不足分を追加で手当てするためのものだ。

しかし現状は、コロナ禍が落ち着いたあとも2021年から2025年まで毎年15兆~30兆円規模の補正予算が常態化して組まれている。その中には防衛費など「決して想定外とは言えない」ものまで含まれており、予算全体が著しく膨張している。

さらに、計上された補正予算の4割が使い切れず、翌年に繰り越されていることもある。加藤氏は「補正予算という仕組みを使って予算全体の水増しをしている。手厚い予算を演出したり、より簡略な審議によって問題をすり抜けたりするために使われている」と問題視した。

仕組みを活用しない強引な「年度内成立」への疑問

高市総理は「国民生活に影響が出ないよう、年度内に予算を成立させる」と主張し、野党は「予算審議は国会でも最も重要。国民の税金の使い道を必要な時間をかけて十分議論すべき」と反発した。

この状況に対し加藤氏は、「国民生活に影響が出ないようにするための『暫定予算』という仕組みがある。総理が断行した選挙で審議のスタートが遅れたのだから、まずは暫定予算を組んで本予算については十分な時間をかけて議論するのが本来のあり方」と指摘する。

既存の仕組みを使わずに強引に審議を急ぐ姿勢については、「野党から突っ込まれないためと言われても仕方ない。多数の議席数で押し切るのは民主主義の根本にもとる」と苦言を呈した。

圧倒的に短すぎる日本の国会審議時間

国会には「通常国会」「臨時国会」「特別国会」がある。通常国会は1月から6月までの150日間で、3月末までの前半は予算関連。4~6月の後半はそれ以外の案件を審議する。予算審議は国民にとって特に重要で、予算委員会にはテレビ中継も入り、議員にとっては「自己PRになる花形」でもある。

加藤氏は、日本の国会の会合回数や審議時間が欧米諸国と比べて「桁が違うほど短い」と言う。例えば日本は本会議の開催が年間約50日だが、アメリカやイギリスは約140日。委員会の開催回数日本は約500回だが、アメリカの下院は約2500回、イギリス下院は約1000回。「日本は会期が限られているが、欧米では通年で議論ができる国が多いことも背景にある」と述べる。

国会閉会中の審議や臨時国会があったとしても1~2か月ほど。日本の国会議員は、残りの半年の多くの日数を地元での選挙活動に費やしているのが実態という。日本の政治のレベルを上げるには、会期制や審議時間そのもののあり方も見直す必要性を訴えた。