高市早苗の公式Xより

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高市早苗首相は9日、石川県知事選の馳浩氏の現地応援について、「不適切だったとは思っていない」と答弁。高市首相は先月28日の夕方、イラン攻撃が発生した直後のタイミングに空路で金沢入り。知事選などの地方選挙で首相自身が応援演説に行くのはまれだ。終了後は新幹線で官邸に戻った。

官邸に到着後、およそ30分後には関係閣僚を集めて国家安全保障会議の開催にあたった。だが、攻撃開始から7時間以上が経過し、中東では主要都市が次々と爆撃。多くの邦人が危険な状況下に置かれ、イラン攻撃対応より選挙応援を優先したのではないか、と強い批判を受けた。

自民党総裁の首相は本来、地方選は静観することが不文律となっている。国政への悪影響波及を回避するためだが、首相周辺は「前例は気にしない。首相が行きたいから行く」と述べ、首相自らの判断だったことを明らかにしていた。

あくまで、選挙応援に出向いた対応に問題はなかったとの認識を示す高市首相。だが、危機管理の批判は応援演説だけにとどまっていない。

冒頭の審議で中道改革連合の小川淳也代表は、東京ドームで開催中のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンドを現地観戦した閣僚がいるかどうか挙手を求め、片山さつき財務相、木原稔官房長官、城内実経済財政担当相の3人が応じた。

小川氏は、イラン攻撃など国際情勢が緊迫化する中で、現職閣僚が野球観戦をしたことを問題視したかったとみられ、「WBCをNetflixでしか見られないことは、そういう時代なのかなと思い、複雑な思いも持っています」とチクリ。

本来ならば、高市首相は7日の日韓戦始球式を控えていたが、イラン情勢を受け、球場へ行くこと自体を取りやめた。これに小川氏は、「総理は始球式への登板を見送られました。(イラン攻撃などの)状況を見て、そういう判断をされたと思う」と指摘し、「当然、3月6日から8日までの(東京ドームでの侍ジャパンの)試合観戦も控えられたんですよね」と質問を振られた高市首相は、自席でうなずいてみせた。

小川氏は、「ちょっと、危機管理上…」と質問を続けようとしたタイミングで、発言時間が終了。坂本哲志委員長に指摘されたため、「答弁はまた一般質疑で、後続の打者(委員)に委ねたい。総理もご存じだったかご存じでなかったか、2人の閣僚にはあらためて答弁を求めたい」と予告した。

小川氏の質問をめぐり、SNSでは「なおもイランに邦人が残り、拘束されている人もいる状況下で時間外だろうが娯楽は控えるべきであり、小川代表の追及の手は許容範囲である」との意見もある。

一方で、「これ予算委員会で問うことですか?イラン情勢について今日本ができることは情報収集と中東にいる日本人の安全の確保ぐらいで、そこは政府としてきちんとやっていると思います」「確かに中東情勢は悪化の一途をたどっているが、直ちに日本に火の粉がかかるような事態ではないにも関わらず、プライベートを捨てて24時間臨戦態勢にあるべきという主張は言い過ぎ」など、小川氏の攻撃に批判の声が寄せられている。

また、自民党の石川昭政衆院議員は自身のX(旧Twitter)に「WBC応援と危機管理がどう関係するのか聞いてみたかった。東京ドームは23区内だし、官邸まで15分か20分で戻れる」と書き込み、質問の趣旨を疑問視した。

日に日に悪化するイラン情勢。我が国は直接的な攻撃は無縁であるが、間接的なダメージはすでに受けている。今後の情勢によっては高市トレードが崩れ去る恐れもあるだけに、発言や行動は極めて慎重に心がけた方が良さそうだ。