JAXA(宇宙航空研究開発機構)の新型宇宙ステーション補給機1号機「HTV-X1」が、ISS(国際宇宙ステーション)を離脱しました。


2025年10月26日に「H3」ロケット7号機で打ち上げられたHTV-X1は、約4日後の日本時間2025年10月30日0時58分にISSへ到着。補給物資の運び出しや廃棄される不要品の積み込みを行った後、日本時間2026年3月6日4時26分にロボットアームを使ってISSから切り離され、アームに把持されたまま待機ポジションに置かれていました。


NASA(アメリカ航空宇宙局)によると、HTV-X1は日本時間2026年3月7日2時00分にロボットアームの把持が解かれ、太平洋上空で約4か月ぶりに単独飛行に移りました。


関連画像・映像

【▲ ISS(国際宇宙ステーション)のHarmonyモジュール下方に結合されている新型宇宙ステーション補給機1号機「HTV-X1」(Credit: NASA/Chris Williams)】
【▲ ISS(国際宇宙ステーション)のロボットアームによる把持から解放された新型宇宙ステーション補給機1号機「HTV-X1」。NASAの公式ライブ配信から引用(Credit: NASA)】
【▲ ISS(国際宇宙ステーション)のロボットアームによる把持から解放された新型宇宙ステーション補給機1号機「HTV-X1」。NASAの公式ライブ配信から引用(Credit: NASA)】
【▲ ISS(国際宇宙ステーション)から離れていく新型宇宙ステーション補給機1号機「HTV-X1」。NASAの公式ライブ配信から引用(Credit: NASA)】
【▲ ISS(国際宇宙ステーション)から離れていく新型宇宙ステーション補給機1号機「HTV-X1」。NASAの公式ライブ配信から引用(Credit: NASA)】

約3か月間にわたって単独飛行しながら技術実証ミッションを実施

物資の補給を終え、不要品を搭載してISSを離れたHTV-X1ですが、ミッションはこれで終わりではありません。


今回が初飛行となるHTV-XはISS離脱後も最長1.5年間にわたって単体で飛行が可能で、技術実証や実験に対応する軌道上実証プラットフォームとしてのミッションを行えるように設計されています。


【▲ 超小型衛星を放出する新型宇宙ステーション補給機「HTV-X」のCGイメージ(Credit: JAXA)】

HTV-X1では、超小型衛星放出システム「H-SSOD」、衛星レーザー測距(SLR)用小型リフレクター「Mt. FUJI」、展開型軽量平面アンテナ「DELIGHT」、次世代宇宙用太陽電池「SDX」が搭載されていて、ISS離脱後の約3か月間にわたって技術実証ミッションが行われます。


H-SSODは6UサイズのCubeSatに対応する放出システムで、HTV-Xには最大4基搭載できます。HTV-X1のH-SSODには日本大学の超小型衛星「てんこう2」が収納されていて、ISSよりも上の高度約500kmの軌道で放出される予定です。


【▲ 新型宇宙ステーション補給機1号機「HTV-X1」の与圧カーゴ外部に設置された小型リフレクター「Mt. FUJI」。2022年6月7日撮影(Credit: JAXA/MHI)】

Mt. FUJIは地上から照射したレーザーが反射して地上に戻るまでの時間から距離を測定することに加えて、JAXAによれば世界初の取り組みとして、レーザー測距から推定された機体姿勢の変化を実際のデータと比較・検証する実験が行われます。


DELIGHTとSDXは軌道上で展開される軽量パネルに搭載されていて、地上からの電波受信や太陽電池出力の計測などが行われます。2つの装置を搭載したパネルそのものも重要で、宇宙太陽光発電システムのような大型宇宙構造物の構築技術などを軌道上で実証するために、展開中の挙動や展開後の構造特性の計測が行われるということです。


【▲ 展開型軽量平面アンテナ「DELIGHT」と次世代宇宙用太陽電池「SDX」を搭載した軽量パネルの展開状態を示したCGイメージ(Credit: JAXA)】

 


文/ソラノサキ 編集/sorae編集部


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