ゴルディーニ、ウィリアムズにアルピーヌ! ルノーが誇る高性能モデル 25選(前編) 情熱をかきたてるフランスの名門
象徴的で忘れがたいハイパフォーマンスカー
1898年、ルイ・ルノー氏は自らの名を冠した自動車会社を設立した。それ以来、ルノーはダイヤモンドのロゴを掲げ、常に速さを追い求めてきた。
【画像】今も愛され続けるルノーの名車【クリオ・ウィリアムズと5ターボを詳しく見る】 全24枚
今日では小型ハッチバックやクロスオーバーが主力となっているが、歴史を振り返ると、素晴らしいハイパフォーマンスモデルを数多く生み出してきた輝かしい実績がある。

ルノーが生み出した象徴的な高性能モデルを25台紹介したい。
最近でも、5ターボ3EやアルピーヌA110ウルティムなどを相次いで発表していることから、ルノーは走りへの情熱を忘れていないようだ。そこで、本特集ではこれまでにルノーが生み出した最高のハイパフォーマンスモデルを25台紹介したい。
1:ルノー・タイプK(1902年)
創業初期、ルイ・ルノー氏はモータースポーツを主要なマーケティング戦略としていた。しかし、1902年になると、自動車の性能向上に伴い競争は激化しつつあった。
そこで、レーシングカーのタイプKに搭載されていたドディオン・ブートン製エンジンを、新たに自社設計した4気筒エンジン(最高出力24ps)に換装した。改良型タイプKはこの新エンジンを最大限に活用し、名高い1902年パリ・ウィーンレースで圧勝。1300km以上を平均時速39マイル(62.5km/h)で完走した。

1:ルノー・タイプK(1902年)
2:ルノー40CV(1926年)
40CVは20世紀初頭にルノーが生産した高級モデルだ。1910年のパリ・モーターショーで発表され、1922年から1928年まで販売された。当時の欧州自動車の過剰なまでの豪華さを示す好例と言える。一部の仕様では9.0Lエンジンを搭載し、車両重量は2500kg超、全長は5mに達した。つまり、高性能車のベースとしては理想的とは言えないということだ。
ところが驚くべきことに、40CVはモータースポーツで成功を収めた。1925年のラリー・モンテカルロでルノーに勝利をもたらしたことで有名であり、大幅に改造された1926年モデル『NM』(写真)は当時の速度記録をいくつも更新した。

2:ルノー40CV(1926年)
3:ルノー・ドーフィン・ゴルディーニ(1961年)
1955年、ルノーはベストセラー車4CVの後継としてドーフィンを発表した。しかし、1956年にラリーで連勝を重ねると、さらに高性能なバージョンの開発に意欲を示した。
エンジニアのアメデ・ゴルディーニ氏との共同開発により、1961年にドーフィン・ゴルディーニが発表された。この “高性能” モデルは、0-100km/h加速に27秒を要するなど、実際の性能はさほど高くなかった。それで歴史的に重要であり、後に伝説となる「ゴルディーニ」の名を初めて冠したモデルとなった。最も人気が高いのは最高出力55psのホモロゲーション・スペシャル『1093』で、生産台数はわずか2140台にとどまる。

3:ルノー・ドーフィン・ゴルディーニ(1961年)
4:ルノー8ゴルディーニ(1964年)
次に「ゴルディーニ」の名を冠したモデルは、控えめなルノー8だ。2本の白いストライプと珍しい4灯式ヘッドライトを備えた、ゴルディーニの象徴的な存在と言える。
R8ゴルディーニはドーフィーヌから大幅な進化を遂げている。リアエンジン・後輪駆動レイアウトは共通だが、最高出力95psと、標準的なルノー8のほぼ2倍の出力を誇る。1966年の改良では1.3Lエンジンと5速トランスミッションを搭載し、最高速度175km/hを達成した。当時としては驚異的な数値である。

4:ルノー8ゴルディーニ(1964年)
5:ルノー12ゴルディーニ(1970年)
次に登場したのが12ゴルディーニだ。これは前身であるR8ゴルディーニとは根本的に異なり、特にエンジンと駆動輪がリアではなくフロントに配置された点が大きな特徴だ。
ルノーは可能な限りの軽量化を追求した。例えばシートは、チューブ状のフレーム構造に布地を張っただけのシンプルな造りだ。出力は116psと立派なもので、最高速度は185km/hに達した。

5:ルノー12ゴルディーニ(1970年)
6:アルピーヌA110(1973年)
厳密に言えば、1961年に発表され、1962年に生産開始された初代アルピーヌA110は、当時ルノーとは無関係だった。しかし1973年、ルノーがアルピーヌの筆頭株主となった。この年はA110にとって最も重要な年でもあったため、ここで紹介しておきたい。
1973年が重要なのは、A110がFIA世界ラリー選手権の王者に輝いた年だからだ。ポルシェやランチアといった強豪を退けてのタイトル獲得である。小さなボディに140psの4気筒エンジンを搭載し、ライバル車に比べてかなり非力だった。しかし、小さな「ベルリネット」スタイルのファイバーグラスボディにより、A110の重量は700kg強に抑えられている。このため驚異的な機敏性を発揮し、アルピーヌ・ルノーはラリーシーンを席巻したのである。

6:アルピーヌA110(1973年)
7:ルノー・アルピーヌA442B(1978年)
もう1台の極めて重要なモデル、A442Bはルノーにル・マン24時間レースの勝利をもたらした。アルピーヌとの共同開発で、1975年にプロトタイプ世界選手権に参戦した。しかし、1978年のサルト・サーキットでの勝利こそが、その最大の功績となった。
ディディエ・ピローニとジャン=ピエール・ジョッソーが、この6気筒500psのレーサーを過酷な条件下で操縦し、ミュルサンヌ・ストレートで360km/hを記録。地元観客の前でチェッカーフラッグを最初に受けた。

7:ルノー・アルピーヌA442B(1978年)
8:ルノーRS10(1979年)
1979年のF1世界選手権で、ルノーはRS10とともに歴史に名を残した。ターボチャージャー搭載のF1マシンとして史上初の優勝を果たしたのだ。
この時点まで、ターボチャージャーは信頼性の問題からモータースポーツ界で真剣に受け止められていなかった。しかし、RS10の初勝利は、その後数十年にわたるトレンドを決定づけた。1979年フランスGPで、530psのRS10はジャン=ピエール・ジャブイーユの手によりポールポジションから優勝を果たした。チームメイトのルネ・アルヌーが3位でフィニッシュし、表彰台を独占した。

8:ルノーRS10(1979年)
9:ルノー5ターボ(1980年)
モータースポーツで成功したターボチャージャーが、ルノーの市販車に展開されるのは時間の問題だった。ルノー初のターボ搭載市販車はセダンの18ターボ(最高出力110ps)だが、その後登場したモデルが今や自動車業界のレジェンドとなっている。
1980年、ルノーのベストセラーハッチバックであるR5に、160psのターボチャージャー付き4気筒エンジンが導入されたのだ。さらに、とんでもなくワイドなリアフェンダーと、スーパーヒーローのような赤と青のインテリアも追加された。R5ターボは瞬く間にヒットし、最大350psを誇るラリー仕様もさることながら、公道向けのホモロゲーションモデルとしても名を馳せた。現在では、後期のR5ターボ2と共に、非常に高い人気を誇っている。

9:ルノー5ターボ(1980年)
10:ルノー5 GTターボ(1985年)
今日、新築住宅並みの金額を払わずに手に入るルノー5の高性能バージョンが、5ターボGTだ。パワフルな兄貴分よりもはるかに多く生産されているが、ホットハッチとして評価されるに値する。
ターボGTは初代R5ターボよりはるかに正統派のホットハッチと言える。ギャレット製ターボチャージャー付きエンジンはミドシップではなくフロントに配置され、ゴルフGTIのライバルとなった。16万台以上が生産されたが、現存する個体は残念ながら多くない。

10:ルノー5 GTターボ(1985年)
11:ウィリアムズ・ルノー FW15(1993年)
ルノーのF1史におけるハイライトの1つが、1993年のシーズンだ。フランスのF1ドライバー、アラン・プロストは革新的なエイドリアン・ニューウェイ設計のウィリアムズ・ルノーFW15を駆り、同年16戦中7勝を挙げ、自身4度目にして最後のタイトルを獲得した。チームも1993年のコンストラクターズ・チャンピオンを制し、記憶に残るシーズンを締めくくった。
ルノーはチーム内でエンジンサプライヤーとしての役割を担っていたが、そのエンジンはかなり特殊なものだった。具体的には、プロストが操る『RS5』3.5L V10エンジンは、わずか500kg強の車体を動かすだけにもかかわらず、1万5000回転まで回って750psを発生するのだ。

11:ウィリアムズ・ルノー FW15(1993年)
12:ルノー・クリオ・ウィリアムズ(1993年)
ルノーとウィリアムズの提携関係は、F1のみにとどまらない。1993年、ルノーは最新ハッチバックであるクリオの派生モデルを開発し、FIAグループAおよびグループNラリー規定のホモロゲーション取得を目指した。そしてウィリアムズF1チームの協力を得て、クリオ・ウィリアムズを生み出したのである。
1993年当時、クリオにはすでに16Vという高性能バージョンが存在したが、ウィリアムズはさらに過激だった。トルクフルな新型2.0Lエンジンを搭載し、150psを発生。ワイドトレッドに合わせた新設計のフロント&リアフェンダー、新型サスペンションとブレーキ、ゴールドのスピードライン15インチホイールを装備。スポーツブルーまたはモナコブルーの塗装が施された。クリオ・ウィリアムズは大成功を収め、現在でも絶大な人気を誇っている。

12:ルノー・クリオ・ウィリアムズ(1993年)
(翻訳者注:この記事は「後編」へ続きます。)
