紀子さま

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【全2回(前編/後編)の後編】

 各種世論調査で“皇室に親しみを感じる”との回答は7割前後。そんなロイヤルファミリーへの信頼感を利用して、悪だくみを練る者は後を絶たない。億単位の被害を訴えられた詐欺師も、秋篠宮妃紀子さま(59)の実弟で「未来の天皇の叔父」との関係を利用していた。

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【写真を見る】怪しいNPO法人の広告塔を務めたことも… 「紀子さまの実弟」川嶋舟氏

 前編では、都内で環境事業を営む会社の社長を務めていた、自らを「詐欺事件の被害者」だと訴える80代の男性の証言を紹介。男性は知人である会社社長・A氏から「儲け話」を持ちかけられ、1億円以上の大金を貸したものの、今に至るまで返済はなされていない。

紀子さま

 男性はA氏から秋篠宮妃紀子さまの実弟である川嶋舟(しゅう)氏(52)を紹介されたことで、A氏を信用し「二本松プロジェクト」という計画のために金を貸すようになった。ところが、被害者男性と川嶋氏が会食した約1カ月後、東日本大震災が発生。A氏から二本松プロジェクトは頓挫したと伝えられてしまったというのだ。

 男性が当時を振り返る。

「われわれは億単位の大金を貸しているわけだから、Aを詰問しましたよ。その度に彼はクロマグロの養殖事業で返済できるとか、さまざまな儲け話を繰り出し、のらりくらりとかわし続けた。希代の詐欺師が書いた筋書きにだまされていたのですが、やはり川嶋さんの存在は大きかった。最後まで信じる気持ちを捨て切れず、警察への相談が遅れたのです」

 詐欺事件の公訴時効は7年とされている。被害者男性が警察に相談したのは、時効の半年ほど前である16年の末ごろだった。

「対応した警視庁捜査2課の担当者は“詐欺の要件は満たしているが、もう時効寸前だから民事裁判を起こした方がいい。資料を確認するには時間がなさ過ぎる”と言うのです。さらには、“皇室関係の方のお名前は出さない方がいい”と助言されて“皇室はタブーだ”というニュアンスを感じた。警察に名前は出すなと言われたので、その後にAを相手取って起こした民事裁判では、川嶋さんについては一切触れませんでした」

「返済が滞りブラックリストに載ってしまった」

 結局、被害者男性は17年4月、妻と知人の三人で、貸金返還等請求事件としてA氏を相手取り、東京地裁に民事訴訟を提起。A氏本人は出廷せず結審して、同年10月の判決で裁判所はA氏に対し、被害者男性ら原告側に1億2000万円余りを支払うよう命じている。

「裁判で勝ったのに肝心のAが支払いに応じない。それで強制執行をして彼の銀行口座を七つか八つ押さえたのですが、それぞれ残高が700円とか2000円くらいしかなかった。去年、財産開示命令を出してもらい調べましたが、Aが住む都心の高級マンションや乗り回していた高級車は、娘名義になっていました」

 A氏が返済に応じなかったことで、被害者男性は老後の生活資金が吹き飛んでしまったのみならず、

「クレジットカードを3枚持ち与信枠も1500万円あったのに、すべて失いました。Aに貸す金が足りず、カードで新幹線のチケットや家電を購入しては業者に転売して現金化していたのです。最後は返済が滞りブラックリストに名前が載ってしまった。今でもカード会社に700万円ほど負債があってカードを作れない状況。私を信用してAに金を貸した知人は、旦那さんが稼いだ5000万円もの大金が戻らず、本当に申し訳ない気持ちです。他にも被害者がいるようなので、今後は法的手続きを検討しています」

「もう忘れちゃったな」

 こうした訴えを当事者たちはどう聞くか。

 まずは被害者男性から“希代の詐欺師”と名指しされたA氏に架電すると、

「こっちは商売を始めてうまくいかなかっただけで。世の中に貸し借りなんてたくさんあるじゃないですか。私も他に借金があって資産もなく払えないし。体も壊して病気だからね。いつ死ぬか分からないじゃない」

 川嶋氏との関係を問うと、

「もう忘れちゃったな。川嶋さんが世話になっている馬関係の人からの紹介だったと思う。川嶋さんが牧場をやりたいと言っていて、二本松で30万坪を買収しようと段取りをつけたけど、実現できずそのままになった。ウチの社員が間に入っていたから、事情を確認して明日にでも電話しますよ」

 翌日、折り返しの連絡がないため再び架電すると、

「ウチの副社長など関係者に連絡が取れず、明日また電話をもらうことになった。私は少し認知症みたいなので間違ったことを言ってもしょうがない」

 そう釈明したが、最後まで謝罪の意を示すことはなかった。

川嶋氏に聞くと……

 当の川嶋氏の言い分を聞こうと自宅を訪ねると、インターホン越しにご本人が応じた。開口一番、本誌(「週刊新潮」)記者が「二本松プロジェクト」「A氏」の名前を出しただすと、沈黙の後に「えっと……」という言葉を残してインターホンが切れた。

 再度、呼び鈴を鳴らすと再び川嶋氏が応じたが、

「申し訳ございません。切れてしまいまして。基本的に取材というのは受けていません。内容次第だとは思いますけれども。どういうところで、何の目的で、というところを文章なりで送っていただいて、それで判断させていただきます」

 改めて書面で質問事項を送ったが、期日までに誠意ある回答はなかった。

 付言すれば、本誌は2年前にも、投資トラブルを起こした法人の役員を川嶋氏が務めていた件を報じた。過去には怪しいNPO法人の広告塔を務めるなど、何度もスキャンダルが取り沙汰されてきた。いずれの件にも、氏が皇族と縁の深い人物ゆえに話を信じた被害者が存在するのだ。

『天皇家の帝王学』の著者で皇室制度に詳しい静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次氏に聞くと、

「川嶋さんご本人が儲け話などにかかわれば、皇族とのつながりが利用されてしまう恐れもある。もっと慎重であるべきです。将来の天皇である悠仁さまの叔父という自覚を持たれないと、秋篠宮家への不審が世間に生じてしまう。脇が甘いとの誹(そし)りは免れないでしょう」

 悠仁さまの「加冠(かかん)の儀」に出席した川嶋氏は、「李下に冠を正さず」ということわざを、今一度、かみしめるべきではなかろうか。

 前編では、男性がA氏から持ちかけられた「儲け話」の内容や、川嶋氏のプロジェクトへの関与などについて報じている。

 上述したように、2年前にも、投資トラブルを起こした法人の役員を務めていたことが発覚している川嶋氏。さらには怪しいNPO法人の広告塔を務めるなど、何度もスキャンダルが取り沙汰されてきた。川嶋氏に絡む問題については、【関連記事】で報じている。

「週刊新潮」2026年2月12日号 掲載