234日ぶり。鹿島の安西幸輝が実戦復帰。攻撃で好感触も...「本当に怖さとの勝負かなと思ってます」
彼らは宮崎キャンプの真っ最中で、1月20日にはファジアーノ岡山との45分×3本の練習試合を消化。1本目はレオ・セアラが決定機を迎えるなど、鬼木達監督が目ざす方向性が見えたものの、2・3本目は攻撃が停滞。3本目の終盤に徳田誉が決勝ゴールを挙げ、辛くも1−0で勝ち切ったが、2月7日の開幕・FC東京戦に向け、改善点は少なくないようだ。
プレー時間は10分強ということで、あくまで“慣らし運転”ではあったが、サッカーができる状態になったのは確か。「本当に苦しい思いをしてきたし、(関川)郁万と俺とモロ(師岡柊生)でリハビリしてきたんで、こうやってピッチに立てるのはすごく嬉しいですね」と本人は安堵感をにじませた。
2021年夏に当時ポルトガル1部のポルティモネンセから鹿島に復帰してから、安西は絶対的左SBとして試合に出ずっぱりだった。まさに代えの効かない存在だった。そんな選手が8か月も長期離脱を強いられれば、落胆や戸惑いがあって当然だろう。
その間、本人は少しサッカーから離れ、小池龍太とともに「株式会社SB」を起業。社会情勢に目を向けるなど人間としての器を広げつつ、地道なリハビリを経て、ようやくピッチに戻ってきたという。
「そんな時、鹿島が優勝したのは素直に嬉しかった。(鈴木)優磨や(三竿)健斗、(柴崎)岳君、植田(直通)君、(社長の)小泉(文明)さんを含め、全員が苦しい思いをしていたのが分かっていたので、自分がピッチに立てなかったのは残念でしたけど、掴んだものが大きかった。みんなで掲げた目標を達成できたのは本当に良かったです」と、安西は心から喜びを感じたようだ。
次は自分が活躍してシャーレを掲げる番。しかしながら、鹿島の左SBは怪我をする前とは違った競争状態になっている。昨年6月に日本代表歴のある小川諒也が加入。小池や津久井佳祐も左SBをこなせるようになっていて、安西のスタメンが約束されているわけではないのだ。
「諒也は最初、入ってきた時はコンディション的に難しかったと思うけど、最後の方は良い左足の技術を発揮していた。俺はここから諒也と争うことが多くなると思うけど、誰が入ってこようと競争に勝っていくのが鹿島にいる選手。
自分が(2018年に)初めて鹿島に来た時には、(山本)脩斗君がいたし、(内田)篤人君や(西)大伍君もいましたからね。今の自分もちょっとずつアピールできればいいと思ってます」と彼は原点に立ち返り、チャレンジャー精神を強く押し出していく構えだ。
そのためにも、まずはコンディションを着実に引き上げていくことが先決。今回は10分強だったプレー時間を30分、60分、90分と伸ばしていかなければ、スタメン復帰への道は開けてこない。それは安西本人が誰よりもよく分かっているはずだ。
「今日、プレーしてみて、攻撃の感触は思ったより良かったけど、やっぱり課題は守備のところですね。強度だったり寄せる部分、ガチャンと行くところが全然できていないので。怪我を自分からやっちゃったのもあって、やっぱり対人が一番怖い。頭の中の恐怖心を取らないと試合に出られるようにはならない。本当に怖さとの勝負かなと思ってます」
安西が神妙な面持ちでこう語った通り、長いブランクのある選手はフィジカル面やメンタル面など乗り越えなければならないハードルがいくつもある。現状だと開幕に間に合わない公算が大だが、徐々に実戦経験を積み重ねて感覚を取り戻していくしかない。
百年構想リーグが2〜6月までの短期決戦ということを踏まえると、3月には100%に近い状態に引き上げたいところだ。
いずれにしても、百戦錬磨の左SBの復帰が見えてきたのは本当に力強いポイント。常勝軍団復活のキーマンと言える安西の今後を冷静に注視していきたいものである。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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