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「私を不採用にした会社がもう一度面接受けませんかとコールしてきおった」

採用選考で一度不採用となった企業から、再び面接の勧誘を受けたという投稿がXで注目を集めている。

投稿者によると「前回どういう理由で私を落としたのか理由がわからなければ、またお互いに時間を作って面接しても無駄じゃないですか?」と問いただしたところ、会社側は「私共そういった不採用だった理由はわかりかねます。今回は以前申し込んだ方々にお声をかけているだけの状況ですので」と説明されたという。

これに対して、投稿者は「人間相手にしている会話と思えんな」「まじで厚かましいんじゃボケェエエエ!」と怒りをあらわにした。その後も、「なーんもなかったようによくもまぁ履歴書の再利用なんてできるよな」などと不満を書き連ねている。

●「不採用の履歴書って捨てるんじゃないの?」の声も

この投稿に対して、共感や同情、驚きの声が相次いだ。

「私も同じ経験あります」 「おそらく欠員が予想以上に出てるから、また求人かけるより安上がりだから過去面接受けて落とした人に電話してるんでしょうね」 「私ならもう一度受けるよ」 「不採用の履歴書って捨てるもんじゃないの?」

たしかに採用選考が終われば、会社に提出した履歴書や個人情報は返却されるか、破棄されるものだと考えている人は少なくないだろう。

では、今回のように、企業や役所が一度不採用とした応募者の連絡先や履歴書情報を保管し続け、採用活動に再利用することは法的に問題ないのだろうか。労働問題にくわしい太田伸二弁護士に聞いた。

●採用活動以外の利用は不可

──就職活動で提出した履歴書や個人情報について、企業や役所が守るべきルールはありますか。

就職活動のために提出された履歴書など、求職者の個人情報については、個人情報保護法や職業安定法に基づいて利用や保管が制限されています。

職業安定法では、求職者の個人情報は、業務の目的を達成するために必要な範囲内で収集・保管・使用しなければならないとされています。

企業が履歴書の提出を求めるのは採用活動のためですから、その目的を超えて利用することはできません。

●原則は廃棄、ただし例外も

──一度不採用とした応募者の履歴書を保管し、再度の採用勧誘に使うことは問題になりますか。

不採用とした場合、履歴書を保管する必要性は原則として失われていますので、廃棄すべきと考えられます。

ただし、不採用の通知後に内定者が辞退し、改めて就職の意思があるか打診するようなケースでは、不採用通知からあまり時間が経っていなければ、一連の採用活動として許される場合もあります。

また、本人の同意がある場合には個人情報を一定期間保管することも可能です。募集段階で「不採用とした場合でも、一定期間は再募集するために保管する」と明示していた場合には、その期間内での保管が認められることもあると考えます。

●応募者が削除を求めることもできる

──実際にこうしたケースに遭遇した場合、応募者はどう対処すればよいでしょうか。

履歴書や個人情報の保管を望まない場合、求職者は個人情報保護法に基づいて、企業に対してデータの削除を求めることも考えられます。

【取材協力弁護士
太田 伸二(おおた・しんじ)弁護士
2009年弁護士登録(仙台弁護士会所属)。ブラック企業対策仙台弁護団事務局長、ブラック企業被害対策弁護団副事務局長、日本労働弁護団全国常任幹事。Twitter:@shin2_ota
事務所名:新里・鈴木法律事務所