写真は美品、届いたのは傷モノ…初売りの「福袋」にガッカリ、返金してもらえる?
新年を迎え、楽しみの一つが「福袋」。お気に入りの店やブランドで発売される福袋の販売開始を心待ちにしている方も多いかもしれません。
ただ、中には事前の紹介とは大きく異なる中身だったり、期待していた商品が入っていなかったりするケースもあります。
弁護士ドットコムにも「アウトレット品が入っていた」「写真と全然違う商品が届いた」など、福袋をめぐる相談が届いています。
ある相談者は初売りで、あるブランドの福袋を広告で見かけて購入しました。その広告には「アウトレット品」と明記された福袋と、そうではない福袋が並んで掲載されていたといいます。
そのため相談者は、「こちらは正規の商品が入っているはずだ」と信じて、アウトレット品の記載がないほうを購入。ところが、実際に開封してみると、中身がアウトレット品だったそうです。
なお、広告には「返品・交換はできません」という注意書きがあったといいます。
●「トレカ福袋」でもトラブル相談
別の相談者はインターネットで「トレーディングカード福袋」を買いました。購入の決め手となったのは、事前に掲載されていたカードの写真で、そこには傷ひとつない美品が写っていたといいます。
ところが、実際に届いたカードには大きな傷があり、価値が低いものだったそうです。相談者は販売側に返品を求めましたが、応じてもらえませんでした。
このように「福袋にアウトレット品や売れ残りが入っていた」「写真と現物が違う」といった場合、返金を求めたり、何らかの犯罪として追及したりすることはできるのでしょうか。前島申長弁護士に聞きました。
●消費者の誤解では返品や取消しは困難
──購入した福袋に、売れ残りの商品やアウトレット品が入っていた場合、返金や返品を求められますか。
ケースによって異なると思われます。
まず、最初のケースは、広告に「アウトレット品」と記載された福袋と、そうでない福袋が並んでいたため、相談者は「こちらは正規の商品が入っているはずだ」と信じてアウトレット品の記載がない方を購入したところ、アウトレット品が入っていたというものです。
そもそも、アウトレット品とは、正規品であるものの「シーズンオフの売れ残り」「展示品」「製造過程で傷や汚れのついたいわゆるB級品」「アウトレット専用に作られた商品」などを指します。
そのため、福袋に入っていた商品が、正規品ではなく、偽物であった場合、たとえば、エルメスのスカーフと表示しながらエルメスでなかったような場合は、消費者契約法や民法に基づき、契約の取消しが認められる可能性があります。
ただし、今回のケースのように「アウトレット品」との記載がないことから、アウトレット品でない正規品が入っていると思ったにとどまる場合は、相談者の誤解による部分が大きく、それだけを理由に契約の取消しを求めるのは難しいと思われます。
●写真と商品が違う場合は取消しの余地も
──事前に紹介されていた写真や説明と、実際の福袋の中身が違う場合、返金や返品を求めることはできますか。
トレカ福袋において、写真では「傷ひとつない美品」が写っていたところ、実際に届いたカードに大きな傷があり、価値が低い場合は、引き渡された商品の品質が、契約内容と異なるといえます。この場合、売主には、契約不適合責任が生じます。
また、そのような広告を信用して購入したのであれば、消費者契約法に基づく「不実告知」として、契約の取消しが認められる可能性もあります。
●被害者が多数に及ぶ場合は刑事責任の可能性も
──こうしたケースで、販売側が詐欺罪などに問われることはないのでしょうか。
いずれの場合も、販売者が当初から消費者をだます意思で、あえて偽物や著しく価値の低い商品を販売していたのであれば、理論上は、刑事上の詐欺罪が問題となる可能性はあります。
とくに相当数の被害者が出ているようなケースでは、詐欺罪として立件が検討されることも考えられるでしょう。
【取材協力弁護士】
前島 申長(まえしま・のぶなが)弁護士
前島綜合法律事務所代表弁護士 大阪弁護士会所属
交通事故・不動産紛争などの一般民事事件、遺産分割・離婚問題などの家事事件を多く扱う。中小企業の事業継承や家族信託などに注力を行っている。
事務所名:前島綜合法律事務所
事務所URL:https://maeshima.lawer.jp/

