日産「高級ラージSUV」何がスゴい? “GT-R系”のV6ターボエンジン搭載! 日本導入に期待がかかる「パトロール」が強敵「ランクル」に勝る4つのポイントとは!
「パトロール」vs「ランクル300」
「パトロール」は日産が海外で販売しているラージサイズのSUVで、かつて「サファリ」として日本で販売していたモデルです。
2024年秋に実施された14年ぶりとなるフルモデルチェンジで、シャシ(ラダーフレーム)もエンジンも刷新し、全く新しいモデルへと生まれ変わりました。

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パトロールのライバルとして気になるのはトヨタ「ランドクルーザー(ランクル)」です。ランクルには「70」「250」「300」と3つのシリーズがありますが、ライバルに相当するのは300シリーズでしょう。
筆者は昨年(2024年)、サウジアラビアでパトロールを数百キロドライブしてきましたが今回は日本国内でふたたびパトロールに試乗する機会がありました。
ライバルであるランクル300に対し、パトロールが勝っている4つのポイントをお伝えしましょう。
まずは、「ランクル300よりも室内にゆとりがある」点。
パトロールの車内は広々。2列目はもちろん、2列目を後方へスライドした状態での3列目にも足元には十分な余裕があって室内空間のゆとりを感じます。この広さは、ランクル300以上でしょう。
実はパトロールの全長は5350mmあって、5m弱のランクル300にくらべるとボディはひとまわり大きなサイズ。トヨタでいえばランクル300の兄貴分となる北米専用車「セコイア」がライバル。
そのため、ランクル300よりも室内にゆとりがあるのは当然といえば当然ですが、室内の広さを求めるのであれば、パトロールにアドバンテージがあるというわけです。
ちなみに3列目の乗車定員はランクル300が2名なのに対し、パトロールは3名(左右方向のサイズ的に大人が3人座るのは厳しいが…)。最大定員はランクル300が7名で、パトロールは8名です。
次に「ランクル300よりもラグジュアリーなインテリア」です。
筆者(工藤貴宏)が触れたパトロールのグレードは「LEプラチナムCITY」や「LEチタニウム」といった上位グレードで、そのインテリアの贅沢さは驚くばかり。
レザーシートに施されたキルティング処理は欧州のプレミアムブランドにも通じるラグジュアリーな雰囲気だし、ダッシュボードやドアトリムの広範囲をレザーで覆った上質さも贅沢さを実感できるもの。
そのクオリティは、お世辞抜きにプレミアムブランドレベルと言っていいでしょう。
雰囲気作りとして近いのはランクル300の最上級グレードを超えて、ランクル300のレクサス版である「LX」水準で、14.3インチのディスプレイを2つ並べたダッシュボードの先進感もランクル300より上。
落ち着きや安定感ではランクル300が優勢と言えるかもしれませんが、それは好み次第で。
GT-Rの流れを汲むV6ターボエンジン搭載!
3つ目が「ランクル300よりもパワフルなエンジン」。
パトロールに搭載するエンジンは2タイプあり、どちらもV型6気筒で、排気量3.8リッターの自然吸気と排気量3.5リッターのターボです。
注目は新設計となる後者の3リッターV型6気筒ターボで、「VR35DDTT」という型式は、その名の通り「GT-R」や「スカイライン 400R」そして「フェアレディZ」用のV型6気筒ターボエンジンの流れを汲むスポーツユニットです。
ひとことでいえばスカイライン400RやフェアレディZ用3リッターエンジン(VR30DDTT)の排気量アップ版。ボアは共通で、ストロークを増やして排気量アップしたエンジンといっていいでしょう。
そう聞けば、エンジンのフィーリングも味わい深いことは想像に難くないはず。はっきりいって気持ちのいいエンジンです。
最高出力は431ps(425hp)、そして最大トルクは700Nm。ランクル300に搭載される3.5リッターV型6気筒ガソリンターボエンジンが最高出力415ps、最大トルク650Nmですから、エンジンパワーとトルクは「ランクル300超え」なのです。

最後が「ランクル300よりも高いオンロード性能」です。
筆者は昨年のサウジアラビアで感じたのはオンロード性能の高さです。
舗装路でも重心の高さを感じないリニアなハンドリングを持ち、安定感あふれる走りをするという意味で、「今どきのSUV」なのです。とてもラダーフレームのモデルとは思えないほどでした。
サウジアラビアの試乗では日本の制限速度をはるかに超える領域での走りを試すこともできましたが、そんな状況でも何の不安もなく巡航できることに感動。
舗装路における高速コーナリングがフラフラだったかつての“ヨンク”とは違い、パトロール(現地で試乗車したのはエアサスペンション装着車)の安定感は抜群なのです。
今回の試乗でも、オンロードでの走りは、サスペンション設計などで悪路を最優先しているランクル300とはベクトルの異なる印象でした。
というとパトロールはオフロードを軽視していると思うかもしれませんが、決してそんなことはありませんのでご安心を。
サウジアラビアでは、パトロールで極悪路や砂漠も走りましたが、その走破性能もハイレベル。舗装路の安定性を高めた分だけオフロード走破性がおろそかになっているかといえば、決してそんなことはなく、オンロード性能とオフロード性能の両立のレベルが極めて高いクルマなのです。
このように、パトロールはランクル300よりも勝っているポイントがけっこうあります。
もちろんクルマは「勝っているからいい商品」というわけではありません。
しかし、少なくとも日本の日産ファンやクルマ好きをもワクワクさせるパワーを秘めているクルマであることは間違いないでしょう。
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そんなパトロールですが、現時点では日本導入の予定がありません。しかし、生産は日本の工場(九州工場)であり、右ハンドル仕様(オーストラリア向け)だって存在します。
ということは、日本市場への投入にあたってのハード面でのハードルはそれほど高くないと言えます。
日産から聞こえてくる声も、かつては「まだ(日本へ導入するかを)検討する段階にもない」だったのが、最近は「検討し始めている」へと変化してきました。あとは、ファンの声が背中を押すことになるのではないでしょうか。
もちろん、パトロールが日本で販売されても多く売れる車種というわけではありません(中東では想定以上の人気となり増産が決まっている)。
しかし、1台売ればしっかりと利益が出るような価格設定にするとともに、日産ファンを育てるフラッグシップとなれば、パトロールを日本市場へ投入する意義はしっかりあるのではないでしょうか。今回の試乗を通して、筆者はそう考えています。

