三浦大輔監督の「娘だと隠してた」 競馬記者になって顔出し決意…三浦凪沙さんが語った“目標”
著書「知れば知るほど楽しくなる!ウマに恋する競馬ガイド」を初出版
プロ野球の横浜DeNAベイスターズ・三浦大輔監督の娘で、東京サンケイスポーツの競馬記者・三浦凪沙さんがこのほど、初めての著書「知れば知るほど楽しくなる!ウマに恋する競馬ガイド」(小学館)を出版した。今回の書籍に込めた思いとともに、父親との関係や競馬記者を目指した理由について語った。(取材・文=猪俣創平)
普段取材を行う側から、取材を受ける側に――。立場が違う“現場”に緊張した面持ちで登場したものの、競馬の話になると自然と言葉に熱がこもり、冗舌になっていった。
近年、“ウマジョ”という競馬好きの女子を表す言葉も誕生し、男女問わず若者にも人気が急上昇している競馬。同書では、レースの基本や馬券の買い方、馬たちのかわいい一面など若手女性記者である三浦さんならではの目線で紹介している。さらに、騎手や調教師をはじめ関係者のインタビューも多数掲載しており、「初心者の方もすでに競馬ファンの方にも、手にとって面白い内容の本にしたいと思って作りました」とすでに重版も決まった1冊をアピールした。
今では競馬中継番組の解説者としてテレビ出演するなど、27歳の若手ながら精力的に活動する。競馬好きになるきっかけは14歳の秋、馬主でもある父の所有する愛馬・リーゼントブルースのデビュー戦を東京競馬場で観戦したことだった。
緑の芝生が広がる広大なコースを疾走する競走馬、10万人以上が入る巨大なスタンド。間近で見た光景に心を打たれ、「テレビでは分からない競馬の魅力を知ったんですよね。スタンドの歓声や、コースの近くに行けば騎手同士の声やムチの音も聞こえて、そういうレースの迫力がすごく面白いスポーツだなと感動しました」と当時の心境を振り返った。
リーゼントブルースにも実際に会うと「馬ってこんなにかわいいんだと思ったんですよね。目がもうキュルンキュルンでキレイで、どんどん競馬を知りたくなっていきました」と中学生ですっかり競馬にハマった。
学生時代には専門誌や専門サイトを見て知識も蓄えると、父の所有する愛馬たちの応援のため、全国各地のJRA(日本中央競馬会)の競馬場全10場に足を運ぶなど行動力を発揮。高校3年生の受験シーズンにも函館や札幌まで行き、「北海道も普通に日帰りで行きます。先日も小倉競馬場(福岡県北九州市)に行きましたが、3時間半しかいませんでした。競馬のおかげで行動範囲が広がりましたね」と自らのフットワークの軽さに笑みがこぼれた。
父の三浦監督が馬主だからこそ出合えた競馬。「父親が馬を持ってくれなかったら、いま私は何をしていたんだろうと思います」と運命に感謝した。父とは競馬専門チャンネル・グリーンチャンネルの番組「競馬場の達人」で昨年に続き今年(2月16日前編、3月2日後編)も共演を果たし、親子で馬券勝負に興じる姿を見せた。「ウチは競馬が軸ですから」と、家での親子のやり取りも明かした。
「私が追い切りのある週中に美浦(茨城県のトレーニングセンター)まで取材に行くんですね。終わって家に帰ったら、父親から『今週いい馬いた?』と取材の感触が良かった馬を聞かれます。もちろんレースの話や、予想が当たったとかそういう話もしますし、『本命は何にするの?』と聞くこともあります。父親が結構、穴党なので『それいくの?』と驚くこともよくあります(笑)」
野球の話題よりも「競馬だとフラットに会話できるんです」と良好な親子関係の“秘訣”を語る。競馬記者となることに両親から反対がなかったことも明かし、「もともと馬関係の仕事をしたいと伝えていましたから、特に驚くことも反対することもなかったです。それに、やりたいと言ったことを両親から反対されたことは1回もないんですよ。すごく尊重して育ててもらいました」と感謝の言葉を口にした。
元競走馬支援に並々ならぬ思い「競馬の魅力を伝えることで…」
目元や鼻が父似の三浦さん。もっとも「三浦大輔の娘」という世間からの見方については「昔は娘だということを隠していました。父がブログに私との写真を載せる時も、目線を隠してポーズをしていましたし、それでああだこうだと言われるのは嫌でしたね」と振り返る。しかし、現在では「競馬記者は顔出しが当たり前。そういうものだと割り切っているので、何とも思わないです」と明かした。
では、なぜ競馬記者を目指したのだろうか。その理由について聞くと、「あまり口にしてはこなかったんですよ」と“密かな目標”とともに打ち明けた。
「競走馬を引退してからの行き場がない馬はたくさんいて……。その受け皿が少しでも広がればいいなと思っています。馬の魅力、競馬の魅力を伝えることで興味を持つ人が増えれば、その分支援の手が広がるじゃないかと。例えば乗馬する人が増えて乗馬クラブがどんどん発展していけば、馬の需要が高まって行き場が増えるのではないかと思っています。だから、競馬の魅力を伝える側の1人として、少しでも力になれればと」
記者をまっすぐに見て語り、真剣な思いが伝わってくる。引退した競走馬は、乗用馬やセラピー馬としてセカンドキャリアを歩んでいく馬もいる一方で、行き場のない馬たちも存在する。そうした元競走馬を支援する取り組みに一役買いたいと本気で思っているのだ。
「私の言っていることはきれいごとかもしれませんし、すごくデリケートな話題です。記者としてスタートしてすぐの人間が口にしていいことだとも思っていなかったので、あまり言ってきませんでした。でも競走馬を引退したからと言って、馬はそれで終わりではないですから」
高い目標のためにも日々奮闘し、メディア出演も重ねている。レース予想は大事な仕事とした上で、競馬記者として「人と同じようにそれぞれの馬にも個性があります。未勝利馬であっても、デビューまでの苦労や関わる人たちの思いがそれぞれにある。そういった裏側も伝えていければと思っています」と意気込みを語った。
さらに「自分は追いかけたい“推し活”気質。馬に対してもそういうところがあります」と取材で好感触だった馬は人気薄でもフォローし推す。父親譲りの勝負師ぶりを発揮して、これからも競馬の魅力を発信し続けていく。
■三浦凪沙(みうら・なぎさ)1997年9月30日、神奈川県出身。2020年よりサンケイスポーツレース部記者として活動し、同年の有馬記念で紙面デビュー。「BSイレブン競馬中継」(土日正午〜第1部、同午後4時〜第2部)のコメンテーターとして出演中。父は横浜DeNAベイスターズの元投手で、現在監督を務める三浦大輔氏。
(THE ANSWER編集部)

