クルマで「トコジラミ」”繁殖”の可能性アリ? 脅威の「害虫」どう対処すべき? ”打ち倒す“方法とは

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トコジラミに吸血されるとどうなる?生息場所は?

 近年、全国各地でトコジラミが発見され、被害が増加しています。トコジラミとは「南京虫(なんきんむし)」とも呼ばれる害虫です。

トコジラミ」はクルマの中でも繁殖するのか(画像はイメージ)

 2023年の秋、フランス・パリでトコジラミが大きな被害を与え、話題となりました。その影響は日本の隣国である韓国にも及んでいます。

【画像】「えっ…!」 これが”虫に好かれる”特徴を持った「クルマ」です(18枚)

 かつて、韓国はトコジラミを一掃し、「トコジラミ洗浄国」と呼ばれることもありましたが、新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いた後、外国人観光客や国際配達などが原因となって、トコジラミの被害が再発してしまいました。

 こうしてみると、日本もトコジラミと無関係ではないことがわかります。日本はさまざまな国から多くの観光客を招く観光大国のひとつ。また、ネットショッピングが人気となり、多くの国際配達も頻繁におこなわれています。

 1970年代、日本では殺虫剤の普及とともにトコジラミの被害が少なくなりましたが、近年再びトコジラミの被害が増加しているようです。

 そんなトコジラミは、体長5〜8mmの小さな虫で、血液のみを栄養源としており、人間だけではなく、イヌやネコなどの動物も吸血します。吸血するあいだ、血液の凝固を防ぐために唾液を注入するのですが、この唾液がアレルギー反応を引き起こす原因となります。

 唾液が注入された結果、激しいかゆみや皮膚の赤みなどが発症。症状には個人差がありますが、場合によっては激しいかゆみの影響で熟睡できなかったり皮膚をかきむしって肌が荒れたりする人もいます。

 生息場所は、ベッドやカーペットだけではなく床の継ぎ目や畳のヘリ、カーテンなど、さまざま。ときには、衣服や鞄、書籍に生息していることもあるようです。

 トコジラミは物に付着して生息場所を移動することもあり、さらに産卵してどんどん繁殖します。

 たとえば、トコジラミが生息している部屋に住んでいる人が、衣服に付着させたまま電車に乗ったため、電車の座席のシートにトコジラミが移動し、そこで産卵するということも考えられます。

 とくに卵や生まれたばかりの幼虫は衣服や鞄などに付着しやすいため、いつどこでトコジラミと接することになるかわかりません。

クルマの中で繁殖するのが不安なら高温スチームで洗浄する

 トコジラミの被害に遭うのは、クルマの中という可能性ももちろんあります。居室にトコジラミがいる場合、衣服や鞄などに付着して、そのままクルマの中に移動させてしまうことも考えられるためです。

 それでは、トコジラミが車内で発生した場合はどのように対処したら良いのでしょうか。

アツアツの車内ならある程度は駆除できるか?(※画像はイメージ)

 もしクルマの中でのみトコジラミが発生している場合は、その車内で駆除処理をおこなうことで被害を抑えられますが、居室にもトコジラミがいる場合、トコジラミが潜んでいると考えられる場所すべてでの駆除処理が必要です。

 トコジラミはいったん繁殖すると駆除処理が困難で、多大な労力や費用がかかります。

 トコジラミの駆除について、害虫や害獣などの駆除を専門的におこなっている株式会社三共リメイクの担当者は以下のように話します。

 「トコジラミの駆除には、殺虫剤を使い、熱処理をおこないます。さらに、家具や畳などは移動して剥離させつつ、産卵場所となっている営巣がどこにあるか徹底的に特定します」

 トコジラミは、熱に弱いものの30℃前後の気温では全滅することはないようです。ただし、データによって差があるものの、基本的に-1.5℃では40日程度で死亡、50℃では30分ほどで死亡するほど、寒さと暑さには弱い害虫です。

 つまり、もし、夏にトコジラミの被害が気になるなら、暑い日に直射日光の当たる野外にクルマを駐車して、50℃以上の環境を30分以上つくるとよいかもしれません。

 また、クルマの中のシートやカーペットなどを高温のスチームで洗浄することも、トコジラミの駆除には有効のようです。

 ただし、前出の担当者は「トコジラミは熱に弱いですが、夏の気温でも勝手に全滅することはありません」と話します。

 加えて、春や秋の気温や断熱されたガレージに保管している場合では、クルマの中でもトコジラミが繁殖する可能性があるとも言えます。

 そのため、車内でトコジラミが出た場合は、念入りに掃除し、もし身体に被害があるようなら皮膚科での診察をなるべく早く受け、専門の駆除業者に依頼するのが理想的です。

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 このように、トコジラミクルマの中で繁殖する可能性はそう高くありませんが、居室にいたトコジラミが衣服に付着してクルマの中に移動することが考えられます。

 そのため、衣類は乾燥機で熱消毒することを習慣化させるとよいかもしれません。トコジラミは高温に弱く、50℃に30分程度または60℃に10分程度さらされると死亡するため、乾燥機も利用することも検討してみてください。