そんなこんなで当該車両、オークションでは予想落札価格が120〜160万ドルだったものが、なんと187万5000ドルで落札された。そもそも事故車両で炎上したままの状態のものにしては高額な予想落札価格だったのに、競りがいかに白熱したかが伺える。落札者がどうしても欲しかった理由は不明だが、まさかオリジナルのエンジンが見つかったのだろうか?それとも純粋に500モンディアル・スパイダーへの需要が高まっているのだろうか?

ちなみにB氏のレーシングカーはエンジンのみがオリジナルでシャシー番号は無理やり”再生”されたものにもかかわらず、なんと生産した自動車メーカー自身が「オリジナル」と認定してしまった。A氏は猛烈に反発し、在住地にて2度の勝訴判決を獲得するも、当該自動車メーカーの地ではB氏に車両に軍配が上がった…。裁判所による忖度を疑う声が出たものの、B氏の車両が「本物」ということになった。なおB氏の車両は別なオーナーの手に渡った後に借金のカタに取られ、オークション会社による恣意的な評価額の引き下げにより、A氏との争いとは全く別なドロ沼の訴訟沙汰に巻き込まれた…

シャシー番号やエンジン番号さえあればどんな状態からでも”復活”できる、高級クラシックカー。シャシー番号0406MD、エンジン番号0440MDが今後どうなるのか、見ものだ。

文:古賀貴司(自動車王国) Words: Takashi KOGA (carkingdom)