【世界初】ホンダ・レジェンド自動運転レベル3「ホンダ・センシング・エリート」体験
発売発表1か月半後の初試乗text:Kenji Momota(桃田健史)editor:Taro Ueno(上野太朗)
ホンダが2021年3月4日に発表した、世界初の自動運転レベル3機能「ホンダ・センシング・エリート」搭載の新型「レジェンド」に都内で試乗することができた。
【画像】新世界へ【レベル3搭載のホンダ・レジェンドを見る】 全36枚
日時は2021年4月20日の午後2時過ぎ。場所は、東京の臨海部であるお台場地区だ。

ホンダ・レジェンド(ホンダ・センシング・エリート搭載車)
自動車メーカー、自動車部品メーカー、ベンチャー、そして大学など、国による産学官連携プロジェクトの一環として、自動運転や高度な運転支援システムを搭載する最新モデルのメディア向け合同試乗会がおこなわれたのだ。
試乗前のブリーフィングは10分程度と短かった。
なぜならば、メディア向けには2月から3月にかけてオンラインでの記者会見や技術説明会がおこなわれており、筆者(桃田健史)を含むメディアの多くは、「ホンダ・センシング・エリート」に対する情報を十分に得ていたからだ。
見方を変えると、「ホンダ・センシング・エリート」に対して情報過多になっているメディアも多く、画像や動画を通じてのシステム概要や個別機能を頭の中では理解できいても、「実際乗ったらどうなのか? 」というイメージが持てない人が多くいる。
そのため、メディア向けに特設された今回の試乗会では、メディアから新型レジェンドに対する期待度がとても高かった。
首都高で「ホンダ・センシング・エリート」始動
起点となった駐車場で、エンジンスタートボタンを押すと、ハイブリッドの電動モーターが目を覚ます。
搭載ユニットは、通常モデルのレジェンドを同じく、フロントに3.5L V6+ワンモーターと後輪それぞれを駆動されるモーターが2モーター、あわせてモーターは3基ある。NSXではこの逆に、フロントが2モーター、リアが1モーターである。

ホンダ・レジェンド(ホンダ・センシング・エリート搭載車)のステアリング
センターコンソールのD(ドライブ)ボタンを押して走り出す。
フジテレビ本社などがあるお台場周辺の一般道でも、前後左右のトルク配分を行うSH-AWDによりズッシリかつ軽快な走りをみせる。
ここまでは、「普通のレジェンド」であるが、首都高速に入ると「ホンダ・センシング・エリート」が本領を発揮する。
まずは、通常の「ホンダ・センシング」と同じくACC(アクティブクルーズコントール)とLKAS(レーンキープアシストシステム)をセットすると、ダッシュボードなどの一部表示がグリーン色になる。
この状態でしばらく待っていると、ハンズオフ機能が作動し、ダッシュボードやステアリングのライトはブルーに変わった。
作動するためには、クルマが自動車専用道を走行していることなど、いくつかの条件を満たす必要があるが、今回の約1時間の試乗中は、ハンズオフ機能への移行は比較的早いタイミングでおこなわれた印象がある。
ハンズオフ 3つの運転支援機能
ハンズオフ走行では、3つの機能がある。
1つは、ACCとLKASによる、車線内運転支援機能。

試乗前の説明会の様子
この状態では、ドライバーは前方や周囲を監視する必要がある自動運転レベル2の状態なので、体感としてダッシュボードがグリーンの状態との差はあまり感じされない。いつでも運転復帰できるように、両手はハンドルに近くに置き、右足もアクセルペダルの上にあるままだ。
次に試したのは、ハンズオフ機能付車線変更支援機能だ。ドライバー自身が周囲を確認した状態で、ウインカーを軽く押し下げると、クルマが斜め後方の車両の位置をレーダーで確認するなどして安全を確認した状態で、自動的に車線変更が始まる。
この機能については、日系各車、欧州車、アメ車でも装備されているものだ。
車線変更には、もう1つ方法がある。
それが、ハンズオフ機能付高度車線変更支援機能だ。
ハンズオフの状態で、ステアリングにある高度車線変更支援システムのボタンを押す。先行車との速度差が15km/h以上となり、また周囲の状況をクルマは安全だと判断した場合、前述のようなウインカー操作なしで自動で車線変更した。
追い越した後に、もとの車線に戻るため、まさに自動追い越し機能だと感じた。
渋滞で自動運転レベル3の世界へ
ここまでは、まだ自動運転レベル2の状態だ。
こうしてさまざまな走行シーンで「ホンダ・センシング・エリート」を使っていたところ、目の前で渋滞が発生した。

ステアリングから手を放しレベル3を体験
車速が時速30km/h以下になった状態で、トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)が作動した。
これこそが、世界初の自動運転レベル3だ。
運転の主体が、ドライバーからクルマのシステムに移ったのだ。そのため、道路交通法上、ドライバーは前方や周囲の状況を常時監視する義務がなくなる。
そういわれても、どうしても前方を見てしまうが、それでもメーター類などをじっくり見る心の余裕が生まれた。
ホンダの説明では、トラフィックジャムパイロット作動中に、テレビやDVDの視聴、ナビ操作などは可能だが、読書、食事、パソコンやスマホの操作など「すぐに運転操作に戻れない行為」は推奨していない。
渋滞が徐々に解消され、車速が50km/hを超えると、ダッシュボードやハンドルの表示がオレンジになり、クルマのシステムがドライバーに運転再開を要求してきた。
渋滞を抜け、再びACCとLKASをオンにして、しばらくするとハンズオフ機能が作動した。
1時間ほどの「ホンダ・センシング・エリート」の体験だったが、一通りの機能は体験できた。
今度は週末にじっくりトラフィックジャムパイロットを使ってみたいと思う。
