飼っていた子犬と一緒に命を落とした男児(画像は『Metro 2019年12月2日付「Toddler died after going back into burning house to try and save his pet puppy」(Pictures: GoFundMe/Facebook)』のスクリーンショット)

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このほどアメリカで起きた住宅火災によって、幼い命が奪われた。まだ1歳だった男児は子犬を助けようと燃えさかる家の中に戻っていき、子犬とともに亡くなってしまった。一夜にして家財はもちろんのこと最愛の息子を亡くしてしまった両親が嘆き悲しんでいる。『Metro』『Fox News』などが伝えた。

米アーカンソー州ベントン郡ジェントリーで先月30日午後5時過ぎ、ディシェイ・ウィルソンさん(Deshay Wilson)とカーティス・シャープさん(Kurtis Sharp)夫婦の自宅が炎に見舞われた。2人は消防署に通報して子供達を連れて一旦避難し、火を消そうとしていた。

しかしその混沌とした状況で、2人は一緒に避難させたもうすぐ2歳になる息子のロキ君(Loki)が見当たらないことに気づいた。ロキ君は取り残された生後6か月の子犬を救うため、燃えさかる家の中へ戻っていったものと見られている。のちに消火にあたっていた消防士によって家の中で生き絶えたロキ君が発見された。また、ロキ君が救おうとした子犬も一緒に亡くなっていたとのことだ。

ロキ君には8人のきょうだいがおり、何人かは彼の死を目の当たりにしてショックを受け自分達を責めているという。そのため学校にも行っていないようだ。ロキ君のまだ1歳にならない妹は、夜に怖い夢をみて泣き叫び、眠れないでいるそうだ。

来月3日に2歳を迎えるはずだったロキ君は、ディシェイさんにとって初めての子供だったこともあり、彼の悲しみは深く、最後にロキ君とニワトリで遊んで枯葉をかき集めたりしたことが脳裏から離れないという。ディシェイさんは「枯葉で遊んだのが最後でした。それにロキはちょうど言葉を話し始めた頃でもありました」と話している。

そしてディシェイさんはFacebookに「私はここで立ち止まって考えてみたのです。そして皆さんの子供が当たり前のようにそばにいると思ってはいけないと伝えたいのです。目に映るあらゆる子供達の姿を大事にしてください」と投稿した。家族は現在、近くに住む親類の家に身を寄せているが、ロキ君のことを思わずにはいられないのであろう、焼けてしまったかつての我が家を見るのが辛いとも吐露している。

出火原因は今も調査中だが、消火にあたったジェントリー消防署では電気系統に問題が生じて出火した可能性が高いと見ている。亡くなったロキ君の葬儀は今月7日に執り行われる予定で、家財を失った家族のために、周囲が葬儀費用や今後の生活必需品のための募金を呼びかけている。

画像は『Metro 2019年12月2日付「Toddler died after going back into burning house to try and save his pet puppy」(Pictures: GoFundMe/Facebook)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)