「人種差別!」批判が殺到したダヴの広告(画像は『Metro 2017年10月8日付「Dove says sorry for ‘racist’ ad showing a black woman turn white」(Picture: Facebook/Dove)』のスクリーンショット)

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パーソナル・ケア製品を取り扱い、世界でその商品を製造・販売しているユニリーバ社保有のブランド「Dove(ダヴ)」が、このほどSNSで広告キャンペーンを展開したところ「差別的」と批判の嵐となった。これを受けてダヴは「配慮に欠けていた」と謝罪し、投稿を削除した。『The Independent』『CBS News』『BBC News』などが伝えている。

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10月6日にダヴは広告キャンペーンをFacebookで配信したが、ユーザーから「人種差別」と批判が殺到した。

その内容は黒人女性が茶色いTシャツを脱ぐと白人女性に変わり、白人女性が白いTシャツを脱ぐとアジア人女性に変わるというものだったが、これを見たアメリカ人メイクアップアーティストのナオミ・ブレイクさんが自身のアカウントでシェアしたことから拡散した。

ブレイクさんは、この広告を以下のように批判している。

「世界中で肌の色の違いによる人種差別が起こっているのは周知の事実です。美しさとは肌の色で決まるものでしょうか? 肌の色による差別が常々問題となってきたこの国で、このような配慮のない広告を掲載するのはいかがなものでしょう。」

ダヴは2011年にも肌の色が明るくなるというコンセプトで、黒人女性を「ビフォアー」、白人女性を「アフター」とした広告を掲載し世間からバッシングを浴びていた。CNNの政治評論家キース・ボイキンさんは今回2度目の騒動となったことを指摘し、自身のTwitterアカウントに「1度目なら思慮が足りなかったで済むだろうが、2度目となるともはや悪意を感じる」とツイートした。

ダヴ側はFacebookの投稿を削除、Twitterで「今回Facebookに掲載した広告では、肌の色のみを強調し、美の多様性に対する配慮が欠けていたことを深くお詫びいたします」という謝罪文を掲載している。

しかしながら「白い肌こそきれいなボディというコンセプト自体が間違っている。黒い肌は汚いということ? ダヴのマーケティングチームは基本的に差別主義者じゃないのか」「なにこの差別的広告。80年代じゃないんだから」「長年このメーカーを使ってきたけどもう使用しない」といったユーザーらの批判が相次いでいるものの、「どんな肌の色の女性にも適応するローションというコンセプトだったというだけで、オーバーに反応しすぎでは」「広告にはアジア人もいるわけでしょう? なぜアジア人の肌の色には触れず白人か黒人で批判になるわけ」「白人がアジア人になったのを見て白人が憤慨するのかしら。黒人は何でも大げさに受け止めすぎる」といった声も寄せられている。

なお昨年5月には、黒人男性が洗濯機に入り白人男性に変わるというCMが人種差別だと物議を醸し、中国の洗剤ブランド「Qiaobi」が謝罪に至った。

画像は『Metro 2017年10月8日付「Dove says sorry for ‘racist’ ad showing a black woman turn white」(Picture: Facebook/Dove)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)