日本ではもう売れない。切実な和紙問屋二代目が一発逆転する方法

人気コンサルの永江一石さんが、さまざまな質問に答えてくれる人気メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』。今回は、大阪の和紙問屋の二代目主人からのご相談です。和紙の需要が年々減ってきており、経営が厳しくなっているとお悩みの様子で、起死回生のアイデアとして、和紙を使った新しいビジネスとして「名刺を和紙で作る」事業などを考えているとか。果たしてこのビジネスは成功するのか、人気コンサルの永江さんが分析し、回答しています。
和紙問屋の生き残り戦略とは
Question

私は、大阪で和紙問屋をやっております。一般的にご想像されるような手漉きで一枚一枚作る和紙は少なく、多くは機械でそれなりの量を作る、印刷出来る和紙を扱っております。
創業から70年弱、ずっとBtoBの卸問屋を行ってきましたが、ここ10数年はかなり厳しい状況です。ライフスタイルの変化など、和紙を使う場面はめっきり減りました。
お客様の声を聞こうにも、間には印刷会社さん、紙問屋さんなど何社か入っていて、弊社では何に使われたのかもわからないものも多いです。
小売り製品などもいくつか作って販売しております。少しずつですが、売り上げも上がってきました。こちらは、お客様の反応が見えて、大変励みになっております。
ただ、全体から見ると売り上げは僅少です。今は父が社長をしており、昔ながらのやり方に固執している部分がありますが、私の代では思い切って変えるべきところは変えていきたいと思っております。
そこで、今までのノウハウを活かしながらも、新しい事業に挑戦したく思っております。弊社の強みは、全国の和紙メーカーから直接取引で和紙を仕入れ、オリジナル和紙の開発などもしていることです。産地ごとの違いなどの知識も有しています。
今考えているのが、ネット印刷事業です。プリントパックのようななんでもきれいに早く安く印刷しますよというものではなく、和紙専門の印刷通販です。主には、名刺を扱いたいと思っています。
ターゲットとしては、これから海外に進出する日本企業や留学生、あとは海外ですでに事業をしている日本の方です。日本の文化的なことを話せなくて後悔した、という話もよく聞きますので、名刺から話題にきっかけを提供できればと思います。
その人の思い入れに応じて、土佐和紙や美濃和紙など、地域のものを勧められればと考えています。そこに付随して、海外で喜ばれる和紙製品のお土産なんかも一緒に紹介できればと思っています。
前置きが大変長くなってしまいました。質問に入ります。
・上記のように、今までと違う市場を目指す場合、その魅力度や将来性はどのように見極めるべきでしょうか。弊社は8人の小さな会社で資金も人材もまったく潤沢ではないので、下調べなどをきちんとして事業を起こしたく思っております。
・永江様でしたら、和紙をどんな風に使えば面白いとお考えになられますか?
さんざん和紙っていいよねと周りの方には言っていただくのですが、なかなか売り上げが伸びず。業界内だけでは暗い話が多くなりますので、ご意見を頂戴できれば幸いです。
永江一石さんの回答
これは非常に簡単で、結論から言いますと日本じゃもう厳しいと思いますね。
周囲がイイネといいながら買ってくれないのがその証拠です。
今後の事業として名刺を考えているとのことですが、名刺自体もう使われなくなってきているのに、正直やっても無駄だと思います。そもそも日本人がそれほど和紙にこだわりがあるかというと疑問ですし、名刺に和紙を使うなんて習字の師範や着物の職人など一部の人だけですよ。
ではどうすればいいかというと、ずばりインバウンドです。
今や日本より海外の方が日本文化への関心は高いので、「和紙アート」としてInstagramなどで売り出すのはいかがでしょうか。例えば職人さんが一枚ずつ手漉きしている動画とか、中に紅葉が入っている繊細な和紙とか興味を持つ人はいると思います。
観光のお土産にカスタムオーダーを受け付けてもいいですし、オリンピックが始まる前にEstyに出品して「日本に実店舗があります」と書き添えておけば「じゃあ観光に行く時寄ってみよう」と動機づけになりますよね。
いま年間2,000万人の外国人観光客が日本に訪れる時代ですので、もっと目を外に向けた方が今後の展開にも繋がると思います。
もしハンドメイドで本気で勝負するなら紹介したEtsyがおすすめです。
こちらはハンドメイドマーケットの規模でいえば世界一ですし、翻訳機能もついているので日本語で出品可能です。今やあらゆる商品を日本だけでなく海外へ向けてPRする時代へと変化してきてるんです。
楽天だってアマゾンに大差をつけられています。グローバル化待ったなしの時代、従来のように日本国内のみをマーケットと考えていると自ずと先細りになっていくと思います。
image by: Flicr
『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』
著者:永江 一石
商品開発や集客プロモーションを手がける会社を設立し多くの企業のマーケテイングを行う。メルマガでは読者から寄せられたマーケティングのお悩みに対し具体的な解決策を提示。ネットショップや広報担当を中心に多くの購読者から支持されている。
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出典元:まぐまぐニュース!