子供が「偏食」になる家族の習慣3つのケース

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子供の食に関しては、偏食に悩むお母さんも多いだろう。「野菜が苦手」「お肉しか食べない」など、悩みはさまざま。食が細いことを気に病む人も少なくない。そんな子供を前につい「食べなさい!」と声を荒立てたくなるが、「そこはぐっとこらえて」と食べ物と子供の成長との関係に詳しい渡邉早苗先生はなだめる。

「『食べるまで席を立っちゃダメ』などと強制しないでほしい。食事をすること自体が嫌になります。楽しい気持ちで食べると消化酵素の出がよくなります。反対にネガティブな気持ちで食べると消化酵素の出が悪くなってしまい、せっかく食べても身になりません。どんな場合でも食事は楽しく、が私の持論です」

そこで偏食の解決策を尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「子供が偏食になるのには3つのケースが考えられます。1つは親が偏食の場合。親が嫌いなものは食卓に上がりませんから、その食べ物は子供にとって未知のものになる。知らない味を遠ざけるのは、人間の本能。自分が嫌いでも料理をして、体験させることが大切です」

もし、親に偏食がないなら、子供の喜ぶ顔を見たいばかりに、好物ばかりを作っていないだろうか。あるいは間食が多くておなかがすかないというケースもある。空腹ではないから、自分の好きなものだけつまんで「ごちそうさま」となるのだ。

「最近の小学生は『おなかがすいた』という感覚を知らないとよく聞きますが、私の孫もそう。学校から帰ってきてもおなかはすいてないと言うんです。だから、まずは『おなかがすいた』という感覚を教えるのが第一歩。土日などに、『今日はおなかをすかしてみよう』と宣言して、おなかがすくまで食事を出さない。おなかがペコペコになれば、多少嫌いなものも食べるはずですよ」

もちろん、間食については食事前には食べないなどルールを設けている家庭も少なくないだろう。ところが、そんな家庭でも容認しがちなのが果汁100%ジュースだ。「果物は体にいいし、まぁいいか」と親も目をつむり、食事前にゴクゴクなんてことも。とりわけファミリーレストランなどではお子さまセットにジュースはつきもの。ドリンクバーという甘い誘惑も待っている。

「ジュースならおなかにたまらないだろうと思っている方は多いようですが、実は甘い飲み物は満腹のもと。糖分によって一気に血糖値が上がり、刺激を受けた満腹中枢から『おなかいっぱい』という信号が送られてしまい、肝心の食事が進みません。特に胃の小さい小学校低学年の子供や食の細い子は食事前のジュースは避けるべき。食後に飲ませましょう」

さらに渡邉先生が注意を促すのは、缶コーヒーやプラスチックのカップに入ったチルドコーヒーだ。

「小学校高学年になると塾帰りに眠気覚ましにとコーヒーを飲む子供がいますが、これはよくありません。子供が飲むのはブラックでなく、加糖タイプですから、ジュース同様、糖分が気になりますし、なによりカフェインには興奮作用がある。夜に飲んでしまうと、寝付けないということも考えられます」

その代わりに与えたいのは麦茶や野菜ジュース。これならミネラルやビタミンの補給にもつながる。

「市販の野菜ジュースは糖分が高いものが多いです。糖の取りすぎは肥満につながります。栄養面でもおいしさでも家庭の手作り野菜ジュースが一番。飲みやすいように砂糖、はちみつを少し加えてもいいでしょう。野菜がたっぷり取れますし、ジューサーではなくミキサーを使えば繊維質の補給もできますよ

夜食代わりにするのもいいが、効果的なのは朝食の1杯だ。ビタミン、ミネラル類は食べ物の栄養をエネルギーに変えるのに欠かせない栄養素。午前中からバリバリ勉強できるパワードリンクになるだろう。

この野菜ジュースも食事も、大事なのは手作りであるということ。

「子供のために、というお母さんの愛情を伝えることができますよ」

■家族の8大「ダメ食習慣」5〜10

【ダメ習慣5】子供の好物ばかり出す
理由:偏食の原因になる。子供の味覚が広がらない

【ダメ習慣6】食前に100%ジュースを飲ませている
理由:血糖値が上がって満腹になり食事が入らなくなる

【ダメ習慣7】コーヒーを飲むのを許している
理由:砂糖入りで甘くてもカフェインは興奮作用がある

【ダメ習慣8】体にいいからと市販の野菜ジュースを飲ませている
理由:砂糖が多すぎる場合も。手作り野菜ジュースがいい。文部科学省の調査によると肥満の子は11歳の男女で10%前後いる。脂肪分だけでなく、砂糖など糖質も食べ過ぎると肥満につながる。甘い飲み物は知らず知らずのうちに多くの糖質を取ってしまうので特に注意したい。

 

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渡邉早苗 
臨床栄養療法学が専門で、腎疾患や消化器疾患の栄養管理や食物アレルギーの栄養療法などに詳しい。『暮らしの栄養学』『スタンダード人間栄養学「基礎栄養学」』などの共著書がある。

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(文・上島寿子 撮影・遠藤素子、市来朋久 教える人:渡邉早苗)