学生の窓口編集部

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暑いとき、緊張しているとき、スポーツ中、風邪をひいて熱が出たときなど、それぞれのときに出る汗は種類が違うように感じます。そこで、汗の性質や働き、においについて、臨床内科専門医で正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長に聞きました。

■日ごろ汗をかかない人はベタベタな汗が出やすい

<疑問1> サラサラとベタベタな汗は何がどう違う?

正木医師 水のようなサラサラの汗の成分は、99%が水分です。汗を分泌する汗腺(かんせん)が正常に機能すると、ナトリウムやマグネシウムなど体に必要なミネラルは、汗腺でろ過して血管に吸収されます。主に水分だけが排出されて、皮ふから蒸発します。

一方、ベタベタする汗の成分は、水分とミネラルです。加齢や日ごろ汗をかかないことが原因で汗腺の機能が弱くなると、ミネラルを血管に吸収することができなくなって、水分とともにミネラルも皮ふから体の外へ出ていきます。

この汗はミネラルを含むので蒸発しにくく、ベタつくわけです。結果、体温調節がうまく行われずに、だらだらと出る悪循環になります。

一日に一度は汗をかくほうが汗腺は活動的になり、サラサラの汗が出るようになります。

<疑問2> 汗がたくさん出るほど、におう?

正木医師 汗のにおいは、量とは関係がなく、種類によって変わります。汗の不快なにおいは、皮ふの常在菌が汗や皮脂、垢(あか)に含まれる成分を酸化、分解するときに発生します。

サラサラな汗のときは、汗が蒸発することで皮ふの温度や湿度が下がるため、常在菌が増殖しにくくあまりにおいません。

しかし、ベタベタな汗は汗が蒸発しにくく、皮ふに残るミネラル分をエサにする常在菌が増殖しやすいので、不快なにおいを発します。

<疑問3> 風邪などで発熱したときには、汗をかくほど早く治る?

正木医師 間違いです。汗は、体温を調節するという重要な役割があります。体温が上昇すると、汗を出して体から熱を逃がすように働きます。

風邪やインフルエンザなどにかかると、侵入したウイルスと免疫細胞が戦うために、体温が上がります。汗を出そうと厚着をする、布団や毛布を重ねてかけると、汗が蒸発せずに熱が体内にこもります。すると体力を消耗し、病気の症状が悪化することもあります。

また、大量に発汗すると体内の水分が急速に失われるので、脱水症になる恐れもあります。

発熱時は無理に汗を出そうとしないで、自然と熱が下がるまで体の様子を見ましょう。

<疑問4> 飲む水分量を減らすと、汗は出にくくなる?

正木医師 汗の量は変わりません。汗は、体温調節時や緊張するとき、辛いものを食べたときなどに生理的な反応として出るので、意識して調整できるわけではありません。

また健康な状態で大量の水分を飲んでも、体に必要な量以上は尿として排出されるので、汗の量が急激に増えることはありません。

汗をかくのは避けたいと思いがちですが、汗は体にとって必要かつ重要な働きがあるということです。自然な汗は出す方がよい、また、日ごろから汗をかくことこそがベタベタの不快な汗を避けて、サラサラのにおわない汗を出すことにつながるそうです。

ぜひ参考にしてください。

(藤井空/ユンブル)

取材協力・監修 正木初美氏。日本臨床内科医会専門医、大阪府内科医会理事、日本内科学会認定医、日本医師会認定スポーツ医、日本医師会認定産業医、正木クリニック院長。
正木クリニック:大阪府大阪市生野区桃谷2-18-9
http://masaki-clinic.net/wp/