「2020年はゲーム界隈にとって大きな失望が複数あった」として、2020年に起きたゲーマーにとってガッカリな出来事をゲームメディアのKotakuがまとめています。

The Biggest Video Game Disappointments Of 2020

https://kotaku.com/the-biggest-video-game-disappointments-of-2020-1845943297

◆Halo Infiniteの発売延期

HALOシリーズの最新作であり、当初はMicrosoftの次世代ゲーム機であるXbox Series Xと一緒にローンチタイトルとして発売される予定であった「Halo Infinite」の発売が2021年まで延期されることとなりました。「Halo Infinite」はMicrosoftにとって唯一のファーストパーティ製のローンチタイトルであったため、MicrosoftはXbox Series Xを発売しながらファーストパーティ製のタイトルは発売できないという奇妙な状況に陥ります。また、2020年7月に公開されたゲームプレイ映像が「光沢がなくのっぺりしている」ため、改善の余地があるという声が多く上がり、開発元の343 Industriesも改善の必要性があることを認めています。

Halo Infinite | Campaign Gameplay Premiere - 8 Minute Demo - YouTube

なお、最終的にHalo Infiniteは2021年のホリデーシーズンまで発売が延期されています。

◆次世代ゲーム機の購入が非常に難しいものに

2020年は新型コロナウイルスのパンデミックにより、多くのゲームが売れました。そのタイミングでソニーとMicrosoftがそれぞれ次世代ゲーム機を発売することとなったため、PlayStation 5(PS5)やXbox Series Xには大きな需要が予想されていました。

しかし、実際に発売されるとPS5とXbox Series Xのどちらの次世代ゲーム機も初週販売台数が前世代ゲーム機以下の数字となっていたことが明らかになり、メディアからは「在庫不足に苦しんでいる」との指摘も飛び出しました。

PS5&Xbox Series Xの初週販売台数が明らかに、メディアからは「在庫不足に苦しんでいる」との指摘 - GIGAZINE



また、ただでさえ少ない在庫に苦しんでいるPS5やXbox Series Xといった次世代ゲーム機は、メーカー希望小売価格の数倍の価格で転売されまくっているという状況も指摘されています。PS5やXbox Series Xはゲーム機を欲っしているゲーマーたちの手に届くことなく、転売屋による高額転売のターゲットにされてしまっており、転売屋だけが多額の利益を得ている状況に多くの人々が不満を抱えています。

転売屋は85億円超をPS5や次世代グラフィックボードの転売で売り上げた可能性 - GIGAZINE



◆サイバーパンク2077

2012年に発表された「サイバーパンク2077」は、ウィッチャーシリーズの開発元として知られるCD Projekt REDによる注目作品でした。しかし、実際に発売されると特にPlayStation 4版とXbox One版に多数のバグが存在することが明らかに。これにより、公式が返金対応をスタートし、最終的にPlayStation向けの公式ストアであるPSストアからは削除されてしまいました。

バグやクラッシュ連発の「サイバーパンク2077」が謝罪&返金対応を発表、初代PS4版と初代Xbox One版の不具合で - GIGAZINE



by Yuri Samoilov

これにより、開発元のCD Projekt REDはポーランドやアメリカで集団訴訟の危機に直面しています。

「サイバーパンク2077」の開発元がアメリカでも集団訴訟を起こされる - GIGAZINE



サイバーパンク2077の発売からの混乱っぷりをニューヨークタイムズは「ゲームの歴史の中で最も目に見える災害のひとつ」と報じています。

◆任天堂とファンの間の戦争

新型コロナウイルスのパンデミックによる外出自粛期間中、任天堂の「あつまれ どうぶつの森」が世界的なブームを巻き起こしました。しかし、ファンが自作するゲームに対する任天堂の対応に不満を募らせているゲームファンも多くいるとKotakuは指摘しています。任天堂はこれまで自社タイトルのファンゲームに対して著作権侵害の申し立てなどを行い、厳格に対処してきました。

8年かけて開発された改造ポケモンが任天堂から停止の命令をくだされ直前にリリースを断念 - GIGAZINE



by JD Hancock

また、2020年には任天堂作品のファンとして有名なYouTuberのEtikaさんを記念したJoy-Conに対して、任天堂が販売の差止めを請求したことが明らかになり、インターネット上で批判の声が挙がりました。

「ガイルくん」で知られる人気YouTuberモデルのJoy-Conの販売を任天堂が差止め、ファンからは猛反発 - GIGAZINE



◆周囲の醜いドラマ

PS4向け人気タイトルの「The Last of Us Part II」は、暴力や怒り、復讐に焦点を当てた作品であるため、「一部の人にとってはあまりにも恐ろしすぎるタイトルでしょう」とKotaku。しかし、作品としての良し悪しだけならば「2020年のゲーム界隈にとっての大きな失望」に挙げることはなかったでしょうとKotakuは記しています。

The Last of Us Part IIの開発元であるNaughty Dogに対して、開発環境の劣悪さが報じられました。また、The Last of Us Part IIではリリースの1週間前にレビュープログラムが行われたそうですが、過度の制限的なレビューのみが許可されていた点もKotakuは問題視しています。「ゲームの内容については好き嫌いがたくさんあるものと思いますが、その周りにより醜いドラマが存在していたため、ゲーム業界の悪しき習慣を晒す醜い事例となってしまいました」と記しています。

◆Ubisoftの混乱

2020年はUbisoftの社員による嫌がらせや虐待行為の多くが報告された年でした。同社のイブ・ギルモCEOは、社内のスキャンダルに関わったすべての被害者に謝罪し、今後の職場環境の改善を約束しています。

アサシンクリードシリーズなどのUbisoftが女性差別的な企業文化を指摘される - GIGAZINE



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