太田宏介 (撮影/岸本勉・PICSPORT)

写真拡大 (全17枚)

太田宏介がアギーレ監督からスタメンを告げられたのは試合当日のことだった。ただ、前日のフォーメーション練習などから、予感はあった。太田にとって2010年1月のイエメン戦以来、4年ぶり2試合目となるスタメン出場である。

「わくわくした気持ちと、意外に冷静にいられた。試合まで、いつもと変わらない時間が過ごせた」

前半はブラジルが太田のサイドから攻めてきたこともあり、あまり攻撃参加する機会はなかった。田中順也とともに守備に回る機会が多かった。

「バランスを崩したくなかったので、(右サイドの酒井)高徳が行ったら絞って、ガンガン前へ行くのは控えた。ブラジルはパス回しが上手いので、(守備の)ブロックを作ってから速いカウンターを狙っていた」

それでも22分に田中順也のヘッドに結びつく高速クロスや、24分には小林悠のボレーにつながるラストパスを送った。後半には「右で作って左に回す形を作ってくれたので、(前に)出ていけた」ため、89分にはアーリークロスから柿谷曜一郎の決定機を演出した。

「奪ったらシンプルに裏を狙えという指示だったし、今日はシンプルに上げようと思っていて、岡崎さんからもそう言われた。少ないチャンスでも自分の形は出せた。ヨイチ(柿谷)に合わせたのもそうだし、クロスの良さは出せたかな。高い位置(でのプレー)なら、クロスで終われたことは自信を持っていい」と収穫を語っていた。

0−4の大敗に、「1本のミスが失点につながっているし、内容的に0−4の結果が物語っている」と素直に完敗を認める。それでも、自分自身のプレー、こと攻撃には手応えを感じたようだ。そして今後の課題については次のように語っていた。

「代表の試合に出させてもらい、これきりにしたくないし、他の選手との違いをアピールしないといけない。オレも(麻布大渕野辺高校では同期の小林)悠も、ここから這い上がっていかないといけない。アジアカップに(揃って)出られるようにしたい」

この大切な一戦で得た経験を元に、次の試合では太田のクロスが実を結ぶかもしれない。

(取材・文/六川亨)

▼ 酒井高徳

(撮影は全て/岸本勉・PICSPORT)


▼ 小林悠











▼ 柴崎岳、ジエゴ・タルデッリ



▼ 岡崎慎司





▼ 武藤嘉紀、太田宏介



本田圭佑、カカ



本田圭佑、カカ





▼ 武藤嘉紀



▼ サポーターの声援に感謝する選手たち



▼ ブラジルの先発イレブン