個人情報保護法が改正されると知られたくない情報も、もはや隠せない?
◎守られるべき個人の情報の範囲はどこまで?
あなたは「ネットでいつ、どんな記事をチェックしていたか」「通販で検索した商品は何か」「自分が気にしている身体的特徴は何」などを人に知られても平気だろうか?
もちろん、各種SNSでは個人の趣味嗜好をシェアすることもコミュニケーションの1つになっている。また、いまYoutubeで聴いている曲、開いたWebページを自動で送信するようなアプリもある。シェアボタンを押す、自動送信アプリを起動するといった自分の意志で行うならいい。だが、無意識に行なわれている操作で、自分の意思ではなく情報が一人歩きしてしまったら?
いま私たちはネットを使って、必要な(あるいはそれほど重要ではないかもしれない)情報にアクセスして生活している。それはもう普通に生活の一部となっていることなのだが、その普通が実は思わぬところにつながっている。アクセスしたリンクや検索したキーワードは使ったサービスのサーバ側にキャッシュ(保存)され、蓄積されたデータからは個人の嗜好が露わになってしまう。
こうしたデータは、一部のビジネスでは利用価値が非常に高い。たとえばパーソナライズされたWeb広告やAmazonのレコメンドといったように、すでに多くの大手Webサービスでも利用されている。
しかし、今回の話はそれをもう一歩進めましょうということ。
たびたびトラブルにもなっているが、これまでは企業がこうしたネットでの行動や活動を捕捉して得たデータを第三者が活用するなどの場合は本人の同意を得る必要があった。それが今後は、個人情報(名前や住所など個人を特定できるもの)とのひも付けを緩くして、加工することで本人同意なしにデータをどう使ってもよいことにしましょう。ただ、きちんと運用されるかどうかチェックする機関を設けましょうというのだ。
◎ビッグデータが便利に良くしてくれる未来との兼ね合い
これはビッグデータとして運用しやすくしようというのが狙いになっている。そうして集積したデータを使って、個人の趣味・嗜好、行動パターン、心理パターンを分析し、予測し、活用することでもっと良いサービスが提供できるはず、というのが目的になっている。もちろん、ユーザーによかれというモチベーションで、現実的に利用できるデータが存在し、テクノロジー的に処理することが可能であるのだから、企業としては、よい方向で活用できるように実現を目指すべきことなのかもしれない。
でも、ユーザーにとっては、極端にいえば、「アナタはいついつこういう情報を見ており、こういう嗜好の方なので、であれば、アナタが本当に求める検索結果はこうなのでは? そして、アナタは求めるサービスはこちらですね」と提示されたものを受け続けることにもなりかねない。
それはそれで便利かもしれないが、そこまで自分の行動を予測し、指示されるような動線を引かれた世界に囲まれたら、ちょっと困った事態になりそうだ。こうした便利さを支える情報が、個人情報とのひも付けがなされないという完全な保証はない。ご存知のとおりネットに一度のってしまった情報はなかなか消えない。要はバランスなのだと思うが、個人的な希望をいえば、忘れられる権利とその仕組みが確立してからの導入にしてほしいものだ。
大内 孝子

