暗号化を突破されたB-CASに代わる次世代CAS技術をNHKが公開中

日本のデジタル放送を視聴するためには、テレビにB-CASカードを挿し込む必要があります。このB-CASカードは、BSデジタル放送で有料放送契約者だけが該当する番組を見られるようにするための限定受信システム(CAS)として登場したものですが、2004年以降はデジタル放送を視聴するためには必須のカードとなっています。
このB-CASカードの暗号化が破られてしまったことから、2012年にはB-CASカードを有料放送見放題なカードにする手順が判明し、さらに有料放送を無料で視聴可能になるようB-CASカードを不正に改ざんして販売する者まで登場して世間を騒がせました。
展示項目18 次世代CAS技術 | NHK技研公開2014 〜ココロ動かすテクノロジー〜
http://www.nhk.or.jp/strl/open2014/tenji/tenji18/index.html

「次世代CAS技術」は、コンテンツの権利保護とアクセス制御を実現するために研究開発が進められているもので、「高度な秘匿性」と、安全性の維持・改善が可能になるように「ソフトウェア更新」が可能なものを目指しているとのこと。

「高度な秘匿性」を実現するため、MMT(メディアトランスポート方式)に対応したスクランブル方式を取っており、暗号方式の切り替え機能やメッセージ認証による改ざん検知機能を備え、映像や音声単位でアクセス制御が可能になります。暗号方式の切り替え機能があるので、B-CASのように暗号化が破られても暗号アルゴリズムを変更可能となっているわけです。

ブースにはMMT対応スクランブル方式のデモンストレーションを行うスクランブラーが置かれていました。

そして、「ソフトウェア更新」が可能になるように開発されている技術がダウンローダブルCAS(D-CAS)。これはCAS機能をソフトウェアの形でセキュアに搭載・実行できる受信機プラットフォームで、複数のプログラムを搭載したり、セキュリティに問題が生じた際には新たなCASプログラムをダウンロードしたりしてテレビをセキュアな状態に保つことができる技術です。

D-CASの試作機はこんな感じ。実用化される頃にはこれが小さなチップとなってテレビの中に搭載されることになるそうです。

ブースで紹介されていた次世代CAS技術は、2016年に試験放送が始まる8Kスーパーハイビジョン放送の限定受信方式として標準化を進めるべく実用化に向けた開発が進められているとのことです。
