成功事例からユーザー動向まで。YouTubeの今がわかる定期刊行レポート『YouTube Insights 第1号』(後編)
2013年7月から四半期ごとに定期公開されることになった、米国内でのYouTubeの最新の統計情報やトレンドが集約されたレポート『YouTube Insights第1号』。
第1号では下記の4つのテーマに沿ってYouTubeの現状が報告されており、前編では 「1.視聴者層」と「2.人気チャンネルの動向」の内容を取り上げました。
- 視聴者層
- 人気チャンネルの動向
- 成功事例から学ぶ動画コンテンツの表現方法
- 効果
今回は、残りの「3.成功事例から学ぶ動画コンテンツの表現方法」と「4.効果」について見ていきましょう。
3.成功事例から学ぶ動画コンテンツの表現方法
それでは、YouTubeを活用しマーケティングを成功させた2つのブランドの事例を見てみましょう。
<事例>Intel社:視聴者の参加が、キャンペーンを成功に導いた

Intel社は新製品“Ultrabooks”の発売に際し、消費者の注目を集めるため、5ヶ月にわたってYouTubeでスローモーション動画コンテスト(A MOMENTARY LAPSE)を実施。
参加者からの動画をただ募るだけではなく、視聴者からの投稿が活発化するように、「コンテンツ制作のためのhow to動画」や、「YouTubeで人気のあるクリエイターによって制作された動画」をIntel側から公開したことで、結果、動画の投稿数は当初予想の2倍以上に達し、CVRは過去最高を記録した。
いち視聴者が参加者となり、広告キャンペーンの一翼を担う存在となったことが予想を超える認知の拡大とプロモーションの成功につながった。
参考:Intel’s A Momentary Lapse YouTube Contests Blew Past Original Goals in Three Weeks
<事例>DOVE:シンプルなメッセージに、「重み」を持たせた実証実験プロモーション。

DOVEのミッションは、女性の美しさを、悩みではなく“自信”を生み出すものへと変えること。
世界中での調査の結果、「自分は美しい」と自己評価する女性はたった4%しかおらず、自分の外見について批判的に考える女性が54%もいることを知った同社は、2013年、女性が実際に自分自身をどう見ているかについての社会的な実験を行い、その実験の結果を「Dove Real Beauty Sketches」という3分の動画に集約。
「自分が思うより、あなたはずっと美しい」という女性たちに向けたDOVEのメッセージを、実証と体験によって伝達することで、ブランド・コンセプトの認知とブランド・ロイヤリティの構築を目指した。
同社はこの動画を、TrueView広告、マストヘッド広告(YouTubeのトップページ 最上部の広告面)、検索連動型広告を駆使し、25ヶ国語の46のYouTubeチャンネルで公開した結果、全世界で1億6300万回の再生回数を記録。2013年、最も多く視聴されたYouTube広告の1つとなった。
参考:Real Beauty Shines Through: Dove Wins Titanium Grand Prix, 163 Million Views on YouTube
4.効果
Google社と提携しているMarketShare社が展開する“メディアミックスモデル”によると、企業が平均でメディア予算の5%をYouTubeに投資すれば、新たに支出を追加することなく1〜3%の売上増加が達成できるという結果が発表されました。
拡大する動画広告市場
インストリーム広告の出稿数が前年比2倍を達成。特にコンピューター、エレクトロニクス、ニュース、スポーツの分野で高い成長率が見られた。

動画広告の68%は、自動車、リテール、テクノロジー、購買頻度の高い消費財分野(食品、飲料、靴、衣料品、タバコ、洗剤など)が占めている。

売上を伸ばす為に必要な、YouTubeに割くべき広告費
下記の4つの商材<クレジットカード、自動車保険、携帯電話、自動車>において、これまでの広告予算のうちたった5%(平均)をYouTubeに投じただけで、追加支出を伴わずに1〜3%の売上増加を達成。

<事例>US MARINE COPRS:わずかな支出と短期間で、多くの視聴者を獲得。

米国海兵隊は若い男性をターゲットとし、米国海兵隊の勇敢さ、献身ぶり、統率力を周知啓蒙することを目的としたキャンペーンを行った。
キャンペーンでは、48時間限定でマストヘッド広告(YouTubeトップページ内、最上部の広告面)を出稿。また同時に、ターゲットとする若い男性の動画視聴状況を把握し、一番視聴されやすいタイミングやユーザー属性を狙い、プレロール広告(動画再生前に流れる広告)を配信した。
ターゲットとタイミングを見定め、狙い撃つように実施された、この1点集中型キャンペーンは、たった48時間で再生回数1億2800万回以上を記録。スーパーボウルの視聴者数(全米で1億840万人:ニールセン調べ)よりも遥かに多くの視聴者を、わずかな支出で獲得した。
参考:US Marine Corps Reaches Their Audience Through YouTube
『YouTube Insights 第1号』まとめ
- 「ジェネレーションC」と呼ばれる視聴者層と「モバイルデバイス」での視聴環境がYouTubeの成長を牽引。
- 2013年前半に登録者数100万人を突破したYouTubeチャンネル数が激増。ユーザーの拡大とその関心度の高さに更なる拍車がかかる。
- YouTubeを活用しキャンペーンを成功させているトップブランドは、ターゲットとする視聴者をよく分析・理解し、コンテンツ・表現・出稿方法に工夫を凝らしている。
- YouTubeマーケティングは、わずかな経費で売上アップ効果が期待できる。
YouTubeなくして動画マーケティングを語ることが出来ないほどにますます強大な存在となっているYouTube。プラットフォームの成長の速さに伴い、活用ノウハウやユーザーはめまぐるしい速さで移り変わっていきます。
日本でもそのスピードに遅れをとらないよう、米国の最新情報を入手することが出来る『YouTube Insights』を活用し、マーケティングの目的に沿った自由度の高い活用が可能なYouTube利用のヒントを見つけることが重要になるでしょう。
[参考]
YouTube Insights Issue One July 2013
http://ssl.gstatic.com/think/docs/youtube-video-insights-stats-data-trends_research-studies.pdf
Intel’s A Momentary Lapse YouTube Contests Blew Past Original Goals in Three Weeks
http://www.google.com/think/case-studies/intel-momentary-lapse.html
Real Beauty Shines Through: Dove Wins Titanium Grand Prix, 163 Million Views on YouTube
http://www.google.com/think/case-studies/dove-real-beauty-sketches.html
US Marine Corps Reaches Their Audience Through YouTube
http://www.google.com/think/case-studies/marines-case-study.html
