海外でスマホなどのデータ通信を行う3つの方法別のメリット&デメリットまとめ!国際ローミングかレンタルか、あるいはSIMフリー機種+現地SIMか!?

shimajiro@mobiler――写真は以前に紹介した「モバイルWi-Fiルーターレンタル」サービス

国内でも「Nexus 5」や「iPhone 5s」、「iPhone 5c」などの人気機種がSIMロックのかかっていないSIMフリーで販売され、一方で国内の携帯電話会社が海外でもLTEによる高速通信が利用できるLTE国際ローミングをはじめるなど、海外でのスマートフォン(スマホ)やタブレットの利用の選択肢も広がってきたと思う。

そこで、今回は、海外においてスマホなどのデータ通信を行う3つの方法と、それぞれの方法のメリット/デメリットのまとめておきたい。

【海外で通信する方法3つ】
1)国際ローミングで利用する
2)現地で使えるモバイルWi-Fiルータをレンタルする
3)SIMフリー機種+現地SIMカードで利用する

海外でスマホなどを利用する際の通信手段は、国際ローミングで利用するのが最も“カンタン”な方法だけれど、その分通信料は高く設定されており、料金的に最も安くなる組み合わせのSIMフリー機種+現地SIMカードの利用は、料金的には最も安いものの、SIMフリー機種を用意したり、現地でのSIMカードの購入および設定などなどの手間がかかるため、海外での通信については「カンタンに使える方法ほど、通信料が高い」と言って差し支えないと思う。

通信方法別のメリット&デメリットをカンタンにまとめると以下。

◯海外での通信方法別のメリット&デメリット比較
通信方法国際ローミングWi-FiルーターレンタルSIMフリー機種+現地SIM
費用最大2,980円/日500円/日 〜 1,500円/日前後数百円/日
メリット設定などなどがカンタン。普段使っている機種がそのまま海外で使える。国際ローミングで利用するよりも安く海外で通信を行うことが可能。モバイルWi-Fiルーターはレンタルのため、機種を購入する必要が無い。料金的には最も安く海外で通信を行うことができる。国際ローミングが提供されていないエリアでも、SIMカードが入手できれば利用可能
デメリット通信料金が高い。事業者によっては通信料が定額にならない場合があるため設定に注意。日本時間を基準にして1日ごとに通信料が発生するため、滞在先との時差によっては、1日で2日分の通信料が発生することがある。Wi-Fiルーターのバッテリが持たないことがある。モバイルWi-Fiルーターのみでは音声通話は使えない。レンタル機種が故障した場合の費用が高額なケースがある。通信量が多くなると、通信速度制限の対象となる国や事業者が存在する。通信を行うための設定や、インターネット定額プランの申込が複雑な場合がある。通信方式や周波数が国やエリアによって異なるため、SIMフリーであっても利用できない場合がある。現地でSIMカードを入手する際に手間がかかる。
こんな人にオススメ海外での滞在が短期間で多少料金が高くても、普段と同じ機種をそのまま海外で使いたい方。海外への渡航が年に1回ぐらいの方(目安)海外での通信料は抑えたいけれど、SIMフリー機種を持っていない方。あるいは現地でのプリペイドSIM入手に不安がある方。海外への渡航が年に5回未満の方(目安)SIMフリー機種を持っていて、「とにかく現地での通信料を抑えたい」方。海外への渡航が年に5回以上の方(目安)
備考各キャリアの提供する海外パケット定額プランを想定。通信料は渡航先やレンタル業者によって異なる。通信料は利用する国・事業者によって異なる。


1)の国際ローミングでの利用については、上記の方法の中では最も通信料が高額になる可能性があるものの、海外でスマホなどを使って通信をするための最も簡単な方法であり、通信料さえ気にしなければ、最もオススメできる方法となる。

最大のネックは通信料が高いことで、最大で2,980円/日(定額が適用される場合)の通信料が発生するため、例えば「長期の滞在だったり現地での通信料を抑えたい。」という場合には、国際ローミングでの利用は経済的ではない。

一方で、NTTドコモからは国際ローミング時の新しいサービスとして「海外1Dayパケ」が発表され、国・地域によって980円〜1,580円/24時間(申し込みから)の料金で海外でのデータ通信が利用可能となり、従来の海外パケット定額サービスよりも料金が抑えられている。

ただし、通信量は30MB/24時間に制限されており、通信量が超過した場合は通信速度が16kbpsに制限されるので、この点は注意しなければならない。

国際ローミングよりは多少手間のかかる方法にはなるけれど、モバイルWi-Fiルーターのレンタルについては、国際ローミングと比べて通信料(レンタル料)を抑えつつ、滞在先で通信を行う方法としてバランスの良い選択肢と思う。

これに対し、2)のモバイルWi-Fiルーターレンタルは複数の事業者が行っており、レンタル料金の安い国では500円/日程度でレンタルすることができるため、国際ローミングと比較して通信料を抑えることができる。

現地で通信を行うために必要な機種(モバイルWi-Fiルーター)についてもレンタルできるため、「通信方式や周波数帯の違いによって通信ができない。」ということを不安に感じたりする必要がなく、現地での通信料は抑えたいけれど、SIMフリー機種を持っていない方や、現地での滞在時間を有効に活用したいという方には、費用と利便性のバランスが良い選択肢と思う。

デメリットとしては、モバイルWi-Fiルーターを使っての通信となるため、普段モバイルWi-Fiルーターを使っていない方にとっては、スマホなど上に電波状況が表示されないため、そういった部分で使いにくく感じる可能性があるのと、モバイルWi-Fiルーターのみでは電話の着信を受けることができないので、現地で(音声)通話を頻繁にするような用途では使いにくい。

また、基本的に料金は1日あたりのレンタル料金×滞在日数で決まるため、複数の国に跨って移動する場合や、現地での滞在期間が長くなると「国際ローミングと比べて通信料が安い」というメリットが活かしにくくなるので、長期間や複数の国の滞在には不向きと言える。

3)のSIMフリー機種+プリペイドSIMでの利用は、海外への渡航が頻繁だったり、長期間の滞在になる場合、現地での通信料を最も抑えることができる方法としてオススメできる。

ただし、現地での通信方式や周波数などを事前に調べないと「SIMフリー機種であっても通信方式や周波数が異なり通信ができなかった。」というようなケースがありえる点には注意が必要で、ここで紹介する3つの方法の中では、最も難易度が高い方法となる。

慣れてくるとなんてことはないという方もいらっしゃると思うが、現地で通信を行うためのAPN設定なども、普段意識することがない場合には高いハードルとなることもあり、現地でのプリペイドSIMの入手も基本的には現地人と外国語でのやりとりで、他の方法と比べるとどうしても不確定な要素が多くなるので、万が一の場合には必要に応じて国際ローミングを使うなどのバックアップがあるとベターだろう。

とはいえ、筆者が過去に訪問した国や都市では、「プリペイドSIMの入手にあたってものすごく困った。」ということは経験上特になかったということは付け加えておきたいし、ここで紹介している3つの方法の中では最も通信料を抑えることができるので、海外への渡航が多い方で、SIMフリー機種をお持ちの場合は積極的にチャレンジして欲しい。

日本国内では、NTTドコモで販売される機種がSIMロック解除に対応している以外には、なかなかSIMフリー機種が流通しにくい状態が続いていたけれど、イー・アクセスから販売されるイー・モバイル向けNexus 5がSIMフリーとなっていたり、Googleの「Nexus 7」や、AppleのiPhone 5sおよびiPhone 5cがそれぞれSIMフリーで販売されるなど、国内でも「SIMフリー機種」を購入するハードルが下がっているので、SIMフリー機種+現地SIMカード(特にプリペイド)の組み合わせは徐々にハードルが低くなってきているようにも思える。

海外でモバイルデータ通信が利用可能と、現地での情報収集が飛躍的に便利になるので、海外へ渡航する方には積極的に現地での通信環境を整えて、現地滞在をより楽しむためのインフラとして活用していただけたらと思っている。

記事執筆:shimajiro@mobiler


shimajiro@mobiler
海外でスマホなどのデータ通信を行う3つの方法別のメリット&デメリットまとめ | shimajiro@mobiler

■関連リンク
エスマックス(S-MAX)
エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
S-MAX - Facebookページ