復活マーコート&初陣メイン戦の展望
もともとUFCミドル級でもアンデウソン・シウバ、チェール・ソネン、岡見勇信、ターレス・レイチにしか敗れていない実力者で、ストライクフォースの試合を見る限り、ウェルター級転向で動きの質が落ちたと思わせる場面はなかった。今回のUFC返り咲きでも、新階級=ウェルター級で十分にタイトルを狙える実力の持ち主と断言できる。
対するエレンバーガーは、一時は7連勝をマークし、タイトル挑戦に大きく近づいたが、昨年6月にマーティン・カンプマンに敗れ一歩後退。10月にジェイ・ヒエロンとの再戦を制し、再びタイトル戦線への浮上を目論んでいる。豊富なスタミナとテイクダウンを軸に、そこからのパンチやヒザ蹴りへのつなぎもスムーズなエレンバーガーは、対戦相手によって自分のスタイルを大きく変えるタイプではない。
逆に打撃とレスリングはもちろん、柔術的な動きにも長けているマーコートは、そのオールラウンドな動きで対戦相手や試合展開に合わせた動きをチョイスすることが出来る。自分のストロングポイントをぶつけ続けるエレンバーガーをマーコートがどういなすか。エレンバーガーとしては序盤の勢いをどれだけ持続できるかがポイントの試合だ。
そして23歳にして30戦以上の戦績を誇るメインが、UFCに初参戦を果たす。ストライクフォースではエヴァンゲリスタ・サイボーグを相手に、ほぼキックボクシングといってもいいような打撃戦で圧倒し、テイラー・スティンソンに対してはパンチとローのみで完封するなど、その打撃スキルはMMAファイターの中でも突出している。
サイボーグ戦では重い右ローで足を止め、前に出てくるとバックステップ&スウェーバックから放つ前手のカウンターで深入りさせず。攻撃に転じれば顔面とボディにパンチを打ち分けて、距離が詰まった時のヒジ打ちの使い方もスムーズだ。さらに構えもオーソドックスとサウスポーを時折スイッチするのではなく、どちらの構えでも戦える二刀流だ。打撃だけでいえばかなり高いレベルにあるといえるだろう。
そのメインの相手ミラーは前回の試合からウェルター級に転向、ヒカルド・フンシにギロチンチョークで一本勝ちした。思い切りのいい打撃と積極的にフィニッシュを狙うスタイルは、トップ選手との対戦では相性が悪いが、それ以外では一本勝ちが多く、そして取りこぼしも少ない。
“ストライクフォースのローリー・マクドナルド”とも言えるポジションで将来を期待されていたメインにとっては、まさにUFCで勝ち残っていけるかどうか試金石の一戦。またテイクダウン狙いからガードポジションになることも厭わないミラーだけに、グラウンドの時間も長いと予想される。ウッドリー戦ではテイクダウンを含め組み技の展開で後手に回っているメインが、どれだけUFCレベルの選手に組み技で対応できるかも試されることになるだろう。